エピソード6(脚本)
〇寂れた雑居ビル
──某介護事務所
〇事務所
神崎 ゆい「初めまして。神崎ゆいです。 今日から3ヶ月間お世話になります」
7月1日、介護体験実習が始まった。
私の実習先は駅から
バスで30分のところにあった。
入り口には『介護実習オールAの
優秀な人材が集まっています』と
書かれたポスターが貼ってある。
介護体験実習は高校生だけだが、
ここでの評価が就職に響く。
この会社のように社員が
介護実習で高成績を修めたことを
アピールするようになったのだ。
これにともない他のサービス業たちも
就活で履歴書と実習での成績表を
提出することを求めてきた。
企業としてもお客様である
高齢者に対して学生がどのように
対応したのかが気になるのだろう。
〇事務所
事務長「この事業所には全員で 6人のヘルパーがいます。 神崎さんの担当はこちらの大塚さんね」
介護士(大塚さん)「よろしくね」
大塚さんは身長が150cm程で
年齢は50歳くらいだろうか・・・
校則ではたしか
「黒髪以外はお年寄りが怖がるので禁止」と
あったはずだ。
こんなことなら、
お気に入りの茶髪を
黒に戻すんじゃなかった
介護士(大塚さん)「今日は御手洗しずさんの家に 行ってもらいます」
大塚さんは、本棚から
「御手洗しず」と書かれた
分厚いファイルを取り出した。
〇総合病院
御手洗さんを病院に連れていき、
診察を受けたら・・・
〇薬局の店内
薬局で薬をもらって
自宅まで送ります。
事務的な口調で淡々と話し終えると、
大塚さんはスタスタと入り口へ向かった。
私はあわてて、
荷物をロッカーにしまい、
大塚さんの後に続いた。
介護体験実習の実績が就職に影響が、、、リアルに今後起こり得そうだと納得してしまいました。「従業員の8割以上が実習で●●以上」の職場に国から補助金、とかいう制度もじきに設けられそうな感じですね。