異世界での会話に備える(脚本)
〇森の中の小屋
瀬界ヒロシ「ここはどこだ? オレはダンプに轢かれたはずじゃ?」
異世界の女性「きゃっ! 貴方どこから現れたの!?」
瀬界ヒロシ「オレ、どうしてここにいるのか 思い出せないんだ・・・」
異世界の女性「それは大変ね 変わった格好だけど異国の人かしら?」
瀬界ヒロシ「オレは日本っていう国に住んでるんだ」
異世界の女性「ニホン? 聞いたことがないわね」
???「おーい ヒロシー」
〇教室
伊勢ワタル「せっかくの昼寝中にすまんな 話があるんだ」
瀬界ヒロシ「久々に異世界の夢を見てたのに」
伊勢ワタル「悪かったな でも異世界に関係ある話なんだ」
瀬界ヒロシ「また変な特訓か?」
伊勢ワタル「どれも少しは役には立ってるだろ?」
瀬界ヒロシ「あんまり役には立ってないような・・・」
伊勢ワタル「今度のはもっとお手軽だし 転生出来なくても役に立つ」
瀬界ヒロシ「何すんの?」
伊勢ワタル「語学の勉強をしてもらう」
瀬界ヒロシ「はあ?」
伊勢ワタル「お前、夢の中で会話はしてたか?」
瀬界ヒロシ「おう」
伊勢ワタル「何で異世界人と会話が成立してるんだ?」
瀬界ヒロシ「それは・・・・・・」
伊勢ワタル「フィクションだと 都合のいい設定があるけどなあ」
伊勢ワタル「いきなり言葉の通じないところに行ったら 普通は苦労するよな?」
瀬界ヒロシ「でも異世界語なんて 習えるところはないだろう?」
伊勢ワタル「そりゃそうだ」
伊勢ワタル「だから 「知らない言語を習得する」ことを 練習してもらう」
瀬界ヒロシ「何をするんだ?」
伊勢ワタル「とりあえずフランス語でも習ってもらおうか」
瀬界ヒロシ「フランス語なんて全然わかんねえぞ?」
伊勢ワタル「だからいいんだよ」
伊勢ワタル「ついでだから数学、物理、化学、生物、 古文、世界史も勉強してもらう」
瀬界ヒロシ「俺、勉強しなくていいように 異世界に行きたいんだけど?」
伊勢ワタル「いいか? 異世界に行くために勉強するのは コスパがいいんだ」
瀬界ヒロシ「ん?意味が分からん」
伊勢ワタル「日本で猛勉強したとしても せいぜい有名大学に行って 有名企業に勤める程度が関の山だ」
伊勢ワタル「でも文明の水準が低い世界で 現代日本の知識を持ってれば 世界的な英雄にだってなれるぞ?」
瀬界ヒロシ「地球より進んだ文明の異世界だったら?」
伊勢ワタル「・・・・・・」
伊勢ワタル「まあその時はその時だ」
瀬界ヒロシ「いい加減だなー」
伊勢ワタル「お前にとっても悪くないだろう カリスマ講師の動画が見放題だから 頑張ってくれ」
〇配信部屋
伊勢ワタル「どーもー ワタルでーっす」
伊勢ワタル「みなさんお馴染みのヒロシ君 今度はお勉強をしてもらいます」
瀬界ヒロシ「ぼん そわーる」
瀬界ヒロシ「じゅまぺーる ヒロシ」
伊勢ワタル「ヒロシ君には異世界に行ったとき 言葉で困らないように」
伊勢ワタル「外国語の勉強の練習をしてもらいます」
伊勢ワタル「ヒロシ君は普段からなるべく 外国語で喋るように心掛けてください」
〇学食
瀬界ヒロシ(食欲ないんだよな・・・ かけうどんでいいか)
瀬界ヒロシ(えーと、かけうどん1つって なんて言うんだっけ・・・)
瀬界ヒロシ「あん かけうどん しるぶぷれ」
学食のおばちゃん「あいよ!」
瀬界ヒロシ(おお!? おばちゃんフランス語分かるのか?)
学食のおばちゃん「はい あん掛けうどんの汁抜きね」
瀬界ヒロシ(通じてなかった・・・)
伊勢ワタル「よお、ヒロシ 何食ってんだ?」
瀬界ヒロシ「フランス・・・料理?」
伊勢ワタル「はあ?」
伊勢ワタル「見せたいものがあるんだ 食ったら掲示板を見に行こう」
〇学校の廊下
「ほら、科目別の順位を見てみろ」
「お前が校内1位になってるぞ」
瀬界ヒロシ「マジで?」
瀬界ヒロシ「って フランス語受けてるのオレだけじゃん」
〇学校の廊下
茂武ギャル子「ユキのお隣さん 1番になってるじゃん」
阿野世ユキ「本当だ・・・って 一人だけだし何でフランス語?」
茂武ギャル子「伊勢の動画でやってたけど 異世界に行くためにフランス語を勉強してるんだって」
阿野世ユキ「はあ? 異世界ってフランスのことだったの?」
茂武ギャル子「アイツ最近 変な東北弁でブツブツ喋ってたけど」
茂武ギャル子「実はフランス語だったとか 超ウケる〜」
阿野世ユキ「前にも自衛隊の試験受けてたらしいけど」
阿野世ユキ「フランス外人部隊にでも入るつもりかしら?」
〇学校の廊下
担任「瀬界、ちょっといいか?」
瀬界ヒロシ「え、はい」
〇散らかった職員室
担任「聞きたいことはいくつかあるんだが・・・」
担任「全体的に成績が上がってるようだな 何があったんだ?」
瀬界ヒロシ「えー・・・ワタル・・・ 伊勢君のすすめで勉強するようになりまして」
担任「伊勢はいつも学年トップだが ちょっと変わったやつだと思っていた」
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