ゲームキャラでもエゴサしたい!

一ノ宮いすみ

第二話 調査、行動、実況(脚本)

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〇闇の要塞
  サ終(※サービス終了)回避のためには自身の人気を上げねばならないと知らされた不人気キャラ達。
  人気回復の手段を探るため、さっそくエゴサを開始しようとしたが・・・。

〇魔王城の部屋
オルヴァン「検索にオレの名前を入れたらサジェストに『享年』とか『残りの寿命』とか出てきた・・・」
エリス「いやああっ!? 『さよなら』とか『引き取り拒否』とかでたぁ! 検索したくないぃ!」
魔王オキアミス「愚か者どもめ。自分で自分の調査など、脆弱な人間にできるものか」
魔王オキアミス「他の者にやってもらえ。必要に応じてミュートやブロックも活用しろ」
アルヒールド(エゴサ慣れをしているのだな・・・)

〇闇の要塞
  予想以上のあたりの強さに怯んでしまい、自身の調査は他の仲間に任せて行うことになった。
  そして2日後。

〇魔王城の部屋
アルヒールド「大体、話はまとまったな」
エリス「ええと、まず主なヘイト理由としてアルヒールドは『使えない』、私は『足手まとい』、オルヴァンは『殺す』なのよね」
オルヴァン「なんでオレだけ犯行予告みてーな理由なんだよ・・・」
オルヴァン「まあ、ともかくだ、原因がわかりゃ、対策もとれるってもんだ」
アルヒールド「その通りだ。俺はさっそく試してみたいことがある」
エリス「役に立つスキルを覚えるとか?」
アルヒールド「そうだ。俺は攻撃力はないが、防御にはわりと自信がある」
アルヒールド「だから皆に降りかかる全ての攻撃を俺が受けとめるスキルを得ようと思う」
エリス「え? 役に立つってそういう・・・?」
オルヴァン「命を雑に扱うなよ・・・」
アルヒールド「君達はどうだ?」
エリス「あ、私、今後のイベントに関してはライターとの打ち合わせに同席することにしたから!」
オルヴァン「清々しいまでに直接的な解決法だな・・・」
エリス「私が連続でさらわれるイベントばっかり来たのは、複数の外注ライターに頼んだうえに、社内共有ができてなかったからだって」
エリス「とりあえず次のイベントは私達がさらう側に変更するってさ」
アルヒールド「・・・いや、誘拐ネタから離れたほうがいいんじゃないか?」
オルヴァン「客離れ促進するだけだろうが、いい加減にしろよ・・・」
エリス「なによ! そういうオルヴァンは何するわけ?」
オルヴァン「ああ、一旦俺は死ぬ」
「は?」
オルヴァン「ぶっちゃけ、オレの場合は小手先の方法を試したところで意味がねえ」
オルヴァン「人気がねえどころか覚えのない恨みと喧嘩を売り買いしてるみたいだしな」
エリス「え? そりゃ時々、パワハラ上司みたいなこと言ってるけどさ・・・」
アルヒールド「『良い事を言おうとして、実際はブラック企業の社訓』などと忌み嫌われてはいるが死ぬことはないだろう?」
オルヴァン「それだよ! 職場のぶっ飛ばしたい迷惑上司や先輩みたいになってるのが今のオレなんだよ!」
オルヴァン「だからオレは近々、一度やられてから謎の力で生き返るシナリオイベを開催させる」
オルヴァン「その後は一切やらかすようなセリフは言わねえ」
オルヴァン「『あいつ一度死んでから変わったよな』『ライター変わった?』ってな感じのネタとメタの合わせ技で行くつもりだ」
エリス「何それ、なかったことにするってわけ! ズルい、私も死ぬー!」
オルヴァン「ダメだ! 2人がやったらインパクトが薄れるだろうが!」
アルヒールド(命を雑に扱っている・・・)
アルヒールド「ともかく始めるからには結果を出さねばならない」
アルヒールド「今、明示した手段の他にも売り上げのための策を講じる必要があるだろう」
オルヴァン「必要悪ってヤツだ。世界を救う使命を忘れない程度に頑張ろうぜ」

〇闇の要塞
  世界を救うためと言い聞かせ、渋々自己改革計画をスタートさせた3人。
  そして3日後。

〇魔王城の部屋
アルヒールド「エリス殿、SNSのアカウントとやらはどう作ればいいんだ?」
エリス「ちょっと待ってー、今、SNS映えしそうなやつ撮れそうだから」
オルヴァン「おい! オレのノートパソコン持ってったヤツは誰だよ! 動画編集できねーだろうが」
  彼らは使命を忘れかけるほど自己改造にのめりこんでいた。
  一方その頃。

〇要塞の回廊
???「──そのようなわけで、我が王は皆様に協力させていただきたいと・・・」
カルシム「はぁ、まあいいですけど・・・」
???「ありがとうございます。それでは・・・ヒッヒッヒ・・・」
魔王オキアミス「今の奴は?」
カルシム「ゴーマ国の使いの者だそうで・・・ほら、WOD内での人気キャラを何人も出している国の・・・」
魔王オキアミス「ゴーマ国だと? ゴーマ13世なる小物の王が治めるあの国か」
魔王オキアミス「飽くなき名声を追い求める欲深き哀れな王よ」
魔王オキアミス「あの程度で我をしのぐ冷酷無比とは片腹痛い」
魔王オキアミス「・・・何が魔王より魔王らしいだ、人間(※ユーザー)どもめ見る目のない・・・」
カルシム(気にしておられるようだ・・・)
カルシム「どこからか『セールスランキング向上計画』の話を聞いたらしく主に広報面で手伝いたいと」

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コメント

  • 「世知辛い……😭」と思っていたら、後書きが更に世知辛くて……😭
    「1回死んでみる!」は名案だとは思いましたが、キミ……自分からソレ発案するの凄いよ……と😭

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