盤上のリトルマーメイド

望月 風花

エピソード5(脚本)

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〇生徒会室

〇生徒会室
  『雨宮さんは普段、家で何してるの?』
  『う~ん。読書かな』
  『へぇ~。すごいね。
     どんなの読んでるの?』
  『まあ、色々かな。』
  雨宮さんと
  LIMEで会話するようになって、
  数週間が過ぎた。
  僕の気のせいかもしれないけど、
  LIMEでの口数が減ったように感じる。
  前はあんなにおしゃべりだったのに・・・
日笠 さとる(何か気にさわるようなことを 言ったかな・・・)
  結局、この日の会話は終了した。
  本当はもっと雨宮さんと話してみたい。
  好きな食べ物、 将来の夢、彼氏はいるの?
  聞きたいことは山ほどある。
  ただ、毎回、
  スマホを通しての会話なので、
  どうしても通常の会話より遅くなる。
  もしかしたら、僕の文字入力が遅いから、
  雨宮さんをイラつかせてしまったのかもしれない。

〇学校の廊下
  ──数日後

〇学校の廊下
  職員室の前で楽しそうに
  おしゃべりをする雨宮さんを見かけた。
  おしゃべりといっても、
  実際に声を出しているわけではない。
  手をしきりに動かして
  コミュニケーションをとっているのだ。
  相手の先生も
  慣れた手つきで会話をしている。
  二人だけで何を話しているか
  僕にはわからないのが、
  すごくもどかしかった。
日笠 さとる(━━手話か・・・)

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