化ケ城‐BAKEJIRO‐

ヤミヲミルメ

エピソード7 脱出(脚本)

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〇上官の部屋
ニュイ「じゃ・・・またね・・・」
トロワーヌ姉さん「またね! 必ずね!」
サンク「・・・・・・」
ニュイ「サンクー ぼくは窓からは出られないよー」
ニュイ「お城がまた動き出した!」
トロワーヌ姉さん「ニュイ! 危ない!」
ニュイ「うわあ!」

〇西洋の城
  窓枠に必死でしがみつく
ニュイ「落ちる! 落ちるー!」
トロワーヌ姉さん「ニュイ! 手を離しちゃダメ!」
デューヌ姉さん「ううっ・・・あたしじゃ ニュイに触れようとしても すり抜ける・・・」
アンヌ姉さん「お城の動きが・・・今までと違うわ!」
  ゴゴゴゴゴゴ・・・
ニュイ「あ!!」
「ニュイ!!」

〇荒野の城壁
  落ちたのは
  ちょっと痛いぐらいの高さでしかなかった
ニュイ「ここは・・・城壁の上・・・?」
ニュイ「お城と、町を囲む壁が ピッタリくっついてる だからぼくは助かったのか」
ニュイ「お城と壁がピッタリ!? じゃあ町の人は!? みんな、はさまれて押しつぶされて・・・」
アンヌ姉さん「大丈夫よ、ニュイ」

〇西洋の城
アンヌ姉さん「そこは町の西側の城壁 町の人がいるのは南」
アンヌ姉さん「今回は、お城に踏みつぶされた人は いなかったわ」
アンヌ姉さん「でも・・・ これですべて終わったとは思えないし まだまだ油断できないわね」

〇黒

〇謁見の間
グルナ「お城が・・・止まった・・・」
将軍「グルナ殿! ご無事でしたか! 今までどちらに?」
大臣「ここは危険ですぞ! とはいえ今はどこも安全とは 言えませんが・・・」
グルナ「危険だから部屋から出るなという意味で どなたかがわたくしの部屋に 南京錠をつけてくださったのかしら?」
大臣「は?」
グルナ「犯人探しをするつもりはございません 化ケ物のイタズラとでも 思っておきましょう」
大臣「???」
グルナ「みんなは中庭にいるのですね?」
大臣「は、はい・・・」

〇城の回廊
グルナ「歩兵隊は城の中を捜索して 生存者の救助を!」
グルナ「騎兵隊はお城からの脱出方法を捜して 出られ次第、城下町の救援に!」
グルナ「文官は書庫へ! 過去の記録でも魔術書でも何でも調べて この事態の正体を探って!」
グルナ「それ以外の人は、自身の安全を最優先に! 城はいつまた動くかわかりません! くれぐれも気をつけて!」
グルナ「英雄王アルミュールのご加護を!!」
城のメイド「グルナ様って、ご立派ねェ アタシらには遠い存在だわ」
城のメイド「婚約者のシャグラン王子が急死なされて 王太子妃になりそびれたと思いきや いきなり女王様気取り!」
城のメイド「第二王子が行方知れずなのに つけ込んで、よくもまあ! 恐ろしいもんだわ!」
城のメイド「美しい薔薇には棘があるものですけれど シャグラン様が連れてこられたのは 棘より怖い毒の華ですわね」

〇黒

〇荒野の城壁
ニュイ「どうやって城壁から下りよう・・・」

〇美しい草原
ロワン「おーい! ニュイくーん!」

〇荒野の城壁
ニュイ「ロワンさん! もしかしてずっと城壁の外に いたんですか?」
ニュイ「おいてきぼりにしちゃってごめんなさい」

〇美しい草原
ロワン「それよりニュイ君 これからどうするんだい?」
ロワン「門は相変わらず開かないし 君が町に入ったときの穴はお城に塞がれて」
ロワン「もし君がそこから町のほうへ下りれば もう町の外には出られない」
ロワン「こっち側に下りたら また町に戻れるかわからない」

〇荒野の城壁
ニュイ「そんなのもちろん パパとママがいるところへ・・・」
パパ「ニュイ!」

〇基地の広場(瓦礫あり)
パパ「街道沿いに・・・の都へ行きなさい!」
パパ「ジャッド君に助けてもらうんだ!」
ニュイ「助けを呼びに行くんだね!? わかった! 任せて!!」
パパ「あ・・・ああ! 頼んだぞ!」
ママ「あの子ひとりで大丈夫かしら?」
パパ「わからん それでもここにいるよりはマシだろう」
パパ「せめてニュイだけでも・・・」
デューヌ姉さん「ウヒュヒャヒャヒャヒャ!!」

〇美しい草原
ニュイ「よいしょ! 何とか城壁を下りられた!」
ニュイ「サンクは・・・」

〇荒野の城壁
サンク「・・・・・・・・・」

〇美しい草原
ニュイ(来てくれないのか・・・)
ロワン「責任重大だね、ニュイ君」
ロワン「これだけ大変なことになってるんだから 門の近くに立ってるだけでも だいたいの事情は聞こえてきたよ」
ロワン「お城のこととか 亡くなった王子様のこととか」
ロワン「その王子様の婚約者についての あまり良くないウワサとか」

〇草原の道
ロワン「ねえ、ニュイ君 お城が動くっていうのは そうとうに珍しいことなんだよね?」
ロワン「これから行く町の人たちが すんなり信じてくれるといいね」
ロワン「城下町の人たちは 自分の目でちゃんと見ていても まだ信じられないって感じだったもんね」
ニュイ「あの・・・ロワンさん、ぼくたち・・・」
ニュイ「一緒に・・・行くんですか?」
ロワン「うん」
ニュイ「なんで?」
ロワン「一人じゃ危ない」
ニュイ(あなたが危なくない人か どうかも・・・)
ロワン「ヒトはヒトを守るモノ」
ロワン「特にオトナはコドモを守るのが絶対!」
ロワン「って教えられてるから」
ニュイ(誰に???)
ロワン「ところでこれから行く町って 何て名前なんだい?」
ロワン「さっきの人は 「水没の都」って言ってたみたいだけど」
ロワン「それが町の本名なわけないよね?」
ニュイ「ええと・・・」

〇荒野の城壁
サンク「・・・・・・」
サンク「うーん・・・」
サンク「あんまり近づきすぎて アタシの正体に気づかれても困るのよね」

次のエピソード:エピソード8 水没の都

コメント

  • サンク!?

  • サンク!いい意味でイメージと違ってました!続きが楽しみです!

  • サンクが喋った!
    しかも女のコか〜。
    予想を次々に裏切られるなあ。(いい意味で)
    ニュイに道連れが出来て一安心です。

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