日本、老人のせいで若者が疲弊する国

望月 風花

エピソード10(脚本)

日本、老人のせいで若者が疲弊する国

望月 風花

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〇薬局の店内
  ──某調剤薬局
薬剤師「今日はいつもの薬ですね」
薬剤師「認知症の進行を遅らせる 飲み薬が出ています。 気持ち悪さなどはありませんでしたか?」
  若い男性薬剤師が
  丁寧な口調で説明してくる。
介護士(大塚さん)「なかったと思います」
  ぶっきらぼうに大塚さんが答えた
薬剤師「あと、白内障の進行を 遅らせる目薬も出ています。 それと湿布が70枚ですね」
薬剤師「説明は以上です。 気になる点などはございますか?」
介護士(大塚さん)「特にないです。お世話様でした」
  そういって大塚さんは会計もせず、
  薬が入った袋をかっさらった。
神崎 ゆい「え?  お金は?」
  驚きと同時に私はつい
  口に出してしまった。
  薬剤師は「ああ、知らなかったんだね」
  という顔をした
薬剤師「御手洗様は 『超後期高齢者介護保険制度』が 適用となるため、医療費は無料です」
薬剤師「介護実習制度が制定されてから、 新たに導入されたんですよ」
神崎 ゆい「(無料?タダで薬がもらえるの?)」
  信じられず、大塚さんと薬剤師を
  交互に見てしまった。
  知らなかった・・・
  高齢者は1割負担だとばかり
  思っていたが、いつの間にか
  無料になっていたのか。

  ──そうか・・・
  私のバイト代から引かれてる
  「積み立て税」はこの人の医療費にも
  使われてたんだ。・・・

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