リモート告白大作戦

奇怪堂 -kikkaidou-

リモート告白大作戦・前編(脚本)

リモート告白大作戦

奇怪堂 -kikkaidou-

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リモート告白大作戦
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〇学校の屋上
長谷川ツバサ「あぁ、彼女欲しい~!!」
足立タツヤ「お前いつもそれ言ってるよなぁ・・・」
長谷川ツバサ「当たり前だろ。俺はいつでも彼女が欲しいんだよ」
長谷川ツバサ「今年こそ彼女いない歴=年齢を卒業するんだっ」
足立タツヤ「ていうか彼女欲しいっていう割に、お前が誰かを好きとかって聞いた事ないんだけど。 お前好きな子いんの?」
長谷川ツバサ「え、い、いやいるよ?好きな子くらい。ただ、その・・・」
足立タツヤ「なんだよ、はっきりしねぇーな。誰なんだよ、俺の知ってる奴か?」
長谷川ツバサ「あー、その、アレだ・・・」
足立タツヤ「ツバサ、さっさと言えぇ!!」
  タツヤのアイアンクローが飛んでくる──
長谷川ツバサ「い、痛てて!わかったわかったよ!川嶋、川嶋シズノだよっ!」
足立タツヤ「はぁ?川嶋?川嶋って中学から一緒の?」
長谷川ツバサ「そうだよ・・・」
足立タツヤ「え、お前もしかして・・・中学の時から?」
長谷川ツバサ「そうだよっ!」
足立タツヤ「はぁ?もっと早く言えよ、お前・・・。 中学のいつからだよ」
長谷川ツバサ「転校してきた時から・・・」
足立タツヤ「マジか!一目惚れかよ!片思い長すぎだろ。相談しろよ!」
長谷川ツバサ「俺なりに頑張ったんだよ!中学の文化祭で声掛けたり・・・」
足立タツヤ「なんだそりゃ、絶対伝わってないだろ・・・ったく、とりあえずココロに連絡してみるわ」
長谷川ツバサ「は?なんでそこでお前の彼女が出てくるんだよ?」
足立タツヤ「アイツ、川嶋と仲良いから、川嶋の事聞いてみるんだよ!」
長谷川ツバサ「はぁ!いいよっ」
足立タツヤ「お前、彼女いない歴=年齢、卒業したいんだろ」
長谷川ツバサ「うっ・・・」
足立タツヤ「ったく、放課後、作戦会議だからな!」

〇教室
足立タツヤ「突然呼び出してごめんな、ココロ!!」
ココロ「いいよぉ~。私も、タツヤ君と帰りたかったしぃ」
足立タツヤ「こいつぅ、可愛い奴だなぁ」
長谷川ツバサ「いつもながら、よく人前でそんなイチャイチャできるな・・・」
足立タツヤ「ラブラブだから仕方ない!」
ココロ「それでどうしたのぉ?」
足立タツヤ「あぁ、実はツバサが川嶋の事好きなんだって」
長谷川ツバサ「すぐ言うな!お前!」
足立タツヤ「そのために呼んだんだろ。ココロ、川嶋と仲良いだろ? なんか役に立つ情報ないかな?」
ココロ「へーそうなんだぁ! ツバサ君、シズノちゃんのこと好きなんだねぇ!」
長谷川ツバサ「大きいー!声大きーい!」
ココロ「あはは、ごめんごめん!」
ココロ「ん~、そういえば、シズノちゃん。 リモート通話が出来ないって言ってたなぁ」
足立タツヤ「リモート通話?」
ココロ「うん!ほら、オンライン授業の時とか使うじゃん。あれあれ」
長谷川ツバサ「え?でも、それこそオンライン授業の時はどうしてたんだ?」
ココロ「なんかね。お父さんに助けてもらってやっと出来てたんだって」
ココロ「でもこれからの時代さぁ、バイトの面接とか色々オンラインが多くなるだろうから自分でちゃんと出来るようになりたいんだってー」
長谷川ツバサ「へぇー、確かに出来るようになった方が何かと良いよなぁ」
足立タツヤ「それだっ!」
長谷川ツバサ「うおっ!びっくりしたぁ。なんだよいきなり」
足立タツヤ「ツバサ!お前、川嶋にリモート通話のやり方教えてやれっ!」
長谷川ツバサ「はぁ!?」
足立タツヤ「お前、パソコンとかそれなりに得意だろ!川嶋を助けて自分の事アピールすんだよ」
長谷川ツバサ「いや、確かにリモート通話の設定とかは普通にできるけど・・・」
足立タツヤ「そんで良い感じになったら告白するっ!名付けて・・・」
足立タツヤ「『リモート告白大作戦』だっ!!」
ココロ「おぉ、タツヤ君あったまいい!」
長谷川ツバサ「なんか勝手に盛り上がってるなぁ・・・」
ココロ「ふふっ大丈夫、ツバサ君。きっと成功するよ!」
足立タツヤ「よしっ!善は急げだっ!ココロ、川嶋の事呼び出せるか?」
ココロ「はーい、電話してみるねぇ」
長谷川ツバサ「おい!待て待てっ!俺はまだ──」
ココロ「あっ、もしもしシズノちゃん?」
長谷川ツバサ「あっ──」
足立タツヤ「ツバサ、とにかく一歩踏み出せって!俺たちが協力してやるから『リモート告白大作戦』やってみようぜっ!」
長谷川ツバサ「・・・あぁ、もう!わかったよ!このままじゃダメだって俺も思ってたし その代わり最後まで協力してもらうからなっ!」
足立タツヤ「おうっ、任せろ!」
ココロ「二人とも~、シズノちゃんまだ学校にいるらしいから今から教室来るってー」
足立タツヤ「よしっ、じゃあ改めて!『リモート告白大作戦』開始だー!」
ココロ「おー!」
長谷川ツバサ「お、おぉー・・・」
  十数分後──
  ガラッ──
川嶋シズノ「ココロ、どうしたの、いきなり? あれ?足立君に・・・長谷川君? 三人集まってどうしたの?」
足立タツヤ「おう、いきなり悪ぃな、川嶋。実はココロから聞いたんだけど 川嶋、リモート通話のやり方わかんなくて困ってるんだろ?」
川嶋シズノ「え?うん、そうだけど・・・」
足立タツヤ「そこでコイツ!長谷川ツバサだっ!」
  バンッ──
長谷川ツバサ「うおっ」
足立タツヤ「こいつ、パソコン関係が得意なんだよ。だからツバサに教えてもらえばいいんじゃねーかと思ってさ」
川嶋シズノ「えっ、長谷川君に?で、でもそんないきなり悪いよ・・・」
長谷川ツバサ「あ、いや俺は別に構わないけど・・・」
川嶋シズノ「え?」
長谷川ツバサ「ほら、これからまたオンライン授業とかもあるかもだし!ちゃんと出来るようになってた方がいいだろ?」
川嶋シズノ「・・・ホントにいいの?迷惑じゃない?」
長谷川ツバサ「いや、迷惑とか・・・こっちから言い出したんだし・・・」
川嶋シズノ「でも・・・・・・」
ココロ「シズノちゃん!せっかくなんだから手伝ってもらいなよっ」
川嶋シズノ「・・・・・・わかった・・・じゃあ、お言葉に甘えようかな」
足立タツヤ「よっしゃ、なら思い立ったがなんとやらだ!」
ココロ「よーし、じゃあ今からシズノちゃん家、行こー」
長谷川ツバサ「えっ、これから!?さすがにいきなりじゃ迷惑だろ」
川嶋シズノ「いいよ。18時くらいまでお父さんもお母さんも仕事でいないから」
足立タツヤ「よし、それじゃ行くか!」
ココロ「おー」
  後編に続く──

次のエピソード:リモート告白大作戦・後編

コメント

  • 分かるなー。学生時代の淡い初恋。なんとかして彼女と付き合いたいという気持はよーくわかります。周りの友達が応援してくれるから、頑張って欲しいね。

  • つばさ君長い間の秘めた想い、得意分野で彼女の心をぐっとつかめるといいですね。何か目標がある時、彼のようにたまに宣言したりすると、おのずと協力者ってあらわれるものですね!

  • お父さんがいないと行くんだ!笑
    賑やかで楽しそうだなぁと思う作品です。
    みんなであれこれするのって楽しいですよね!
    でも、いずれは二人きりになれるといいですよね。

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