エピソード4 さらなる惨劇(脚本)
〇森の中
ニュイ(やっと下ろしてもらえた)
ニュイ「あの・・・ありがとうございます・・・」
ロワン「ん? ああ。うん」
ロワン「そうみたいだね」
ニュイ「?」
ロワン「?」
ニュイ(なに? この噛み合わない感じ・・・)
ロワン「それはそうと」
ロワン「ダークドヴェルグなんて とっくに滅んでるもんだと 思ってたんだけど」
ロワン「ねえニュイ君 あいつら今でもいっぱいいるの?」
ロワン「その辺にうじゃうじゃしてる 感じなのかな?」
ニュイ「今日・・・初めて、見ました・・・ ここに来るとき・・・ 森の、中で・・・」
ロワン「ニュイ君、怖がらないで」
ロワン「ダークドヴェルグを餌付けしないでよ」
ロワン「ダークドヴェルグは 人間の恐怖心が大好物なんだ」
ロワン「さっきの番兵の遺体だけど」
ロワン「僕らが霊廟にいる間 森のダークドヴェルグたちは 番兵を脅かして」
ロワン「番兵の恐怖心を飴玉みたいにしゃぶってて」
ロワン「それを王子様に邪魔されたんで 腹いせにちょっとしたイタズラを やってみた・・・ってところだと思うよ」
ニュイ「ちょっとしたイタズラ・・・?」
ニュイ「あれが・・・?」
ロワン「うん ダークドヴェルグが 殺したわけじゃないしね」
ロワン「ダークドヴェルグって そういうものだよ」
〇けもの道
ロワン「ところで」
ロワン「僕らはどこへ向かっているんだろう?」
ニュイ「町・・・」
ニュイ「ミューリア・・・」
ニュイ「えっと・・・アルミュール王国の首都の ミューリアの町へ・・・」
ロワン「アルミュール!」
ロワン「そっか・・・」
ロワン「アルミュール王国、か・・・」
〇美しい草原
森を抜けて町が見えたとき
ぼくの心臓は跳ね上がった
お城が、また動いていた
もともとは町の北の端に建っていたお城
ぼくが町を出たときは
町の中央に来ていたお城
〇荒野の城壁
今は町の南の城壁に
触れるぐらいのところに来ていた
ニュイ「町が・・・ 町がまたつぶされてる!!」
〇西洋の城
ニュイ「そんな・・・!」
ニュイ「パパやママやデューヌ姉さんは!?」
ニュイ「もしもみんなつぶされちゃってたら・・・」
ヤダヤダヤダヤダヤダ
〇洞窟の入口(看板無し)
ニュイ(町から出るときに通った 城壁の穴・・・!)
ニュイ(早く町の中に・・・!)
ロワン「あ! 待って!」
ロワン「こんな小さな穴、僕じゃ通れないよ・・・」
〇基地の広場(瓦礫あり)
ニュイ(お城と町の外壁のほかは ぜんぶ瓦礫になっちゃってる)
ニュイ(町がすっかり狭くなって・・・)
ニュイ(お城の扉と町の門が 五十歩ぐらいの距離で 向かい合ってて・・・)
ニュイ(その間に町の人が集まってる)
町の人の声が聞こえる
町の人「城が・・・また動いた・・・ 一度目では無事だった 町の南側もつぶされて・・・」
町の人「城からは相変わらず誰も出てきていないよ これはもしかすると、みんな死んで・・・ いやいや、まさかまさか・・・」
町の人「町の門が開かない! 町に閉じ込められて・・・ 町の外に逃げられない!」
町の人「なんてことだ! いつまた城が動き出すかわからないのに! 次に城が動いたら終わりだぞ!」
門の内側にいる兵士「くそっ! 何で開かないんだ!」
門の外側にいる兵士「開けてくれー! 入れてくれー! 町の外にはバケモノが・・・ ダークドヴェルグがいるんだー!」
町の人「ダメだ・・・ 何度やっても どうしても城壁をよじ登れない・・・」
町の人「これはもしや シャグラン王子の呪いなのか? いやまさか、あのかたがそんな・・・」
町の人「だけどこれが王子の死と 無関係とは考えがたい・・・」
町の人「グルナのせいだ!!」
町の人「シャグラン王子の婚約者とか言って 王子の死後もお城に居座って・・・ なぜさっさと水没の都に帰らない!?」
町の人「あの女が来てから 何もかもがおかしくなったんだ!!」
ニュイ(そんなわけない・・・ あの人を悪く言わないで・・・)
パパ「ニュイ!」
パパ「ニュイ! 無事で良かった!」
パパ「トロワーヌは・・・ まだ見つからないのか・・・」
ママ「ああ、ニュイ・・・ アンヌの遺体を 置いてきてしまったよ・・・」
ママ「家も完全になくなってしまった・・・」
デューヌ姉さん「ウヒュヒャ! ウヒュヒャヒャヒャ!」
サンク「ニャー」
ニュイ「サンク! 帰ってきてたんだ!」
サンク「・・・」
ニュイ「サンク? 何を見てるの?」
〇西洋の城
ニュイ「え・・・?」
ニュイ「お城の窓のところに・・・!」
トロワーヌ姉さん「・・・」
デューヌ姉さん「・・・」
アンヌ姉さん「・・・」
〇基地の広場(瓦礫あり)
ニュイ「どうして姉さんたちが三人ともお城に!?」
ニュイ「そんなバカな! だって トロワーヌ姉さんはともかく・・・」
ニュイ「アンヌ姉さんは死んじゃったし・・・」
ニュイ「デューヌ姉さんは ぼくのとなりで笑ってるのに・・・」
〇西洋の城
お城にいるのは誰なんだ!?
なんだか気になるラストです。
お城が動くのも、謎の美青年もサンクも、お姉さんたちも謎だらけ!
どうなるんだ?