月光の君 ~越歴草紙より~

やましな

月光の君 第2章(脚本)

月光の君 ~越歴草紙より~

やましな

今すぐ読む

月光の君 ~越歴草紙より~
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇屋敷の大広間
  八 首を傾げる夜番の平信
伴平信「夜番頭の平信でございます」
伴平信「恐れながら、昨晩のことをお話いたします」
伴平信「昨夜は二十数名の番衆を不寝番として、お屋敷の要所要所に立たせておりました」
伴平信「特に信頼できる者を選りすぐり、昼間充分な睡眠を取らせて、怠慢の無きよう一所に二人を置いて互いに監視させておりました」
伴平信「ところが、でございます。私も、見巡りをしておったのでよくおぼえております」
伴平信「にわかに窓から見る空が白んできたかと思うと、一閃、稲光があたりを照らしました。 そのせつなでございます」
伴平信「私を含めた全ての番の兵が気を失ってしまったのでございます。 それからのことは憶えておりませぬ」
伴平信「再び気づいた時には姫さまはどこにもおられなくなっておりました」
伴平信「再び・・・・・・いつのまにか臥所の中に姫さまの姿を認めたのは、それから数刻ののち・・・」
伴平信「一番鶏が高らかに夜の終わりを告げた、その直後のことでございました」
伴平信「これは申し開きをしようというものではありませぬ。 我らはどのようなお咎めも拒む理由はございませぬ」
伴平信「ただ、怪訝なことでございますが、あの閃光のことはまことの出来事にございます。」
伴平信「それだけは信じていただきたいのでございます」

〇屋敷の門
  九 憔悴する五位の少将
堀川の若殿「私の妹のことです」
堀川の若殿「もう七日ほどになりますが、妹がなにか物怪のようなものに魅入られてしまったようなのです」
堀川の若殿「はじめのうちは夜な夜などこかに消えて、やつれて帰ってくるだけであったのですが、最近はすっかり衰弱してしまって・・・」
堀川の若殿「昼間、日の出ているうちは眠ってばかりなのです。 食事も取らず、ますます痩せ細ってゆきます。典薬寮の医師も役にたちませぬ」
堀川の若殿「加持祈祷を頼み、妖魔を退けようともしましたが、まったくといっていいほど効きませぬ」
堀川の若殿「名だたる祈祷師や巫術者、鬼退治で有名をあげた猛者などに妹を守らせましたが、気がついたときには妹はさらわれております」
堀川の若殿「妹を寝かせる場所を変えてみたりもしましたが、やはり夜になると物怪はやってきて、妹をさらって行くのです」
堀川の若殿「安倍の某とかいわれる偉い陰陽寮の博士にも見ていただいたのですが、やはり原因がわからないというのです」
堀川の若殿「音に聞こえた道士術者がみな口を合わせて、やれ齢百年を経た妖狐の仕業だの、」
堀川の若殿「どこぞの山のなになに童子とかいう鬼の仕業だの、北の蝦夷の梟帥の祟りだのと言って、」
堀川の若殿「言うことがいちいち違う上に、何もせずに匙をなげてしまいます」
堀川の若殿「聞くところによるとお坊さまは功徳無量といわれるほどの法力をお持ちとお聞きします」
堀川の若殿「どうか、妹の命をあやかしの手から救っていただきたいのです」
堀川の若殿「お願いいたします。頼れるかたはお坊さましかおられぬのでございます」

〇屋敷の大広間
  十 呵々と笑う法誉僧都
法誉僧都「呵々!」
法誉僧都「この末法の世にあっては、どのようなことがあっても驚くに値しませぬ」
法誉僧都「ましてや幾多の民衆の血を絞って地を固め、多くの貴人の呪いを受けて造り営まれたるこの都」
法誉僧都「それだけの数の怨念が飛び交っておるのでございます」
法誉僧都「さまざまな異変が起こるのも道理というものではございませぬか」
法誉僧都「人の恨みだけではありませぬ」
法誉僧都「この都を造りあげるのにどれほどの森が拓かれ、川や池が埋められたかを考えてみなされ」
法誉僧都「どれだけの鳥や獣ども、水底の魚どもの命が亡うなったかを知るがよろしい」
法誉僧都「いま巷にあふれる怪異のほとんどは人の仕業が招いたことでしかありませぬ」
法誉僧都「原因があるからこそ、事はおこるのでございます」
法誉僧都「百鬼夜行も然り、妖怪変化もまた然り」
法誉僧都「すべては人の行いより生まれ、人間のつまらぬ欲望がそれを育むのです」
法誉僧都「よろしいですか。 怨霊や化性の類はその原因を取り除いてやれば手易くその悪行を止めるものでございます」
法誉僧都「三千世界をあまねく照らす大日如来のご威光は、昏き闇の中に蠢く救われぬ者どもにすら救いの手を差し伸べ、」
法誉僧都「いと畏き釈尊の教えは、千年の大怨を残して奈落の底に悶える魂にも永劫の安らぎを与えたまいます」
法誉僧都「なに、心配することはありませぬ」
法誉僧都「妹君のことは拙僧にまかせるがよろしい。必ず妖魔の手より姫君をお助け致しまする」
法誉僧都「呵々」

〇屋敷の寝室
  十一 夢見続ける宵待の姫君
宵待の姫君「ああ、光の君。 どうぞ、お入りになって」
宵待の姫君「なんだかざわざわうるさいのだけれど、どうなっているのかしら」
宵待の姫君「ご覧になって。 もうあんなに月が満ちております」
宵待の姫君「あの月がまんまるな望月になった夜、私を新しい世界に連れていって下さいますのね」
宵待の姫君「あの竹取の姫君のように」
宵待の姫君「ああ、早く見てみたいわ。 皓々たる月光だけが天地を照らす、光と影の世界を」
宵待の姫君「美しく気高く、そして無慈悲な月読神のしろしめす神の国。 醜い者も愚かな者も無粋な者もいない世界」
宵待の姫君「その国では死ぬことも老いることも病になることも苦しむこともないのでしょう?」
宵待の姫君「ほんとうに、永遠に若く美しく純粋でいられるの?」
宵待の姫君「私、もっといろんなこと、あなたに教えていただきたいのです。 誰も知らない不思議な世界のことを」
宵待の姫君「さあ、はやく。 今宵も連れていってくださいな。 二人だけの深夜の散歩に」
宵待の姫君「そして、あなたのお屋敷で、異世界の夢を私に見せてくださいませ」

〇屋敷の大広間
  十二 悔しがる法誉僧都
法誉僧都「昨夜一晩、姫君をお守りしようとしたのですが・・・」
法誉僧都「無念ながら、拙僧の法力ではどうにもいたしかねるようでございます」
法誉僧都「拙僧は昨晩、護摩を焚き、結界を組んで姫君を護り、法力自慢の僧を集めて夜通し真言を唱え続けました」
法誉僧都「夜半をすぎたころでしょうか」
法誉僧都「突然、護摩壇の火が消え、ご本尊の大日如来像がぐらぐらと揺れ始めました」
法誉僧都「一瞬のうちに灯りがすべて消えました。しかし、本堂の中には高い窓から月光がさしこんできておりました」
法誉僧都「月光の照らし出す中に白い影がわだかまったかと思うと、透き通るような白い肌と切れ長の目を持った男がそこに立っておりました」
法誉僧都「男はやせ細った姫君を抱きかかえると、われわれを嘲笑するように一瞥して、さっと身を翻し、姫君とともに消えてしまいました」
法誉僧都「その美しさときたら・・・」
法誉僧都「私はながらく僧籍にあり、本来ならそのようなことを口にするべきではないのかも知れませぬが・・・」
法誉僧都「その魔人の性質を語る上で、あえて隠しませぬ。その美しい男を見た瞬間、拙僧は胸を射抜かれたような衝撃を受けたのです」
法誉僧都「目と目が合った瞬間、魅了されてしまったのでございます」
法誉僧都「拙僧の胸は高鳴り、自分でも恐ろしいほど早く強く打ち鳴らされておることがわかりました」
法誉僧都「そのままでは私の心の臓は破裂するのではないか」
法誉僧都「そんな思いにかられ、急いで呼吸を整え、心をおちつけようと経文を唱えました」
法誉僧都「周りを見回すと、私以外の僧は、皆眠りこけておりました。なんという化け物―――美しき物怪でありましょうか」
法誉僧都「すぐさま拙僧は護法童子を飛ばして鬼神を追いましたが、天童の千里眼をもってしても、ついに見つけることかないませんでした」
法誉僧都「いやはや、愚僧などの力ではどうにもならぬ鬼神であることは確かでございます」
法誉僧都「いや、この国のいかなる高僧も、呪法者もこの鬼神を退治することはできぬにちがいありませぬ」
法誉僧都「なにか日本や唐・天竺のものとは、理のまったく異なる神界の成り立ちを持つ国から来た魔神のような気がいたしまする」
法誉僧都「おそらく胡国かそれよりも遥か西の彼方、我らが名も聞いたことのないような国から流れ着いた鬼神なのかもしれませぬ」
法誉僧都「愚僧も多くの魔除や退魔をしてまいりましたが、このような異質な魔物についてはどうしてよいかもわかりかねるのでございます」
法誉僧都「ただ―――ただし、その妖魔の属する神界の構造についてよく知る者があれば、この鬼神に太刀打ちできることでございましょう」
法誉僧都「拙僧はその者に心当たりがありまする」
法誉僧都「聞くところによれば、四条河原に『摩利の教(まりのおしえ)』という邪宗の教えを説く、」
法誉僧都「摩利安尼(まりあんに)とかいう若い尼僧がおるとか」
法誉僧都「この尼僧、異邦の沙門がこの国の女に生ませた娘なのですが、この娘、とにかく法力が滅法強いといいます」
法誉僧都「今より20年の昔、三国一の法力を持つという僧都を、邪宗の魔術で打ち負かしたのがこの尼僧の父親の沙門なのですが、」
法誉僧都「この娘はその父の力をもはるかにしのぐ呪法者であると聞きまする」
法誉僧都「本邦の呪法が全く通じぬ以上、邪宗門の徒といえども仕方ありますまい」
法誉僧都「その摩利安尼を訪ねて見なさるが唯一の道でありましょう」
法誉僧都「残念ながら、今の愚僧に言えることといえばそれだけでございます」

〇河川敷
  十三 改宗を迫る摩利安尼
摩利安尼「ええ、若殿さま」
摩利安尼「たしかに。私は尊き摩利(まり)の教を伝える、摩利安尼(まりあんに)でございます」
摩利安尼「妹君のことは、検非違使どのからお聞きしました」
摩利安尼「その妖魔の正体はおそらく、かつて摩利の教に従っておった者が、天上皇帝に離反し、魔王沙丹の側に転じた者でございましょう」
摩利安尼「ならば天上皇帝の力をもってすれば、その魔を払うなどは造作もないことにございます」
摩利安尼「もっとも、あなた方がいつまでも釈教や仏法などという邪教に頼っておっては姫君はこのまま鬼神に取り殺されてしまうことでしょう」
摩利安尼「どちらも天上皇帝《でうす》にしてみれば悪魔の眷属にすぎませぬ」
摩利安尼「邪神をもって鬼神を制すは、毒をもって毒を制すに同じ。いずれ毒に犯されておることにはかわりありますまい」
摩利安尼「あなたがたは天上皇帝の御力を信じなければなりませぬ」
摩利安尼「今のまま菩薩だの如来だのといった鬼神を信じておっては天上皇帝はあなたに力をお貸しにならないでしょう」
摩利安尼「さ、若殿さま。 一言、摩利の教に従うとお誓いなさいませ」
摩利安尼「さすれば姫君の命は、この摩利安尼がお救いいたしましょう」

〇屋敷の大広間
  十四 《でうす》について語る堀川の若殿
堀川の若殿「なあ、平信よ。私の妹を救うために《でうす》に帰依してはくれぬか」
堀川の若殿「邪宗門の尼僧・摩利安尼が、妹を救うために出した条件は、私と、お主ら番衆が《摩利の教》に宗旨替えすることなのじゃ」
堀川の若殿「なに、《摩利の教え》も、よくよく聞いて見ればそんなに邪なる教えではないようじゃ」
堀川の若殿「現に摩利安尼の父の故郷たる葡萄牙という、はるか西方の国では、老いも若きも皆、天上皇帝《でうす》を熱心に信じておるそうだ」
堀川の若殿「それに大唐国でも、かの地の帝の保護をもって《景教》なる名で大いに隆盛しておったといい、本邦にも伝わっておったともいう」
堀川の若殿「珍妙な名の異国はともかく、あの唐国でも流行っておったというのだ。何をいぶかしむことがあろうか。 のう、平信よ」
堀川の若殿「そもそも摩利の教とはまたの名を《きりしと》の教とも言うて、説いたのは《ぜす・きりしと》あるいは善主麿という賢者とな」
堀川の若殿「まあ仏法で言えば仏陀、釈迦牟尼のような尊者であるらしい」
堀川の若殿「《でうす》は天上皇帝といって、天地をあまねくしろしめす神」
堀川の若殿「世界は《でうす》とともに生まれ、天地は《でうす》がつくりたもうたという。 なにやら、我らの神話にも似たような話がある」
堀川の若殿「私は摩利安尼の話を聞いてみて、あながち我らが信ずる神々や釈尊の教えとそれほど違うものであるとは思えぬような気がしてきた」
堀川の若殿「なに、《でうす》とは我が国でいうざまざまな尊きものを、一つの名前であらわしたものではないかと思うのだ」
堀川の若殿「そう考えれば、私には《でうす》を信じることは、これまでの神仏の信仰となんら矛盾することはないのではないかと思えてくる」
堀川の若殿「まあ、私とて心から望んで改宗するわけではない。すべては妹のため、あれを救うためなのだ」
堀川の若殿「たとえ一時でもよい。 妹を救うためだ。 配下ともども、摩利の教えに帰依してくれぬか」
堀川の若殿「頼む、伴平信よ」

〇河川敷
  十五 越歴機の夢を見る伴平信
伴平信「私は四条河原に摩利安尼を訪ねました。 若殿さまのお言葉をお伝えするためでありました」
伴平信「粗末なあばら屋が摩利安尼の住まいであり、摩利の教を伝えるためのお堂であるということでした」
伴平信「私が昼下がりに、そこを訪ねたとき、摩利安尼の庵の前には宿無しや病人、ごろつきなどが集まり、食物の施しをしておりました」
伴平信「私はその人だかりを遠巻きにみておりましたが、じつに様々な人々がそこにはおりました」
伴平信「ひとしきり施しが終わると、摩利安尼は皆を並ばせ、説教をはじめました」
伴平信「《ぜす・きりしと》の言葉を語り、説明を加えるのですが、巧みな比喩をもって無学な者や子供にもわかりやすく語られるのです」
伴平信「私も、最初は後ろの方で聞いていましたが、じょじょに引き込まれて、気がつけば人だかりのすぐ後ろで聞いておりました」
伴平信「黄昏どきになり、その信者たちが帰っていったあと私はお堂の中に入るようにすすめられました」
伴平信「お堂の中には、嬰児を抱いて、安らかなるほほえみを浮かべ大きな摩利(まり)女菩薩の木像がありました」
伴平信「私は祈っておられる摩利安尼に近づいてゆき、尋ねました」
伴平信「『なぜ、卑しき者などに摩利の教を説いておるのですか』」
摩利安尼「『彼らが、《でうす》さまのお力を必要としているからです』」
伴平信「静かに、比丘尼は言われました」
伴平信「私は摩利安尼に、若殿さまの伝言をおつたえしました」
摩利安尼「『皆さま改宗なさいますのですね。いと尊き天上皇帝さまは、みなさまのために波羅葦僧(はらいそ)の門をお開きになりましょう』」
伴平信「摩利安尼はかすかなる喜びの表情をうかべて、宙に十字を切りました」
伴平信「『しかし―――摩利安尼どの、私には、一つだけお願いがあるのです』」
摩利安尼「『なんでございましょう』」
伴平信「『私に《でうす》の奇跡というものを、見せていただきたいのです』」
伴平信「私は、摩利安尼が呆れるのではないかと思い、すこし質問をためらいましたが、尼僧の真摯な目が、私にその続きを口にさせました」
伴平信「『そうしないと摩利の教も、あなたのことも心から信じられないような気がするのです』」
伴平信「摩利安尼はとくに驚いた様子も、あきれたようすも見せませんでした」
伴平信「鈴の音ような美しい声で、ひとこと言われました」
摩利安尼「『お見せいたしましょう』」

〇宇宙空間
伴平信「次の瞬間、私は夜空の真ん中におりました」
伴平信「地面も、重さも、摩利安尼も消え失せているのでした」

〇落下する隕石
「遠くで何かが輝いたかと思うと、私は夜空をその光の方向に飛んでおりました」

〇炎
伴平信「燃えさかる大地に雨が降り続き・・・・・・」

〇水中
伴平信「やがて世界が海に包まれるのを見ました」

〇密林の中
伴平信「はるか昔に栄えた竜族の世が、」
伴平信「流れ星の落下によって滅びさるのを見ました──」

〇荒野
伴平信「槍を持った猿の群れが、」
伴平信「おおきな象(きさ)を罠にかけて狩るところを見ました」

〇基地の広場
伴平信「都市を飲み込む大洪水の中で、」
伴平信「生きながらにして海に沈んでゆく人々の叫びを聞きました」

〇海辺
伴平信「また、目の前でまっぷたつに海が割れるところを見ました」

〇朝日
伴平信「磔になった善主麿さまが、 三日の後に蘇られるところを見ました」

〇駅のホーム
伴平信「人をのせた細長い鉄の車が、巨大な街の中を走って行くのを見ました」

〇空港の滑走路
伴平信「鋼の鳥が、人を乗せて空を飛ぶのをみました」

〇宇宙戦艦の甲板
伴平信「星の海を駈ける巨大な船の群れを見ました」

〇カラフルな宇宙空間
伴平信「そして、天界の空に繰り広げられる神々の激しき最後の戦いを見ました」

〇花模様
伴平信「その戦いのすえに地上に永遠の神の国が現れるのを、私は見ました」

〇河川敷
伴平信「気が付けば、私はもとのお堂の中にいて、摩利安尼の前に立っておるのでした」
伴平信「すべては一瞬のゆめであったかのように思われました」
摩利安尼「『《越歴機(えれき)》の夢はいかがでございましたか』」
摩利安尼「『これで《でうす》の奇跡というものを信じていただけましたでしょうか』」
伴平信「摩利安尼は薄い色の目で私を見ておりました。 その表情はまことに慈しみ深き摩利観音のようでございました」
摩利安尼「『《でうす》は見通し、《でうす》は救い給います。あめん』」
伴平信「『あめん・・・・・・』」
伴平信「私は知らず涙しておりました」
伴平信「膝をつき、輝ける聖母子像に手をあわせました」
伴平信「私は、たしかに神の奇跡というのを目の当たりにしたのでございました」

次のエピソード:月光の君 第3章

成分キーワード

ページTOPへ