令和JK、勇者の無念晴らします

せんぶり

JK転移する!の巻(脚本)

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〇通学路
  タッタッタッタッタッ!!
ノリコ「遅刻、遅刻ーーーっ!!」
ノリコ(ひ~! きのう遅くまでゲームやり過ぎちゃったー!)
ノリコ(中ボスを倒したらやめようと思ったのに、まさか第8形態まであるなんて!)
ノリコ(しかも最後の方の変身は、髪の分け目を変えたり、目をフタエにしただけだったし、なんなの!?)
ノリコ(おかげで倒すのに時間かかって、寝たの4時! そりゃ寝坊するって!)
ノリコ「よし、近道するぞぉ! 次の曲がり角を全力右折ーーーっ!!」

〇通学路

〇通学路
???「え?」

〇通学路
ノリコ「うわっ!」

〇通学路

〇森の中
???「おーい、大丈夫か?」
???「おーい!」
ノリコ「・・・・・・」
ノリコ「んんっ」
ノリコ「はっ!!」
ノリコ「やばい! 寝坊したっ!!」
ノリコ「もーっ! ちゃんと起こしてって言ったじゃん、お母さん!」

〇森の中

〇森の中
ノリコ「って、お母さんと違う! 誰っ!?」
ヒイロ「い、いや、君こそ誰だい!?」
ノリコ「え、私はあの・・・・・・あれ? ここはドコ? 一体どうなってるの??」

〇森の中
ヒイロ「・・・・・・なるほど それはきっと転移、だな」
ノリコ「てんい?」
ヒイロ「物体をある地点から、ほかの地点へ移す・・・・・・ 時には別世界へも繋がる、いわゆるワープみたいなモンだ」
ヒイロ「森の奥が光り輝いたもんだから駆けつけてみたら、君が倒れていたんだ」
ヒイロ「あの光り・・・・・・あの輝く魔法陣の形は、転移魔法陣だった」
ノリコ「でも私、そんな魔法陣に飛び込んだ覚え、ないんですけど?」
ノリコ「曲がり角で誰かにぶつかって・・・・・・」
ノリコ「それで、そうそう! 鼻血が出たんです!」
ノリコ「まさか! 鼻血がたまたま魔法陣の形に飛び散ったなんてこと・・・・・・」
ヒイロ「ありえるな」
ノリコ「マジですか!?」
ノリコ「あ! でも、それなら、もう一回その魔法陣に飛び込めばイイッて事だよね!」
ヒイロ「いや、魔法陣はもう消えているんだ・・・・・・」
ヒイロ「おそらく、転移元の魔法陣が何らかの理由で消え去ったのだろう」

〇通学路

〇森の中
ノリコ「えーーーっ!!」
ヒイロ「気の毒だけど・・・・・・」
ノリコ「そ、そんなぁ」
ノリコ「ねぇ、あなた魔法陣を知ってるんでしょ!? もう一度書いて、私を元の世界に戻して!!」
ヒイロ「いや、すまない・・・・・・ パッと見、そう判断しただけで、詳しくは知らないんだ」
ヒイロ「適当に書いたりしたら、それこそ、もっとひどい所に転移してしまう可能性や、別の恐ろしい魔法が発動するかもしれない」
ノリコ「そんなーーー!」
ノリコ「ちょっと寝坊しただけじゃん! ちょっと鼻血が魔法陣っぽく飛び散っただけじゃん!」
ノリコ「まだあのゲームだってクリアしてないのにー!」
ノリコ「勇者の伝説装備も全部揃えたのにー!」
ヒイロ「まってくれ! 君は勇者について何か知っているのか!?  伝説の装備の事も!?」
ノリコ「えぇ、そうよ! まっ、テレビゲームの話だけど」
ノリコ「魔王四天王だって、初期装備&目隠しプレイで倒したんだから! ま、ゲームの話だけど」
ヒイロ「四天王を初期装備で目隠し!?」
ヒイロ「そのゲームというのはよく分からないが、君はそちらの世界ではなかなかの手練れなのだろうな!」
ヒイロ「俺は君を待っていた!」
ヒイロ「ずっと、この時を・・・・・・」
ノリコ「はい?」
ヒイロ「俺は、この世界の勇者なんだ」

〇森の中
ノリコ「・・・・・・ つまり、伝説の勇者なんだけど」
ノリコ「死んじゃったってこと?」
ヒイロ「あぁ、そういうことだ・・・・・・」
ノリコ「そっか」
ノリコ「ちょっと存在感薄い人だなぁって思ってたけど、霊体ならしょうがないよ!」
ヒイロ「ぐっ!」
ノリコ「実際は危険と隣り合わせ 皆、強い敵と命がけで戦ってるんだよね」
ヒイロ「まぁ、な・・・・・・ 立ち話もなんだ、俺の家で話そう」

〇森の中の小屋
ノリコ「へー、立派なお家」
ヒイロ「そこ、足元滑りやすいから気を付けて」
ノリコ「うん」
ノリコ「きゃっ!」
ノリコ「じ、人骨!?」
ヒイロ「レベルが低いうちは、勇者といえどもただの人」
ヒイロ「打ち所が悪ければ、いとも簡単に逝ってしまうものなのだよ」
ノリコ「え、ちょっとまって」
ノリコ「ここで滑って転んで死んだってこと!?」
ヒイロ「あれは効いたよね、まさに痛恨の一撃!」
ノリコ「いや自滅だ、自滅ーーーっ!!」

〇怪しいロッジ
ノリコ「まさか、不注意による事故死だったとは!」
ノリコ「戦う男たちの生き様に想いを馳せて損したっ!」
ヒイロ「ま、まぁまぁ、そう言わずに~」
ヒイロ「これもなんかの縁だし、俺の頼みを聞いてくれないか?」
ノリコ「乙女の心を踏みにじったうえに、頼み事までするの!?」
ヒイロ「君に、俺の・・・・・・勇者の意思を引き継いでほしいんだ!」
ノリコ「はぁー!?」
ノリコ「なに言ってんの! 嫌よっ!!」
ヒイロ「いや、君ならできる! 四天王を舐めプで倒した君なら!」
ノリコ「だからそれはゲームの話でー!」
ヒイロ「俺はここから動くことができない 代わりに魔王を討伐してくれっ!」
ノリコ「ちょっとは人の話聞きなさいよ! 無理に決まってんでしょーが、そんなの!」
ヒイロ「魔王を倒せれば、戻れるかもしれない・・・・・・」
ノリコ「え、今なんて?」
ヒイロ「実は魔王は、大賢者様を封印しているんだ」
ヒイロ「大賢者様はとても凄いお方で、あの方ならば、きっと君を元の世界に戻す術をご存知のハズ!」
ノリコ「ま、マジで!?」
ヒイロ「マジで! きっとできるだろうとも」
ノリコ「で、でも私一人で魔王に立ち向かうなんて、無理よ・・・・・・」
ヒイロ「誰がひとりだって言った? 勇者にはいつだって、心強い仲間がいるじゃないかっ!」
ノリコ「そうか!」

〇謁見の間
  屈強な戦士!

〇謁見の間
  慈悲深い僧侶!

〇謁見の間
  沈着冷静な魔法使い!

〇怪しいロッジ
ノリコ「なんとかなるかも!」
ヒイロ「わっはっはっ! だろ、だろ?」
ノリコ「ねぇでも、仲間がいるなら、仲間の魔法で生き返らせてもらえばいいんじゃないの?」
ヒイロ「いや、それには余りにも時が経ち過ぎてしまってね・・・・・・」
ノリコ「あなたいつ死んだの?」
ヒイロ「・・・・・・ざっと50年前かな!」
ノリコ「はぁ!? 50!? ・・・・・・ってことは!?」

〇謁見の間

〇謁見の間

〇怪しいロッジ
ノリコ「終わった・・・・・・無理だ・・・・・・」
ヒイロ「いやいや、曲がりなりにも勇者の仲間だよ? 腰は曲がっても、その信念は真っ直ぐなままさ! きっと君の助けになってくれるよ!」
ノリコ「圧倒的、肉体の衰えっ!」
ノリコ「だいたい50年も経ってるなら、この世界はすでに魔王軍に支配されてるんじゃないの!?」
ヒイロ「いや、それがそうでもないんだ・・・・・・」
ノリコ「ど、どういうことよ?」

〇闇の要塞

〇洋館の玄関ホール

〇洋館の廊下

〇宮殿の部屋
魔王「グフッ! ゴホッ、ゴホッ! ウゲェーッ!!」
魔王「ぜぇ、ぜぇ・・・・・・あー、しんどっ」
ドクターM「ま、魔王様っ!」
魔王「余は、もう長くはないかも・・・・・・」
ドクターM「そ、そんなことをおっしゃらないでください!」
魔王「いやだってメッチャつらいよ?」
魔王「はぁー・・・・・・ ついに勇者と相まみえることなく天寿を全うするのかぁ」
ドクターM「くそっ! バカ勇者め! どこほっつき歩いてるんだまったく! 魔王様を待たせおって! とっとと来んかい!」

〇怪しいロッジ
ノリコ「じゃあ50年の間、魔王軍は攻めてきてないの?」
ヒイロ「ちょいちょい悪さはしてるけど、膠着状態・・・・・・っていうの?」
ノリコ「ねぇそれって貴方が早々に人知れず死んじゃったからだよねー!」
ヒイロ「わーごめんなさい、ごめんなさい! 薄々気づいてました、悪いことしたなぁーって!」
ノリコ「そうだよ! 向こうはセオリー破るわけに行かないんだから! そりゃずっと待つよ、勇者が来るの!」
ノリコ「ずっと待たされる方の気持ち、考えたことある!? 辛いんだよ!? 寂しいんだよ!?」
ヒイロ「面目ない・・・・・・ って、なんかヒートアップしてない?」
ノリコ「ふぅふぅ・・・つい昔の恋を思い出して感情的になってしまったわ」
ノリコ「とにかく! そのブッチ食らった魔王を倒して」
ノリコ「大賢者様の封印を解けば、私は帰れるってわけよね?」
ヒイロ「そそ、そういうこと! 俺も浮かばれる、成仏できるってこと!」
ノリコ「わかったわ」
ノリコ「あんたの無念、晴らしてあげる! そんでもって私も帰る!!」

〇闇の要塞

〇宮殿の部屋
魔王「うぅ、志なかばで逝きたくない・・・・・・」
ドクターM「魔王様、お気を確かに!」
魔王「あぁ、魔神様・・・・・・ どうか私めに、お力を!」
魔王「力をお与えくださいーっ!!」

〇宮殿の部屋

〇宮殿の部屋
ドクターM「な、なんじゃ!?」

〇宮殿の部屋

〇宮殿の部屋
ドクターM「・・・・・・」
魔王「・・・・・・」

〇宮殿の部屋
???「・・・・・・」
???「あれ、俺なにしてんだ!?」
ドクターM「は、派手な演出のわりに、なまっちろい奴が出てきたわい」
魔王「・・・・・・魔神様だ!」
魔王「魔神様が私のために遣いを寄こしてくださったのだ!」
ドクターM「へ?」
???「あん?」
魔王「ははは、そうだ! 最後のチャンスをくださったのだ!」
魔王「あちらが来ないのなら、こちらから攻めよとおっしゃっているのだ! 我々が進撃する番なのだっ!」
魔王「魔族、バンザーイ!」
  ピーーーーーーーーーーー・・・・・・
ドクターM「ままま、魔王様ーーーーっ!!!」

〇闇の要塞
  つづく

次のエピソード:魔族の証明!の巻

コメント

  • ええーー!意外な展開!!発想が斬新で面白かったです!

  • ツッコミどころ満載なストーリー展開に笑ってしまいました。しかも、すごく気になるラストシーン、次話が楽しみで仕方ないです。

  • 最後の展開がびっくりでした。ストーリーが斬新で、楽しかったです。魔王とドクターMのやり取りにクスッと笑いながら読ませて頂きました。

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