エピソード2(脚本)
〇事務所
皆の探偵のイメージは、インバネスコートに葉巻を加え、シャーロックハットをかぶっているイメージであろう。
だが、私は違う。
ただの私服にココアシガレットを咥え、虫眼鏡を持った格好だ。
探偵の欠片もない。
そして私はみんなからこう呼ばれる。
ドジっ子探偵
理由は分からない。
でも私は、よくミスをするし、犯人を転んで捕まえ損ねるし、コーヒーをこぼす。
これのどこがドジっ子なのだろう。
この謎は、パンケーキのおいしさ並みに不思議だ!
〇事務所
私は、その謎に頭を抱えていると
佐々木宙「それをドジっ子って言うんだよ!」
私は後ろから後頭部を書類の束で殴られた。
千頭和 由愛葉「おぉ~佐々ちゃん~」
佐々木宙「誰がだ!」
千頭和 由愛葉「いって」
この人は佐々木 宙(ささきひろ)。私と同じ探偵課の先輩だ。
おっとっと。私の名を名乗っていなかったな。
千頭和 由愛葉(名前は千頭和 由愛葉(ちずわゆめは)。この探偵課で1か月ほどの新人だ。あと可愛い。)
千頭和 由愛葉(身長は149センチ。好きな食べ物はパンケーキ。Bカップだーい!)
自己紹介が終わったところで、私は質問した。
千頭和 由愛葉「先輩は、なんでドジっ子だと思うんですか?」
私は好青年ならぬ好少女な目で聞いた。
佐々木宙「コーヒーこぼすし、犯人逃すし、調査書無くすし。思い出しただけで頭が痛くなる」
頭を抱えながら、佐々ちゃんは話した。
千頭和 由愛葉「へぇー分からん」
佐々ちゃんの横で、私は紙パックのジュースを吸っていた。
〇事務所
私の中の『ドジっ子』は、朝パンを咥えながら走って、曲がり角でイケメンとぶつかったり、パンちらしてる女の子だ。
私はそんなことない
佐々木宙「そんなことはどうでもいい!とにかく、そこの資料まとめて持ってこい!」
と、足早に自分のデスクへと去っていった。
千頭和 由愛葉「よ~し!やるか!」
私は資料を見た瞬間、絶望した。
そこには無数の文字が並び、難しい言葉がいっぱい書いてあったのだ。
私は申し訳なさそうに
千頭和 由愛葉「先輩~教えて下さいよぉ」
上目遣い佐々ちゃんを口説こうとしたが……………………………………
佐々木宙「こんなもんも出来ね~のか!?お前はバカも入っててうんざりだ~!!!!」
そんなこと言いながらも、私にきちんと教えてくれた。
なんだ、優しいじゃんか。