オーロラ姫よりオラオラ姫を選んだ王子の結論

ふゆ

1.姫の眠りを醒ますのは王子様の○○だけ(脚本)

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ふゆ

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〇貴族の部屋
?「誰?」
?「やめて、来ないで」
  覚えておきなさい
  この魔法を解けるのは、
  『王子様の・・・』だけだと
?「王子様の・・・何?」
  さあ、目を瞑って
?「いやああああ!」

〇闇の要塞

〇城の会議室

〇城の会議室
ヴィクトル「・・・・・・」
ヴィクトル「・・・分からん」
使い魔「お呼びですか、殿下」
ヴィクトル「来たか、使い魔」
ヴィクトル「見てほしいものがある」
使い魔「ああ、婚約者様の絵を見てたのですか!」
使い魔「お美しいからって、このこの!」
ヴィクトル「・・・そ、そういう訳じゃない」
ヴィクトル「ただの政略結婚の相手だ」
使い魔「ふふふ」
使い魔「お会いできる日が楽しみですな」
ヴィクトル「どうかな」
使い魔「え」
ヴィクトル「今のは『五年前』の絵だ」
ヴィクトル「そして」
ヴィクトル「これが今日送られてきたオーラ姫の絵」
使い魔「ほう、さぞやお美しく成長なされて──」
使い魔「・・・・・・」
ヴィクトル「おい、待て!」
ヴィクトル「ノーコメントで逃げるな」
ヴィクトル「どう思う?」
ヴィクトル「明らかに男に成長してるよな?」
使い魔「漢(おとこ)じゃないですか!」
使い魔「たった5年で、姫に一体何が・・・」
使い魔「は!」
使い魔「で、殿下 この人と結婚するんですか?」
ヴィクトル「・・・・・・」
ヴィクトル「父の命令だ。この結婚は避けられない」
ヴィクトル「例え漢だったとしても!」
使い魔「ぞー・・・」
使い魔「あ、殿下、どこに行くんです?」
ヴィクトル「直接確かめにいく」

〇西洋の城
  スパイクレット王城

〇貴族の応接間
執事「服のサイズはどうですか?」
ヴィクトル「ちょうどいいです ありがとうございます」
執事「似合ってますよ。ビシッとしてますね」
使い魔「ぷ、く、くくくっ 従者姿、お似合いですよっ、殿下」
ヴィクトル「笑うな」
使い魔「魔術師のいない国の潜入、めっちゃ簡単でしたね。ふふふッ」
ヴィクトル「あんまり喋るなって バレたらどうする」
使い魔「ム!」
使い魔「ワシが一人で全部潜入の準備したんですからね!」
ヴィクトル「わかってる。悪かったよ」
メイド「あの・・・」
メイド「仕事が終わったら、お茶しませんか?」
ヴィクトル「はあ・・・」
使い魔「ムムム!」
執事「そろそろ王女さまがいらっしゃる時間です ご用意を!」
ヴィクトル(さあ、いよいよか)
ヴィクトル(俺はずっと姫に会う日を夢見てた)
ヴィクトル(政略結婚の相手として)

  5年前──
マレフィセント国王「マレフィセントの次代国王はヴィクトルとする」
「三男がどうして・・・・・」
「しかも妾腹の子が・・・・・・」
  父は理由を話さなかった
  ただ一言「生きて大人になってみせよ」と

〇月夜
  俺が命を狙われ始めたのはその日から
  食事には毒を入れられ、

〇空
ヴィクトル「遠乗りに行こう、ヴィック!」
  友達には変異魔法をかけられ、

ヴィック「コ・・・・・・ロ・・・・・・ス」
  俺はまだ子供で
ヴィクトル「ヴィック・・・・・・」
  この恐ろしい魔法を解く鍵が見つからなくて
ヴィクトル「ごめん」
  消滅させることしか、できなかった

〇モヤモヤ
  証拠はないが、
  犯人は誰か分かってる
  俺の実の兄だ
  誰に助けを求めても、俺を守ってくれる大人はいなかった
  孤独だった俺には

ヴィクトル「俺には、未来の嫁がいる」
ヴィクトル「俺が王位を継ぐのを待っている」
ヴィクトル「殺されてたまるか!!」
  死ぬ気で魔力を鍛えあげた
  毎日欠かさず
  天才と呼ばれる兄をも凌ぐほどになるまで
  俺は、絶対に王位を継いでみせる

〇貴族の応接間
ヴィクトル(いよいよ、絵の少女とご対面か)
執事「おはようございます! 姫様!」

〇幻想2

〇貴族の応接間
ヴィクトル「・・・」
ヴィクトル(美しい)
ヴィクトル(絵と全然違う)
ヴィクトル(やはり直接確かめに来て、良かった)
執事「オーロラ姫さま、今日もお美しい」
ヴィクトル(ん、オーロラ?)
ヴィクトル(確かオーラ姫のはず 聞き間違いか?)
  「おお、オーロラよ!」
  「朝食なら私と共にしようぞ」
  ・・・・・・
ヴィクトル「・・・・・・まさか」
使い魔「殿下の姫・・・あっちじゃないですか?」
  画家は非常にいい仕事をしていた
従者「オラオラ姫様!」
従者「オラオラ姫様!」
執事「お前たち、オーラ姫とお呼びしなさい!」
オラオラ姫「良い。オラオラの方が私らしい」
オラオラ姫「せっかく妹がつけてくれたあだ名だしな はははッ!」
オーロラ姫「・・・」
ヴィクトル「こ、この人が、俺の結婚相手?」
ヴィクトル「え、本当に?」
使い魔「どうしましょう?」
ヴィクトル「・・・お、男らしくても、じょ、女性であれば問題ない 政略結婚だからな」
ヴィクトル(王位を継ぐためならば・・・ 仕方がない!)
オラオラ姫「おっと、いかんいかん 鎧のままだったな」
オラオラ姫「着替えなければ!」
執事「ひ、姫! さすがにここでは!」
オラオラ姫「お? すまんすまん」
オーロラ姫「・・・・・・・・・最低」
ヴィクトル「む」
ヴィクトル(胸当ての薄布を押し上げていたのは、 紛れもなく鍛え上げられた胸筋!)
使い魔「確定しましたな・・・」
使い魔「男です」
ヴィクトル(あの絵の少女は、少女じゃなかった)
ヴィクトル(俺が心の支えにしてきたのは・・・)

〇花模様3
  女じゃなくて

〇朝日
  男!

〇キラキラ
  女じゃなくて

〇芸術
  男!

〇月夜
  男男男男男男男男男男──
「殿下!」
「殿下、しっかりしてください!」

〇貴族の応接間
ヴィクトル「な、なんだ?」
使い魔「ワシにいい考えがあります!」
使い魔「オーラ姫との婚約を破棄しましょう!」
ヴィクトル「は・・・?」
使い魔「そして」
使い魔「妹のオーロラ姫と婚約するんです!」
ヴィクトル「はあ!?」
使い魔「妹だってスパイクレット家の王女。 政略結婚は成立するでしょ?」
ヴィクトル「お前・・・」
使い魔「ワシは結婚を心待ちにしていた殿下が かわいそうでかわいそうで」
ヴィクトル「心待ちになんてしてない。ただの政略結婚だ!!!」
使い魔「ですよね。じゃあ美しいオーロラ姫にしましょう」
ヴィクトル「・・・・・・」
オーロラ姫「いらないわよ。こんなもの!」

〇貴族の応接間
オーロラ姫「こんな物騒な物、私に似合うと思ったの?」
ヴィクトル(なんだ?)
オーロラ姫「プレゼントに銃って・・・ 私をあんたみたいなオラオラにしたいわけ?」
オラオラ姫「いや、最近あまり一緒にいられないし、護身術を教えようと思って・・・」
オーロラ姫「はあ? 王女が護身術?」
オーロラ姫「ほんっと脳みそまでオラオラになっちゃったのね」
「二度と話しかけないで!」
オラオラ姫「・・・・・・」
オラオラ姫「ふっ」
オラオラ姫「はははッ、外したか、仕方がない、はははッ」
従者「姫! 俺たちに教えてくださいよ!」
オラオラ姫「お前たちは護身術いらないだろ。はははッ」
「私もだがな。はははッ」
使い魔「妹に嫌われてますねえ」
使い魔「それよりオーロラ姫1人になりましたよ。 話しかけましょう!」
使い魔「大丈夫、このモテ魔神のワシが、 女を落とす指南をして差し上げます!」
「ああ・・・」
  オーラ姫の乾いた笑い声が、頭について離れなかったが、
  俺はオーロラ姫を追いかけた

〇洋館の階段
ヴィクトル「オーロラ姫!」
オーロラ姫「・・・・・・何?」
ヴィクトル「あの・・・」
使い魔「さあ、 「大事なお話があります」と誘って」
使い魔「タイミング良く殿下の身元を明かせばコロリです!」
使い魔「やれやれ、色ごとに疎い坊やには骨が折れますぜ」
ヴィクトル「・・・・・・」
ヴィクトル「オーラ姫の銃のことですが」
オーロラ姫「は?」
使い魔「え?」
ヴィクトル「あなたはお姉さんを誤解しています」
オーロラ姫「何言ってるの、あなた」
使い魔「本当に何言ってるんですか、殿下」
ヴィクトル「よく見ててください」
ヴィクトル(弾丸と、銃の一部に変異魔法をかけて──)
ヴィクトル(よし・・・!)
ヴィクトル「見ててください」
オーロラ姫「中から花が!?」
ヴィクトル「あなたに花をあげようとしたお姉さんは、」
ヴィクトル「外見はオラオラでも、中身はオーラ姫のままかもしませんよ?」
ヴィクトル「この銃のように」
オーロラ姫「・・・」
ヴィクトル「どうぞ」
オーロラ姫「・・・ふぅん」
ヴィクトル「ふう」
使い魔「殿下、な、何してるんですか」
ヴィクトル「自分でも、よく分からん」
  腹がたったのかもしれない
  俺には、プレゼントをくれる優しい兄弟なんて想像もできないから
使い魔「で、でもですね」
ヴィクトル「すまん、少し・・・疲れた」
ヴィクトル「こういう幻惑系の魔術は、あの変態兄貴の方が得意だ」
ヴィクトル「昔も、馬に変異魔法をかけられて──」
ヴィクトル「あ」
使い魔「あ!」
  まさか、オーラ姫も

〇洋館の廊下
ヴィクトル「オーラ姫!」
ヴィクトル「!」
ヴィクトル(泣いてる。さっきの妹のことでか?)
ヴィクトル(やっぱり、無理して笑ってたんだ・・・)
オラオラ姫「どうした、新入り」
ヴィクトル「・・・失礼します!」
ヴィクトル(真実の目!)
ヴィクトル(『真実の目』は、変異魔法を一瞬だけ看破する)
ヴィクトル(彼女の真の姿を──)
ヴィクトル「・・・」
ヴィクトル「・・・・・・・・・!」
オラオラ姫「な」
オラオラ姫「ななななんで抱きついてきたあ!」
ヴィクトル(しまった、咄嗟に)
オラオラ姫「な、なんで離さない!?」
ヴィクトル(・・・しかし)
オラオラ姫「くそ、力強いな!?」
ヴィクトル(やはり犯人は、)
オラオラ姫「こ、こんな、私より女みたいな顔した奴に」
ヴィクトル(あいつか!)
オラオラ姫「負けてたまるかあ!」

〇モヤモヤ
オーラ姫「・・・」
オラオラ姫「──」

〇洋館の廊下
ヴィクトル(兄が、まさか他国の王女にまで)
オラオラ姫「・・・・・・」
オラオラ姫「私の勝ちだな」
ヴィクトル「あの」
オラオラ姫「も、もう近寄るなよ!」
ヴィクトル「・・・・・・」
ヴィクトル「使い魔、いるか?」
ヴィクトル「俺は城をしばらく空ける」
使い魔「え?」
ヴィクトル「彼女にかけられた魔法を解く鍵を見つける それまで帰らない」
使い魔「えええ!?」
使い魔「3日以内に帰るってことにしたんですよ!?」
使い魔「お父上の怒りを買ったらどうするんです!」
ヴィクトル「仕方がない」
使い魔「・・・もし、王位継承権を剥奪されることになったりしたら?」
ヴィクトル「奪い返す」
使い魔「!」
ヴィクトル「兄が彼女にも手を出すと分かった以上、傍から離れる訳にいかない!」
使い魔「鍵って、だってそれは・・・」
使い魔「・・・・・・」

  殿下・・・
  賢いのか馬鹿なのか
  本当に分かってないんですか?
  兄上が魔法の仕掛け人ならば
  解呪の鍵は、
  殿下のお命に設定してあるに決まってるでしょうに
  この魔法を解けるのは『王子様の死』だけ─
  一体どうなさるおつもりなのか
  やれやれ

次のエピソード:2.仕込まれた毒(前編)

コメント

  • 姫は魔法のせいで今のキャラを振舞ってるけど本当は優しいお姫様でそれに気づいた主人公、そしてその魔法を解く鍵は主人公の...これは良いラブコメの予感。

  • こんばんは~!
    本当に面白くて冒頭は声を出して笑いました!ヴィクトルもカッコよくて真面目過ぎるほど真面目で好きでした!使い魔とのテンポのいい会話が最高です!〇〇は王子の死だったんですね!2話目の引きが強くて気になります!

  • 2枚目のスチルでふきましたww
    テンポも良くて面白かったです!

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