23歳アイドル引退します

めぐる

アヤメ脱退(脚本)

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〇空っぽの部屋
モモ「「Pass☆Tell」一周年記念配信〜!!」
マリン「あれから、もう一年経つんだね。 あっという間だったなぁ」
ヒマ「って言っても、半年くらい活動自粛期間あったけどね!」
コノハ「「アイドルstruggle」に出演して、YouTubeチャンネル作って、ライブは2回。新曲は2曲出しましたね!」
アヤメ「ちなみに、3曲目もレコーディング進めてますっ☆ みんな楽しみにしててね〜!」

〇空っぽの部屋
監督「・・・よし、OK!お疲れさん!」
監督「これから機材片付けて練習だ。 10分くらいで終わるから、休憩していてくれ」
マリン「はーい。 じゃあ着替えてきまーす!」
ヒマ「めっちゃトイレ行きたい! 途中から我慢してたんだよねー!!」

〇空っぽの部屋
  ・・・1、2、3、4
アヤメ「待って、コノハ、そこの立ち位置違うよ?」
コノハ「ご、ごめんなさい、えっと・・・」
アヤメ「じゃ、次はBメロ合わせる?」
ヒマ「待って待って アタシまだAメロまでしか覚えてなくて」
アヤメ「・・・あっ、そっかー」
監督「よし、時間だ。今日はこれで終わり!」
モモ「監督、次の全体練習なんですけど、テスト期間に入るので・・・」
ヒマ「げ!そうだ。 アタシも期末テスト〜」
監督「そうだな。それじゃあ、一ヶ月スタジオ練習は休み!」
監督「YouTubeの配信も休みで良いぞ。 動画はこちらで編集したものをアップしておくから」
監督「みんな、きちんと学業に専念してくれ! 赤点取るんじゃないぞ!!」
  はーい!
アヤメ「・・・・・・」

〇空っぽの部屋
アヤメ「監督、ちょっと相談があるんですが」
監督「どうした?アヤメ」
アヤメ「もっと仕事させてもらえませんか?」
アヤメ「私は高校にも行ってないし、この道一本で生きていくつもりなんです!」
監督「う、うーん・・・」
アヤメ「やっぱりこの業界、若さは武器だと思うんです! この時間を、無駄にしたくない!!」
監督「その気持ちはわかるが、うちの方針は、学業優先だ」
アヤメ「今のままだと、正直、みんなとペースが合いません」
アヤメ「私はもう、新曲の歌詞も振り付けも全部覚えてるのに・・・」
アヤメ「YouTubeだって、できる人はもっとやって良いと思うんです」
アヤメ「なんでライブ配信も、1ヶ月に1回って決まりなんですか!?」
監督「普段の生活に支障のないペースで、と考えた結果だ」
監督「勉強だけじゃない。 体育祭や文化祭などの学校行事も、そちらを優先する方針になっている」
監督「だからどうしても、グループとしては、今回みたいに1ヶ月くらい活動を休むこともある」
アヤメ「でも・・・」
監督「アヤメ、今からでも、高校に行く気はないのか?」
監督「学校に行くのが嫌なら、通信制の高校もあるし、お金のことなら奨学金や国からの支援金の制度も・・・」
アヤメ「それは・・・・・・」

〇空っぽの部屋
モモ「ええっ!? アヤメが、辞める!?」
ヒマ「な、なんでよ!? アタシたちそんなの全然聞いてない!」
監督「本人の意思だ」
監督「そろそろアヤメも来ると思うが・・・」
  アヤメ!
マリン「アヤメ、どうしたの?」
アヤメ「あ、実は結構前から考えてたんだよね! 私はちょっと、このグループには合わないかなって」
コノハ「そ、そんな・・・アヤメさんはいつも明るくみんなを引っ張ってくれました。 このグループに欠かせない存在です」
アヤメ「いや、まぁ、今後のことを考えてもね。 正直アイドルって柄じゃないし」
アヤメ「やっぱり、できればバンドやりたいんだ!」
アヤメ「このグループの趣旨を理解しての決断だから、みんなが悪いわけじゃないし、もちろん事務所のせいでもないよ」
ヒマ「そっか・・・ じゃあ、芸能活動は続けるんだよね?」
アヤメ「うん。 実はもう、移籍先の事務所も決まってて」
モモ「えっ、そうなの!?」
アヤメ「今後はそっちで精一杯やっていこうと思う」
マリン「・・・そっか。 じゃあ、もしかしたら、またどこかで会えるかもしれないね」
ヒマ「数年後、歌番組とかで一緒になったりして♪ どっちが先に有名になれるか勝負だね!」
監督「・・・それじゃ、俺はアヤメを駅まで送っていく」
監督「みんなテスト前なのに急に呼び出して悪かったな。今日はもう帰っていいぞ」

〇空っぽの部屋
ヒマ「・・・ねぇ、なんなのあれ? 自分勝手すぎじゃない?」
モモ「うーん、事務所移籍の話も、こんな急に決まるかなぁ? 大丈夫かな・・・」
コノハ「今レコーディングしてる新曲も、アヤメさんのパートどうするんでしょうね?」
マリン「これまでの曲もそうだし、YouTubeの担当とかも・・・」
ヒマ「・・・あーっ! わからないことだらけでイライラするなぁ」
モモ「そうだね。そこら辺は監督が考えてくれると思うから、私たちはまず目の前のテストに集中しよう」

〇タクシーの後部座席
監督「どうだ、うまく話せたか?」
アヤメ「うん・・・。 同じ業界でやっていく以上、喧嘩別れはしたくなかったしね」
監督「ま、君は若いがその辺のプロ意識はしっかりしているからな!」
監督「今後は君のサポートはできないが、活躍を期待しているよ」
アヤメ「うん、監督も今までありがとう!」
アヤメ「私絶対有名になって、たくさん稼いで、いつかみんなに恩返しできるように頑張るね!」

  しかしこの後、芸能界でアヤメの姿を見たものはいないという。

次のエピソード:オーディション

コメント

  • 一人脱退…ですか。実際にこういうことありそうですよね。誰も悪くはないけど結果的にこうならざるを得ないという。最後の一文がなかなかにリアルでした…

  • ついにアヤメちゃんが脱退……。
    ここからグループ解散の足音が聞こえてきましたね。
    残ったメンバーの中でも、特にヒマちゃんが何かトラブル起こしそう。
    続き待ってます!

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