エピソード8 水没の都(脚本)
〇山の中
ニュイ(明日のお昼ごろには町に着ける)
ニュイ(野宿なんてするの初めてだ)
ニュイ(ロワンさんがこういうのに詳しくて助かった)
ロワン「亡くなった王子様について 教えてもらえないかな」
ロワン「僕は、その・・・ この辺りの事情にはさっぱりで」
ロワン「町のうわさ程度でいいんだ」
ニュイ「・・・・・・」
ニュイ「ぼくがミューリア城下町で暮らし始めて しばらくしたぐらいのころ・・・」
〇市場
クラスメイト「もらわれっ子ー!」
クラスメイト「不吉な子ー!」
クラスメイト「悪魔の子ー!」
若い男性「アナタたち! そういうのはよくありませんよ!」
クラスメイト「ヤバっ! 逃げろ!」
若い男性「おっと、変装が・・・」
シャグラン王太子殿下「バレてしまいましたね ええ、王子様のお忍びというやつです」
シャグラン王太子殿下「私は貴方に“前の家”のご家族について うかがいにきたのです」
シャグラン王太子殿下「水没の都の令嬢のグルナさんは どのようなかたなのか 率直に教えて下さい」
シャグラン王太子殿下「美人なことと 振る舞いの品の良さについては 先日、私自身で確認しました」
シャグラン王太子殿下「お聞きしたいのは彼女の内面についてです」
シャグラン王太子殿下「グルナさんは聡明ですか?」
シャグラン王太子殿下「善良ですか?」
シャグラン王太子殿下「勇気や行動力はありますか?」
シャグラン王太子殿下「立場に対する責任感は?」
シャグラン王太子殿下「王妃としての重圧に耐えられる人ですか?」
〇山の中
ニュイ「それからしばらくして シャグラン王子とグルナお姉ちゃんの 婚約が発表されたんだ」
ロワン「・・・・・・」
ロワン「その・・・何て言うか・・・話が 予想してたのと違う方向に行き過ぎて」
ロワン「どんな反応をすればいいか わからないんだけれど・・・」
ロワン「悩みがあったら言ってよ あ、でも言いたくないことは 無理に言わなくていいからっ」
ロワン「僕だって説明しづらい過去を 抱えてるわけだしっ」
ロワン「僕の場合は言いたくないんじゃなくて 言いかたが見つからないってだけ なんだけど・・・」
ロワン「あ。うん。おやすみ」
ロワン「悲しい話をしていると よくないモノが寄ってきてしまうから」
ロワン「いい夢を見てよ」
ロワン「僕も」
〇宇宙空間
ロワン「夢でいいから“あの人”に逢いたい」
〇山中の川
ニュイ(何かよくわかんない夢を見た)
ロワン「見えてきたね あそこが水没の都」
ロワン「ロワニアかぁ 何だか親近感のある名前だね」
ニュイ「よろこんでいいような町じゃないよォ」
〇綺麗な港町
デジール第二王子(水没の都ロワニアか・・・ 久しぶりに来たな・・・)
デジール第二王子(グルナを兄上に横取りされて以来か・・・)
デジール第二王子(以前より水かさが増している)
デジール第二王子(地盤沈下が進んでるのか)
ジャッド町長「やあやあデジール王子! ようこそお越しくださいました!」
デジール第二王子(こいつはグルナの兄・・・ できれば会いたくなかったが・・・)
ジャッド町長「突然で驚きですが いつでも大歓迎ですぞ! 何せ我らは兄弟も同然なのですし!」
ジャッド町長「何なら本当に兄弟になる可能性が また出てきたわけですからなあ!」
デジール第二王子「ジャッド殿・・・俺・・・私は・・・」
デジール第二王子「王都の危機を伝えに来た! ロワニアの助けが要る!」
ジャッド町長「は? ・・・ハハハハハッ! またまたご冗談を!」
ジャッド町長「助けが要るのはロワニアのほうだと かねてから何度も何度も何度も何度も 申し上げて・・・」
デジール第二王子「ここでは話せぬ! 屋敷へ行くぞ!」
ジャッド町長「ああん! お待ちになってェ!」
〇綺麗な港町
ニュイ「デジール王子、行っちゃった?」
ロワン「うん。もう隠れなくて大丈夫だよ」
ロワン「ニュイ君、これからどうする? 助けを呼ぶって務めは終わったみたいだけど」
ロワン「この町は君の故郷なんだし」
ロワン「友達に会っていく感じかな?」
ロワン「あれ? ニュイ君?」
ロワン「うん。別行動で」
ロワン「せっかくだし観光でもしていこう」
〇西洋の街並み
ロワン「町を飲み込む水面が キラキラしててとても綺麗だ」
〇不気味
ロワン「町の人たちの表情も 憂いに満ちていて美しい」
〇荒廃した市街地
このときに
気づいていなくちゃいけなかったんだ
あの子をひとりにしちゃダメだって
ロワン強い!一緒にいたほうが安全。
独特な言い回しとか、格好良くて気になります。
しかし、なぜ別行動ー!?
ニュイがサンクのように急に居なくなるなんて心配ですね。