エピソード9(脚本)
〇総合病院
──某総合病院
〇病院の待合室
──待合室
御手洗(みたらい)「ちょっと、予約の時間は10時よ! もう12時なるじゃない!」
病院の待合室で御手洗が
大声でわめいている。
ババアの家を出たあと、
どうなったのか正直よく覚えていない。
気づいたら病院の待合室に座って、
御手洗の診察を待っていた。
一瞬、夢だったのではないかと思ったが、
手から便臭がしたので夢ではない。
〇施設のトイレ
──病院内のトイレ
ジャー・・・
神崎 ゆい「(汚い、汚い、汚い・・・)」
私は急いでトイレに行き、
手を洗った。
手が真っ赤になるまで洗ったが、
まだ洗い足りない気がする。
ふと鏡に目をやると
私の腕に赤い跡のようなものが
半袖の裾部分から見えた。
なんだろうと思って
袖をまくるとゾッとした。
ババアの手形だ・・・
〇病院の待合室
御手洗(みたらい)「ちょっと、 私は2時間も待ってんのよ! あと何分で診察なの?」
トイレから戻ると、
ババアは壊れたテープレコーダーのように
同じセリフを繰り返していた。
ババアの声を聞くとイライラする。
看護師「もうちょっとかかりそうですね~」
慣れているのだろう。
看護師さんはかがんで、
ババアの耳元で大きくはっきりと
答えていた。
御手洗(みたらい)「もうちょっとって、 だからあと何分か聞いてんのよ!」
御手洗(みたらい)「日本語わかんないの!? わたしゃねえ、この前11時に 血液検査したの」
御手洗(みたらい)「今日もするんでしょ? だったら前と同じ時間にしないと だめじゃない!!」
看護師「多少の時間のずれは 大丈夫だと思うのですが、、、」
御手洗(みたらい)「絶対に影響はないの!? そう言い切れるの!!」
御手洗(みたらい)「なら、病院として一筆書いてちょうだい。何もないなら書けるわよね! 何かあったら責任取ってもらうわよ!」
看護師「絶対とは、、、」
看護師は困り顔だった。
なんで検査の時間は
ボケて忘れないんだろう
ようやく診察が終わり、
その足で薬局に行った
これまでずっとリアルさ満載できていましたが、この病院のシーンは秀逸ですね。どの病院でも高確率で目にしますよね。聞いた話だと、9時診察開始の病院に7時から押しかけて、9時に「2時間待たせてふざけるな!」と叫ぶ人もいるとか、、、