CASE9(エピソード4)運命を変える激辛カレー(後編)(脚本)
〇白
カレー店でオーナーの唐井花麗が殺害された。被害者の衣服にはカレーのシミが。しかし被害者は服をクリーニングした直後だった。
〇大会議室
神爪強「不動産会社の浮堂が容疑者候補だ。 話を聞きに行ってくれ」
佐原純「分かりました」
〇応接室
佐原純「唐井花麗さんが殺害されたのはご存知ですか?」
浮堂雅夫「えぇ。ニュースでみて、驚きました」
佐原純「あなたは立ち退きの件で唐井さんと揉めていたとか?」
浮堂雅夫「えっ揉めてませんよー。立ち退きの件はなしになったんで」
佐原純「えっ──!?そうなんですか!?」
〇大会議室
神爪強「揉めていなかったと──!?」
佐原純「はい。浮堂さんが言うには」
家相健「被害者の衣服についていた指紋が誰のか分かったよ」
神爪強「これは・・・・・・!!」
〇テーブル席
神爪強「あなただったんですね。唐井さんを殺害したのは」
神爪強「尼原隆史さん」
尼原隆史「何を言い出すんですか!」
神爪強「被害者の衣服の指紋からあなたの指紋が検出されました。 事情聴取の際に、提出してもらっていたものです」
神爪強「唐井さんは服をクリーニングに出したところでカレーのシミをつけてしまった。その洗いたての服にどうしてあなたの指紋が」
神爪強「付いているんですか?」
尼原隆史「・・・・・・クッ・・・・・・」
尼原隆史「唐井は俺に無理やり激辛カレーを味見させようとしたんだ・・・・・・」
〇広い厨房
事件当日──
唐井花麗「尼原さん、これ味見してみて?」
尼原隆史「辛っ・・・・・・僕辛いの苦手って言ってましたよね?」
唐井花麗「じゃあどうしてカレー店で?」
尼原隆史「それは・・・・・・」
唐井花麗「この新メニューが食べられないなら辞めてくれる──!?」
〇テーブル席
唐井花麗「早く・・・・・・出ていきなさい!」
尼原隆史「・・・・・・」
〇テーブル席
神爪強「あんたは嘘をついていたんだな。 朝に呼び出されたと言っていたが、深夜だったんだな」
尼原隆史「あぁそうだよ・・・・・・あいつに腹が立ったから殺してやったんだ・・・・・・」
〇高い屋上
神爪強「一件落着だな」
伊藤恵里「激辛カレーが唐井さんの運命を変えましたね・・・・・・」
神爪強「伊藤は辛いの得意か?」
伊藤恵里「えぇ。まぁ・・・・・・好きな方ですけど」
神爪強「そうか」
伊藤恵里「神爪さんは?」
神爪強「いやそれはまぁ・・・・・・」
神爪強「苦手・・・・・・とは言いにくい」
神爪強「食べられる」
〇警察署のロビー
大木真菜「あっ佐原くん!!」
佐原純「大木さん」
大木真菜「カレー食べに行かない?」
佐原純「えっ・・・」
大木真菜「どうしたの?」
〇施設のトイレ
浮堂雅夫「フーッ・・・・・・」
浮堂雅夫「ウワァーーーーーー!!!!」
〇施設のトイレ
???「・・・・・・」
???「ハァハァハァ・・・・・・」
印美圭三「おいお前──!!何している──!!」
〇山中のレストラン
大木真菜「ここよ」
佐原純「こ、ここがカレー屋さん!?」
〇おしゃれなレストラン
大木真菜「どの辛さにする?」
佐原純「じゃあ辛口で」
大木真菜「私は・・・・・・激中辛で」
佐原純「あれあそこにいるの神爪さんと伊藤さん──!?」
大木真菜「そっとしといてあげましょ。久しぶりの休暇だと思うし」
佐原純「美味しいぃ──!!」
大木真菜「か、辛いわ・・・・・・」
このとき、佐原たちは知らなかった・・・・・・。このあとに起こるさらなる悲劇を・・・・・・
つづく──