DetectiveAlchemist −錬金術師の推理−

在ミグ

EP7 探偵錬金術師ヘルメス(脚本)

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〇屋敷の書斎
  城塞都市ウルプス
「・・・・・・メス殿!」
「ヘルメス殿!!」
「ヘルメス殿はおらぬか!?」
ヘルメス「・・・・・・おらん」
ひふみん「いるではござらんかぁ!」
ヘルメス「ひふみんか・・・・・・ 何の用だ? 儂は今・・・・・・」
ひふみん「凹んでいる場合ではござらん!」
ヘルメス「・・・・・・ほっといてくれ」
ひふみん「駄目でござる! 大変なので候!!」
ヘルメス「何が?」
ひふみん「いいから! すぐ来てほしいでござる!!」

〇レンガ造りの家
  農村オキデンス
ヘルメス「そんな・・・・・・ まさか・・・・・・」
ヘルメス「嘘・・・・・・ だろう?」
ひふみん「嘘ではござらん」
ヘルメス「ソフィ・・・・・・ ソフィア・・・・・・」
ひふみん「間違いなく、亡くなっておられる」
ヘルメス「儂はまた、大切な人を失ったのか・・・・・・」
ひふみん「心中お察しするでござる。しかし・・・・・・」
ひふみん「事件でござる故、解決して頂かなくては」
ヘルメス「殺されたというのか・・・・・・」
ひふみん「見るでござる。身体に無数の傷跡が・・・・・・」
ヘルメス「これは・・・・・・ あの時と同じ・・・・・・」
ひふみん「傷というよりは、穴でござるな」
ひふみん「一体どうやって・・・・・・」
ヘルメス「・・・・・・くれ」
ひふみん「失敬。今何と?」
ヘルメス「やめてくれ・・・・・・」
ヘルメス「もうやめてくれ・・・・・・」
ひふみん「ヘルメス殿?」
ヘルメス「もうたくさんだ・・・・・・」
ヘルメス「事件なんて解決できない」
ヘルメス「儂にはそんなチカラはない」
ヘルメス「大切な人も守れない」
ヘルメス「何も出来ぬ愚か者だ」
ひふみん「・・・・・・」
ひふみん「ヘルメス殿」
ひふみん「我々人に造られし者には、基本的に寿命がない」
ひふみん「故に人間とは常に出会いと同時に別れを意識せねばならぬ」
ひふみん「彼ら、彼女らは我々よりも先に逝く」
ひふみん「故に、受け継がねばならぬ」
ひふみん「我々に立ち止まる事は赦されぬ」
ひふみん「ソフィア殿の無念を晴らすのは、ヘルメス殿しかおらんでござるよ」
ヘルメス「・・・・・・」
ヘルメス「心の整理が追いつかん・・・・・・」

〇黒
ヘルメス「ソフィ・・・・・・」
ヘルメス「何故お主が・・・・・・」
ヘルメス「儂のせいか?」
ヘルメス「儂とイリスの戦いに巻き込んでしまったから・・・・・・」
ヘルメス「済まない・・・・・・」
ヘルメス「どうか・・・・・・」
ヘルメス「赦してくれ・・・・・・」

〇可愛らしいホテルの一室
ひふみん「御免」
ヘルメス「・・・・・・」
ひふみん「独り言を言いに来たでござる」
ひふみん「ソフィア殿は、イリスの行方を探して、この村へ来たそうでござる」
ひふみん「聞き込みをしている内に事件に巻き込まれ、」
ひふみん「やがて何者かによって殺害された、と考えられるで候」
ひふみん「殺害方法は不明」
ひふみん「しかし容疑者は何人かに絞られたでござる」
ひふみん「まず弓の使い手、モブミ」
ひふみん「ソフィア殿の遺体の傷からして、刺突武器を使ったと考えられる故」
ひふみん「次に旅の魔法使い、ウシリ。水魔法の使い手だそうでござる」
ひふみん「矢の他には、氷柱を使った犯行が考えられる故」
ひふみん「最後にミゼット。この村の自衛騎士でござる」
ひふみん「何やらソフィア殿と一緒にいる所を、多数目撃されているでござる」
ひふみん「ソフィア殿の遺体の第一発見者でもある」
ひふみん「自衛騎士でござるが、第一発見者を疑うのは捜査の基本故」
ひふみん「・・・・・・如何でござるかな?」
ヘルメス「・・・・・・」
ひふみん「・・・・・・また来るでござる」

〇黒
ヘルメス「・・・・・・」
ヴァン「やあヘルメス」
ヘルメス「ご主人!?」
ヘルメス「何故・・・・・・」
ヴァン「いや、死んじゃったから天使っぽい格好がいいかな? と思って」
ヴァン「それともジパング・スタイルの方が良いか?」
ヘルメス「・・・・・・そういう事ではなくてだな」
ヴァン「お前の内省世界だから何でもありだぞぅ❤」
ヘルメス「儂の性癖に問題がるような言い方はやめてくれんか?」
ヴァン「私が言った事、覚えているか?」
ヘルメス「勿論だ。忘れた事などない」
ヴァン「うん。イリスを救ってやってくれ」
ヘルメス「救う? ご主人を殺したのはあやつではないのか?」
ヴァン「今のイリスは、イリスであってイリスじゃない」
ヘルメス「どういう事だ?」
ヴァン「それを考えるのも探偵の仕事さ❤」
ヘルメス「・・・・・・無茶を言う」
ヴァン「少しは元気出たか〜?」
ヴァン「じゃあ頼んだよ。私の自慢の・・・・・・」
ヘルメス「ふ・・・・・・」
ヘルメス「ありがとう、ご主人・・・・・・」
ヘルメス「そして、さようなら・・・・・・」
ヘルメス「・・・・・・母さん」
ヘルメス「・・・・・・」
ヘルメス「考えろ・・・・・・」
ヘルメス「脳が悲鳴をあげるまで、考えて、考えて、考え続けろ・・・・・・」
ヘルメス「儂はヘルメス・トリスメギストス・・・・・・」
ヘルメス「智慧の神の名を冠する者・・・・・・」
ヘルメス「儂に解けぬ謎などないっ!!」

〇レンガ造りの家
ヘルメス「待たせたな」
ひふみん「ヘルメス殿・・・・・・」
ヘルメス「聞き込みに行くぞ」
ヘルメス「まずはミゼットからだ」
ひふみん「うむ! いざ参らん!」
ひふみん「烈あんど豪でござる!」

〇レンガ造りの家
ひふみん「・・・・・・」
「・・・・・・」
ヘルメス「さて・・・・・・」
ヘルメス「全員集まったな」
ヘルメス「どこから話すべきかな・・・・・・」
ひふみん「結論から話してほしいでござる」
ひふみん「ソフィア殿を殺害したのは誰なのか?」
ヘルメス「うむ。では・・・・・・」
ヘルメス「ソフィを『殺害』したのは・・・・・・」
ヘルメス「ミゼット。お主だ」
ミゼット「なっ・・・・・・!?」
ミゼット「どうして俺が・・・・・・」
ひふみん「説明してほしいでござる」
ヘルメス「うむ。まず殺害方法からいこう」
ヘルメス「使用したのは・・・・・・」
ひふみん「ポーション?」
ヘルメス「簡単な水属性の魔法が使えれば可能だろう」
ヘルメス「こいつを氷柱状に凍らせて刺せば・・・・・・」
ひふみん「成程。傷が出来た先から回復の効果で治っていくから、穴の様な痕が出来る・・・・・・」
ヘルメス「そして傷跡からは水属性の反応が出る」
ヘルメス「ポーションの回復では追いつかん可能性があるから、実際に使用したのは、高純度のエリクサーだろう」
ヘルメス「この犯行に必要なのは、塞がり続ける傷跡に、尚、穴を空け続けるだけの筋力」
ヘルメス「残りの容疑者2人には不可能な手口だ」
ひふみん「なんと残虐な・・・・・・」
ミゼット「ご明察だ」
ひふみん「認めるでござるか?」
ミゼット「ああ」
ひふみん「では神妙に・・・・・・」
ヘルメス「待て」
ひふみん「おろ?」
ヘルメス「確かにソフィを『殺害』したのはこやつで間違いない」
ヘルメス「だが事件の『犯人』は別におる」
ひふみん「・・・・・・失敬。何を言っているのか拙者にはさっぱり・・・・・・」
ヘルメス「ひふみん、確認したい」
ヘルメス「この事件、興信ギルドに依頼が来ていたな?」
ひふみん「う、うむ。確かに解決してほしいという依頼があったでござる」
ひふみん「被害者がソフィア殿だったから、急いでヘルメス殿に知らせて・・・・・・」
ヘルメス「つまりギルドを管轄するマスターも、その情報を知っていた・・・・・・」
ひふみん「恐らく」
ヘルメス「殺害されたのがソフィで、しかも変死体で発見。更に儂に依頼が届く・・・・・・」
ヘルメス「こんな『面白い』事件を放っておく筈がないよな?」
ヘルメス「ウシリ。いや・・・・・・」
  USIRI
  
  IRISU
ヘルメス「イリス!!」
イリス「・・・・・・」
ミゼット「お、お嬢ちゃん・・・・・・ なのか・・・・・・」
イリス「・・・・・・つまんない」
イリス「つまんないつまんないつまんないつまんないつまんないつまんないつまんないつまんないつまんないつまんないつまんない!!」
イリス「なんでこんなにあっさり解決するの?」
イリス「聞き込みとか証拠探しのくだりとか、ちゃんとやってよ!」
ヘルメス「ミゼット、お主、水属性の魔法は使えるか?」
ミゼット「い、いやぁ、俺ぁ生粋の戦士だからよ。水属性も何も、魔法自体使えねぇよ」
ヘルメス「んじゃ、水属性の魔法が使えるウシリが犯人だな」
イリス「取って付けたみたいに言うなぁっ!」
イリス「これじゃ解決にならない」
イリス「何? ミゼットとウシリの共犯って事?」
ヘルメス「そうなのか?」
イリス「聞くなぁーっ!!」
イリス「ミゼットとウシリに繋がりはない」
イリス「そんな設定はないの!」
イリス「矛盾してる矛盾してる矛盾してる矛盾してる矛盾してる矛盾してる矛盾してる矛盾してる矛盾してる矛盾してる矛盾してる!!!」
ヘルメス「そう。矛盾している」
ヘルメス「何もかも出鱈目な事件だ」
ヘルメス「そもそも・・・・・・」
ヘルメス「ソフィ、お主本当に死んでおるのか?」
イリス「え!?」
イリス「だってあんな穴だらけで・・・・・・」
ソフィア「てへ❤」
イリス「そんな馬鹿な・・・・・・」
ソフィア「隙有りっ!!」
ソフィア「どっせぇぇぇぇいっ!!!」
イリス「ぐっ!」
ソフィア「ヘルメスッ!!」
ヘルメス「応ッ!!」
  存在確率変動魔法
ヘルメス「王者の秘法(アルス・マグナ)」
ヘルメス「創造!」
ヘルメス「勇者ああああ!」

〇黒
ああああ「ぬわぁあああっ!」
ああああ「何? 何なのよ!」
ヘルメス「勇者ああああ!」
ヘルメス「儂の可愛い妹を返してもらうぞ!」
ああああ「またこのパターン!?」

〇レンガ造りの家
ああああ「あqwせdrftgyふじこlp;」
ミゼット「勇者ああああ!? 間違いねぇ!」
ヘルメス「ようやくご対面だな」
ああああ「いきなり出て来て何なんだ! お前はぁ!?」
ヘルメス「ヘルメス・トリスメギストス」
ヘルメス「探偵だ」
ああああ「最終回っぽい!」
ヘルメス「ミゼットから話は聞いていた」
ヘルメス「イリスは不完全なアルス・マグナを使用したそうだな」
ヘルメス「貴様を消す代償として、自らの中に取り込んだ」
ヘルメス「しかし結果として、貴様に支配される事になってしまった」
ミゼット「ソフィアから聞いた話じゃ、俺の知ってるお嬢ちゃんと、印象がまるで違っていた」
ミゼット「もしやと思ったんだ」
ヘルメス「アルス・マグナで貴様を取り込んだのなら、その逆も可能という訳だ」
ああああ「ムチャクチャよ!」
ああああ「LV999の勇者をエディットするとか!」
ああああ「どんなチートだ!」
ヘルメス「必要なエネルギーは貴様自身なのだから、儂の消耗は一切ない」
ああああ「むきーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」
ヘルメス「それに・・・・・・」
ヘルメス「これからもっと無茶をするぞ?」
ああああ「ああん?」
ヘルメス「行けるな? イリス」
イリス「うん」
イリス「冬と春との間に夫を変質させ融解せしめよ・・・・・・」
ヘルメス「水を黒き頭に変え、満月の昇るる東に向かい、多様なる色を通して起て・・・・・・」
イリス「煉獄の後現わるる、輝く白い太陽よ・・・・・・」
「光あれ!」
  存在確率変動魔法
イリス「これが完全な王者の秘法!」
ヘルメス「アルス・マグナッ!!!!!!!」
ああああ「!?」
ああああ「・・・・・・」
ああああ「え? 何も起きない?」
ああああ「んだよ! ハッタリかよ!」
ヘルメス「たわけが」
イリス「よく見て」
ああああ「ああん?」
ああああ「へ?」
ヘルメス「貴様が主人公の世界を創ってやった」
ヘルメス「好きなだけ世界を救って来い」
ああああ「はぁ〜っ!?」
ああああ「なんじゃそりゃぁ!」
ああああ「いやだからこのパター・・・・・・」
ヘルメス「・・・・・・終わったな」
イリス「・・・・・・うん」
ヘルメス「イリス!」

〇可愛らしいホテルの一室
ヘルメス「・・・・・・」
モブミ「如何ですか? イリスさんの具合は?」
ヘルメス「うむ。死んではおらんようだが・・・・・・」
ヘルメス「ずっと眠りっぱなしだ」
ヘルメス「チカラを使い果たしたのだろう」
ヘルメス「儂もこのザマだしな」
ミゼット「その髪と眼は?」
ヘルメス「賢者の石だ」
ヘルメス「どうやら完全なアルス・マグナでチカラを使い切ったらしい」
ミゼット「ああ、ヴァンの言っていた・・・・・・」
ヘルメス「それにしても・・・・・・」
ヘルメス「ご主人の昔の仲間が・・・・・・」
ヘルメス「お主の祖父とは・・・・・・」
モブミ「偶然ですね」
ヘルメス「一体お主の歳は・・・・・・」
モブミ「失礼ですね。女性に年齢を聞くなんて」
ミゼット「ドワーフの孫なんだ。寿命も長いんだろう?」
ヘルメス「そういう事にしておくか・・・・・・」
ヘルメス「んで・・・・・・」
ヘルメス「なんでソフィは生きとるのだ?」
ソフィア「んえ?」
ソフィア「いや、死んでるよ?」
ヘルメス「もしかして・・・・・・」
ソフィア「そ。アンデット」
ヘルメス「どうなっておるのだ?」
ソフィア「んっとね・・・・・・」
ソフィア「イリスを探してこの村まで来て・・・・・・」
ミゼット「俺達と知り合ったんだ」
ソフィア「でもイリスの行方はさっぱりでさ」
ミゼット「俺も一度会ったきりで、その後何処へ行ったのかまではわからなかった」
ソフィア「で、居場所がわからないなら、向こうから来てもらえば良いって」
ソフィア「ミゼットさんの助言のお陰よ」
ミゼット「俺のお陰っていうか、俺のせいだな」
ミゼット「すまねぇ事をした」
ヘルメス「???」
ミゼット「俺がヴァンとパーティを組んでいた時、タンクをやっていたんだ」
ミゼット「敵の攻撃を引き付ける役だな」
ソフィア「つまり私が囮になって、イリスを誘い込んだってワケ」
ヘルメス「囮って・・・・・・ それはつまり・・・・・・」
ソフィア「そう。死ぬ事にしたの」
ヘルメス「なんて無茶を・・・・・・」
ソフィア「それくらいしないと、イリスもアンタも騙せないでしょ?」
ヘルメス「だからって・・・・・・」
ミゼット「俺が昔ヴァンの奴から預かっていたゾンビパウダーがあったんだ」
ミゼット「さっさと捨てちまえば良かったよ」
ミゼット「重ね重ね、本当に済まねぇ」
ソフィア「良いんですよ。お陰でこうして解決したんだから」
ヘルメス「ソフィ・・・・・・」
ヘルメス「儂のせいで・・・・・・」
ソフィア「良いのよ」
ソフィア「私だってアンタの役に立ちたかった」
ソフィア「アンタと対等でいたかった」
ソフィア「その・・・・・・」
ソフィア「アンデットなら、不老不死のアンタとずっと一緒にいられるでしょ?」
ヘルメス「・・・・・・」
ヘルメス「馬鹿な事を・・・・・・」
ソフィア「いつ気づいた? 私が本当は死んでないって」
ヘルメス「信じたくはなかった・・・・・・」
ヘルメス「だから、生きている、という前提で考えた」
ヘルメス「嬉しかったぞ・・・・・・」
ソフィア「その後のコンビネーションもばっちりだったしね」
ソフィア「相談もしてなかったのに・・・・・・」
ヘルメス「わかるさ・・・・・・」
ヘルメス「儂にとって、お主は・・・・・・」

次のエピソード:EP8 番外編 ヴァンの事件

コメント

  • いきなりの悲しいニュースから怒涛の展開でした。
    まさかの闇勇者がイリスを操っていて、鮮やかに暴いてイリスを助けるなんて、爽快なラストですね。
    バディだけの関係かと思っていたソフィアとの間もアラアラな進展があって、大円団。
    ラストの全員集合のスチルも良かった。
    まだ番外編があるみたいで、楽しみです😊

  • よかったあああ!!
    私、おもしろいと思うと感想が小学生並みになる人間なので、おもしろかったです! つまり、おもしろかったんです!
    もう本当に死んじゃったのかと……。ヘルメスの涙が刺さる……、痛い……と思ってて、そのあとの師匠との再会とか母さんって呼ぶところとかでぐわーっってきてたので、ラストがうわーっ(感動)ってなりました!

  • あれっ?終わってしまいました!😭
    これから2人で生きていくんでしょうか、
    想像が膨らみます😊
    次は、勇者ああああの物語ですね!w

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