異世界エイナール・ストーリー 少年コウルと少女エイリーンの旅記

七霧孝平

プロローグ ようこそ、異世界エイナールへ(脚本)

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〇見晴らしのいい公園
コウル「はあ、今日はドジなことしたなあ……。」
コウル「僕はどうしてこんな、何も上手くいかないんだろう……。」
  少年、孝瑠(コウル)はそこそこ裕福な家庭ではあったが、学校生活に馴染めていなかった。
コウル「そういえば、今朝見た夢はいったいーー」
  その時だった。
  孝瑠の前に白く輝く光が出現する。
コウル「こ、これは? ……うわあっ!?」
  輝く光とともに孝瑠の姿は星空へと消えていった。

〇荒野
コウル「う、うん……?」
コウル「どこだろ。ここ……?」
  広がる一面の荒野。
  あるのは大小の岩のみ。
コウル「確か公園で……。」
コウル「まさか、あの光に飲まれてここに?」
  漠然と回りを見渡す孝瑠に何者かの影が見える。
コウル「人かもしれない……よね?」
  自信はないが、影の見えた方へ向かう孝瑠。
  だがそこにはーー。
コウル「(ゲ、ゲームとかで見るモンスター!?)」
  孝瑠は、ゴブリン、オークといった有名なファンタジーのモンスターを思い出す。
  孝瑠の体格は平均といったところだが、
  モンスターは倍くらいの大きさがあった。
コウル「(とにかくここは、気づかれてないうちに離れよう……)」
  忍び足で下がる孝瑠。
  だがその時ーー。
オーク「グオオオ!」
  声が響く。
  孝瑠は気づかれたのかと一瞬怯んだが、
  すぐにモンスターは違う方向を向いた。
コウル「いったい……。あっ!」
  モンスターの狙いに気づき、
  孝瑠は何も考えず駆け出していた。
  モンスターの脇を抜き去ると、
  倒れている人ーー少女に駆け寄る。
コウル「き、きみ。大丈夫!?」
  モンスターが迫っている。
  孝瑠は少女に呼び掛けるが目を覚まさない。
オーク「グオオオ!」
  先に獲物を取られたと感じたのか、
  モンスターは怒声を響かせながら孝瑠に迫る。
コウル「やばいやばい。」
  モンスターの明かな殺意を感じ、
  孝瑠は少女を抱え逃げる。
  しかし、モンスターも巨体の割に速さがあった。
コウル「っ……! こうなったら。」
  孝瑠は少女を降ろすと、適当な石を拾って投げつける。
  しかしーー。
  石はまったく効かずただ落ちる。
オーク「グオオオ!」
  モンスターは棍棒を勢いよく振り下ろす。
  孝瑠はとっさに腕で防御したが、力の差は歴然。
  大きく吹き飛ばされる。
コウル「っーー!」
  悲鳴は上げなかったが、激しい痛みが孝瑠を襲う。
  モンスターは容赦ない。
  棍棒を構え孝瑠に接近してくる。
コウル「(これは、まずいーー!)」
  次を喰らったら命に関わる。
  逃げたいが少女を見捨てるわけにもいかない。
  その時だった。
「はあっ!」
  突然現れた青年が剣を振るう。
  剣はモンスターの足を斬り、モンスターはバランスを崩し倒れる。
ジン「今だ、きみ。こっちへ!」
  青年は孝瑠を呼びつつ、少女を抱え走り出す。
  孝瑠はただそれについて行った。

〇簡素な部屋
コウル「う……ん。」
  あれから孝瑠は青年にただ流されるままついていき、町らしき場所まで来ていた。
  そして腕に応急措置をすると、疲れが出たのか寝てしまっていた。
  そして目が覚めたがーー。
コウル「夢じゃなかった……か。」
  見知らぬ部屋。
  自身の怪我。
  隣にはいまだ起きていない少女。
  夢ではなく確かに孝瑠はそこにいた。
ジン「ああ、起きたか。」
  青年が部屋に入ってくる。
  手には食料らしきものを抱えて。
ジン「まだ、夢を見ているような顔だね。 私にも覚えがある。」
コウル「え……?」
ジン「きみも突然、この世界に飛ばされたんだろう?」
コウル「じゃあ、あなたも?」
ジン「ああ」
ジン「今でこそ現地人と言われても違和感ないと思うが、当時は私も向こうの服のまま飛ばされてきてね」
  青年は机に食料を置くと、
  改めて孝瑠の方を向いて言った。
ジン「ようこそ。 異世界エイナールへ。」

次のエピソード:第1話 コウルとエイリーン、そしてジン

コメント

  • いきなり飛ばされて戸惑うコウルでしたが、オークが迫っているのに倒れている少女を助けようとするなんて、勇気がありますね!
    ジンに助けられて良かったです。
    異世界転移はワクワクしますね!👍

  • ここから始まる異世界生活なのですね。
    この少女は…飛ばされた人なのか、キーを担う人物なのか…。
    この先の展開も楽しみです!続編待ってます!

  • いきなりオークがあらわれてなんだなんだという感じから、スピード感ある感じで話がどんどん展開し、短いながらも最後に状況がわかりスッキリ読めました♪こういったストーリーに美少女がやっぱりつきものですね!!(笑)これが物語の序章でしょうか?今後どのように旅が始まっていくのか、続きが気になります。

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