エピソード3(脚本)
──数年前、国の偉い人が
『高校生に介護体験をさせよう』と
言い出した。
超高齢化社会を迎えた現代、
働き盛りの若者だけでは
介護の人手不足を補えなくなったのだ。
もちろん当時は賛否両論だった。
賛成側の意見として
『就職前に高齢者との対応を学び、
企業の研修費を抑えられる。』
『人生経験豊富なお年寄りとの
ふれあう機会を構築することで、
充実した人生を送れる。』
などなど偉い人たちが
それぞれの立場から精いっぱいの
メリットを語った。
いろんなことを言っていたが、
要は若者にボランティアで介護を
させようということだった。
反対側の意見として
『脱ゆとり教育、体育祭、受験など
高校生のカリキュラムは
すでにパンク状態である・・・
これ以上、他のことに時間を割くのは
現実的に不可能。』といった
建設的な意見も飛び交った。
しかし、
国の意思のもと、
助成金をばらまかれた。
〇学校の校舎
高校の経営者にしてみれば、
少子化で子供がいなくなったから
学生集めは年々激化している。
そんななかで、
国の政策は都合がよかったのだろう。
金がもらえるとわかれば、
われ先にと多くの高校がカリキュラムに
介護体験実習を組み込んだ。
その助成金でさえ
元をたどれば私のバイト代でも
あるというのに・・・
生々しい現実ですよね。キレイごとの裏の本音には深く頷いてしまいました。医療福祉分野あたりは、国が「やってほしいこと」にお金をばら撒くから国の意図がわかりやすいと良く言われますね。