〇田舎駅のロータリー

〇シックな玄関
レラ「ただいま〜!! ウラナイ姉ちゃん連れてきたよ〜!!」
ホロ「えっ、本当〜？今日は神社に 篭もりっきりのハズじゃあ・・・」
ホロ「オモテちゃ──」
ホロ「ﾝん??!」
ホロ（な〜〜んか・・・違うような・・・ どこかで見たことあるような・・・）

〇テレビスタジオ
ノストラダムス君「今日も元気に、反逆（ﾄﾊﾞ）していけッ!!」
　　ラビッツ!!🤙

〇シックな玄関
ホロ「ウボァァァアアァァァ!!? ミコっちィィイイ????」
レラ「えぇえ〜!?ホロ姉大丈夫!? 何が起きたの!!??」

〇シックなリビング
レラ「ホロ姉、久々にちゃんとした服着てるね （母国語）」
ホロ「・・・後で覚えてな？ （母国語）」
心内 ミコト(うらない みこと)（英語じゃない・・・何語だろ・・・？）
心内 ミコト(うらない みこと)「あ、あの・・・」
ホロ「あっ！『ラビッツ!!』毎朝見てます！」
ホロ「ミコっちレギュラーの月曜日も 欠かさず見てます!!応援してます!!」
心内 ミコト(うらない みこと)「あらら〜嬉しいっ！ありがとう！ 女子から声援貰うのやっぱり良いなぁ」
ホロ「あっ、一緒の番組に出てる ノストラダムス君ってどんな方なんですか？」
　　!?
ホロ「好きな物とか趣味とか分かれば、ファンレターとか差し入れで有利な応援出来るかなって思って──（早口）」
心内 ミコト(うらない みこと)「・・・・・・・・・あ〜 確か『サラダチキン』常備してたかな？」
ホロ「本気（ﾏｼﾞ）すか〜〜!? 趣味が合う〜！今度から送らなきゃ〜!!」
ホロ「ありがとうミコっち！ これで更なる”””高み”””に上がれそう!!」
ホロ「ワタシ、今日のことずっと忘れないから！」
心内 ミコト(うらない みこと)「・・・・・・・・・・・・それは良かった」
レラ（芸能人（ミコっち）目の前にしてこの啖呵。 ・・・改めて末恐ろしい姉だなぁ）

〇川沿いの原っぱ
　　気分を変えて
　　人気のない河川敷に出た
心内 ミコト(うらない みこと)（・・・・・・ここ、懐かしいなぁ）
レラ「・・・・・・あの どうしてこの町に来てるんですか？」
ホロ「あっ、そういえば昨日のニュースで 長期休養入るって・・・」
心内 ミコト(うらない みこと)「・・・」
心内 ミコト(うらない みこと)（まぁ、この町に住んでる以上 いずれ分かる事か・・・）
心内 ミコト(うらない みこと)「ウチ、この町出身なのよ 心内神社の心内オモテ、知ってるでしょ？」
心内 ミコト(うらない みこと)「大体察しがついてると思うけど、 ウチは双子の妹なのよ」
ホロ（テレビ見てても、似てるなぁ〜って くらいにしか思ってなかった・・・！）
レラ（普段、ウラナイ姉ちゃんは 髪の色違うしカラコン入れてるから・・・）
ホロ（2人ともがっつりメイクしてるから 分からなかったけど・・・）
レラ（よく見ればしっかり双子・・・！）
心内 ミコト(うらない みこと)「休養の理由は 表向きには体調不良だけど・・・」
心内 ミコト(うらない みこと)「何だか”燃え尽き症候群”というか・・・」
心内 ミコト(うらない みこと)「アイドル続ける事に 疲れちゃったというか・・・」
「!!」
ホロ（あんなに人気なのに・・・）
レラ「・・・お仕事、そんなに辛いの？」
心内 ミコト(うらない みこと)（・・・子供の前でする話じゃ無かったわ 本当にアイドル失格じゃない、ウチ）
心内 ミコト(うらない みこと)「練習は大変だけど、やりがいのある仕事よ！ 良い仲間にも巡り会えたし！」
心内 ミコト(うらない みこと)「でも、お仕事頑張ってく度に ──────時々思うの」
心内 ミコト(うらない みこと)「ウチは『アイドル』じゃなきゃ ダメだったのかなって・・・」
心内 ミコト(うらない みこと)「ウチの『人生の道』って 『アイドルだけ』だったのかなって・・・」
ホロ「・・・」
ホロ「気晴らし程度に考えて欲しいんですが ワタシ、占ってあげましょうか？」
心内 ミコト(うらない みこと)「────えっ？」
ホロ「いま、星占いの勉強してて・・・ （講師：心内オモテ）」
ホロ「悩みの解決までいかなくてもいいので」
ホロ「心の中を整理するお手伝い、 ────してもいいですか？」
ホロ「ノストラダムス君の事教えて貰って、 そのお礼って事で・・・」
心内 ミコト(うらない みこと)「・・・・・・」
心内 ミコト(うらない みこと)「──『占い』、ね」
心内 ミコト(うらない みこと)「それじゃあ、お願いしようかしら？」
心内 ミコト(うらない みこと)（────ああ、なんだか・・・）

〇空
　　『帰ってきた』って、感じがするなぁ

〇神社の本殿

〇星座
ホロ「それじゃあまず『ホロスコープ』を作ります」
ホロ「オモテちゃん越しに 生年月日と出生場所は分かるから・・・」
ホロ「双子同士『出生時間の差』とか 分かったりしますか？」
心内 ミコト(うらない みこと)「う〜ん、確か『８分遅れ』だった気がする」
心内 ミコト(うらない みこと)「この手の話、奴から耳にタコ出来るくらい 聞かされたから、多分本当よ・・・」
ホロ（あぁ・・・ 理解（ﾜｶ）る気がする・・・）
レラ（むかし、こういう占いに 散々付き合わされたんだろうなぁ・・・）
ホロ「今はネットで簡単に 『ホロスコープ』出す時代なの！」
ホロ「今回は『自分を見つめ直す』事が目的なので 『出生図』そのままで星見していきますね！」
心内 ミコト(うらない みこと)「お願いします（ぺこり）」
ホロ「う〜〜んとね・・・・・・・・・・・・」
ホロ（『太陽星座』が『双子座』で 『月星座』が『水瓶座』かぁ・・・）
ホロ（『11ハウス』に太陽含む天体３つ 太陽に『アスペクト』で近いのが木星で）
ホロ（・・・）
　　『占星術』は専門用語がとても多いので
　　
　　なるべく読者様にも分かりやすいよう
　　
　　お話を進めていきます。
ホロ「まず人生の方向性を示す 『太陽星座』の『双子座』からの印象と」
ホロ「内なる欲求をみる 『月星座』の『水瓶座』からの印象」
ホロ「『色んな世界を見てみたい』」
心内 ミコト(うらない みこと)「!」
ホロ「『殻に籠もらない型破り』 『古い慣習より新しいもの好き』」
心内 ミコト(うらない みこと)「!!!!」
ホロ「『双子座』と『水瓶座』の 暗示を合わせた解釈になります・・・」
心内 ミコト(うらない みこと)（・・・・・・）
ホロ（・・・この反応、 『当たってる』とみて良いのかな？）
ホロ「・・・それじゃあ次は 『ハウス』と『天体』について」
ホロ「全部語ると果てしない量になるから 要点だけ伝えますね」
ホロ「ミコっちの『星の位置』を見ると 『他者･社会との関わり』に特化してます」
ホロ「多分、『アイドルは天職』 ってくらい偏ってます・・・」
ホロ「反面、『個人的な発達』関する暗示は 少なめな感じ・・・」
心内 ミコト(うらない みこと)「・・・・・・それは、」
心内 ミコト(うらない みこと)「『独りでは何も出来ない人生』 ・・・って感じなのかな？」
ホロ「──────いえ、恐らくだけど」
ホロ「『本当の自分を見つける為に、」
ホロ「たくさんの人と関わっていく人生』 ・・・なのかな」
心内 ミコト(うらない みこと)「・・・！」
心内 ミコト(うらない みこと)「・・・ありがとう」
心内 ミコト(うらない みこと)「素敵な言葉・・・ 少し元気・・・でたよ」

〇川沿いの原っぱ
心内 ミコト(うらない みこと)「『アイドルにこだわってた理由』は 結局、思い浮かばなかった・・・」
心内 ミコト(うらない みこと)「喉元まで来てる感じするのに・・・ 出てこなくて、ごめんね？」
ホロ「占いってどうしても結果は 抽象的になっちゃいますから・・・」
「『本当の自分を知るために たくさんの人と関わっていく人生』」
レラ「それなら、まずイチバンに 会わなきゃいけない人がいるよ？」
レラ「『ウラナイ姉ちゃん』に」
「!!」
レラ「故郷に戻ってきたら、 まずは家に帰らなきゃ」
レラ「『会いたいのに会えない』と、 『会えるのに会わない』は違うけど、」
レラ「『会えるのに会わない』のは、 きっと後悔しちゃうかも」
心内 ミコト(うらない みこと)「・・・・・・・・・」
ホロ（オモテちゃんから「妹いる」なんて話、 聞いた事無かったから察してたけど・・・）
ホロ（レラの言い分も分からなくはない・・・ ん〜〜〜〜〜〜・・・・・・）
ホロ（・・・）
ホロ「レラ、決めるのはミコっちだよ」
ホロ「これは私たちが決めることじゃないよ」
ホロ「ミコっちの『幸せ』を思うなら、 ミコっちのしたい事を尊重しなきゃ」
ホロ「他人に選んでもらった選択肢で 『幸せ』を掴んだとしても、」
ホロ「『自分で選ばなかった後悔』を 心に残して欲しくないから・・・」

〇飛行機の座席
　　ウチ、『どこに帰れば良いのかな』・・・

〇空
　　『帰ってきた』って、感じがするなぁ

〇川沿いの原っぱ
　　────ああ、いま、気づいた。
　　ウチの、本当の気持ちは・・・

〇川沿いの原っぱ
「行っちゃったね」
「・・・上手くいくと良いね」
「・・・・・・ねぇねぇ、ホロ姉」
「?」
「『帰る故郷』があるのって ・・・羨ましいね」
「アタシ達もいつか、国に帰れるかな？」
「うん、絶対帰れるよ。 ──────それにさ、」
「この町はもう『第２の故郷』だから、 寂しくなんかないでしょ？」
「・・・！あははっ！ 上手い喩え〜!!」

〇川沿いの原っぱ
「・・・・・・」
「それでも、やっぱり」
「『帰る故郷』のある、ミコっちは」
「──────羨ましいなぁ」
「・・・ホロ姉？」

〇神社の石段
心内 ミコト(うらない みこと)「あ〜あ、とは言ったものの・・・」
心内 ミコト(うらない みこと)「今さらどの面下げて 顔合わせればいいのかね・・・」
「──────────────────」
「────────やっぱり、」

〇神社の石段

〇空
　　本日、５月13日は
　　
　　『メイ･ストーム･デー』
　　
　　”お別れを伝える為の記念日”
　　このお話を読んでくれているあなたへ向けて
　　とある『素敵な言葉』を送りたい。
心内 オモテ(うらない おもて)「・・・・・・──────」
　　『花に嵐のたとえもあるさ、
心内 オモテ(うらない おもて)「『おかえり』」
　　さよならだけが人生だ』