警部 神爪強の事件ファイル

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CASE7(エピソード3−④)詐欺グループの罠……警視庁に届く犯行声明(結)(脚本)

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〇大会議室
神爪強「会議室──!?」
伊藤恵里「この大会議室のどこかに爆弾が仕掛けられてるってこと──!?」
光嶋紘一「でもどうやってここに仕掛けたんでしょうね・・・・・・外部の人間には無理ですよ」
神爪強「えっ?」
伊藤恵里「まさか・・・・・・」
光嶋紘一「そうですよ。やっと気づいたんですね・・・・・・」
光嶋紘一「僕こそが爆弾魔の正体ですよ──」
光嶋紘一「このスイッチを押せば爆発します」
神爪強「光嶋・・・・・・やめろ・・・・・・」
光嶋紘一「やめませんよ。止めても無駄」
神爪強「浦井源一や北原、末木さん、鷺沢を殺したのもお前か──!?」
光嶋紘一「違いますよ。浦井源一や北原を殺したのは僕じゃない」
光嶋紘一「末木と鷺沢は・・・・・・」
神爪強「・・・・・・!!!!」
神爪強「弥生子さんを階段から突き落としたのもお前か?」
光嶋紘一「さすが神爪さん。やりますね」
神爪強「伊藤、光嶋を緊急逮捕だ──」
光嶋紘一「僕を逮捕できますかねー」
大木真菜「神爪さんお茶を・・・・・・」
  光嶋は真菜を人質にとった──
大木真菜「キャーッ」
佐原純「神爪さん、末木さんの・・・・・・ ひ、光嶋さんに大木さん──!?」
光嶋紘一「交通課のこいつがどうなっても知りませんよ──!?」
佐原純「大木さん──!!」
大木真菜「私は交通課。でも警察学校は出ているわ。 だから──やめなさい」
光嶋紘一「う、うるさい!爆発させるぞ!」
  大木は光嶋を投げ飛ばした──
光嶋紘一「・・・・・・!!」
神爪強「大木!!」
大木真菜「神爪さん私は大丈夫です」
光嶋紘一「・・・・・・」
神爪強「光嶋・・・・・・動機は5年前の事件か?」
神爪強「科捜研の家相に聞いて、もう1度調べてみた。そうしたらその事件で殉職した刑事は光嶋章」
神爪強「君のお父さんだろ?」
光嶋紘一「その通りさ。5年前の事件で父は死んだ・・・・・・。犯人と警察のせいで──」
光嶋紘一「その犯人こそが江島勇斗と鷺沢だったのさ」
光嶋紘一「当時、親父と一緒に捜査していた刑事は犯人グループとグルだったってことがあとから知った」
光嶋紘一「江島勇斗と鷺沢が犯人だってことは、あとから調べて知ったんだ。江島には婚約者がいた。あいつに大切な人を失った悲しみを」
光嶋紘一「味わせてやりたかった」
神爪強「それで婚約者の何の関係もない末木さんを殺したのか?」
光嶋紘一「そうさ・・・・・・だから僕はもう・・・・・・」
  神爪の前に白い煙が出てきて、目の前の 光嶋はもういなかった──

〇高い屋上
神爪強「やめるんだ・・・・・・」
光嶋紘一「止めるな・・・・・・罪は死んで償うよ。 親父、すぐ行くから──」
神爪強「君の親父さんはそんなことを望んでいない──!!」
光嶋紘一「あなたに何がわかるんですか──!!」
  光嶋は屋上から飛び降りてしまった──

〇大学病院

〇病院の待合室
神爪強「・・・・・・」
神爪強「俺も両親を事件で亡くした──」
神爪強「だから光嶋の気持ちも少し分かる。復讐したい気持ちも・・・・・・でも、俺はそういう悪い奴らを少しでも減らしたい。だから」
神爪強「刑事になった」
伊藤恵里「そうだったんですね・・・・・・」
医師「刑事さん、手術は成功しました。 まだ意識は戻りませんが、命に別条はありません」

〇綺麗な会議室
  数週間後、光嶋は退院できるまでに回復し、逮捕された──
  そして浦井源一を殺害したのは北原(二瀬)だったことが分かり、被疑者死亡で処理された。
  二瀬は浦井源一を騙し、金を奪ったが
  詐欺であることがバレ、殺害したという。

〇綺麗な会議室
神爪強「浦井晴恵を殺したのはあんただったんだな・・・・・・」
神爪強「江島勇斗!」
伊藤恵里「浦井晴恵が殺害されたあの駐車場の防犯カメラにあなたの姿が映っていました──」
江島勇斗「何を言い出すんだ・・・・・・」
神爪強「浦井晴恵は5年前のあの事件を調べていた。そのことであんたと接触し揉めた末に殺したんだな?」
伊藤恵里「あなたは浦井晴恵の兄・浦井源一とも顔見知りだった。だから浦井源一の指紋付きの ナイフで殺したのね?」
江島勇斗「そんなのどこに証拠があるんだよ!」
神爪強「あんたがつけてるそのネックレス。欠けているな?」
伊藤恵里「現場から見つかったガラスの欠片のようなもの、科捜研で鑑定してもらった結果 そのネックレスの材質のようね」
江島勇斗「こんなもの大量に誰でもつけてるじゃないか!」
伊藤恵里「その欠片からわずかだけど身元不明の指紋が出たの。あなたのものと照合してみる?」
江島勇斗「・・・・・・」
神爪強「あと、調べれば5年前のあの事件もあんたと鷺沢が起こしたことがわかる」
江島勇斗「・・・・・・」

〇警察署のロビー
大木真菜「私、生活安全課に異動になるの」
佐原純「そうなんだ。おめでとう」
大木真菜「あのとき、心配してくれた?」
佐原純「あのとき・・・・・・あぁうん」
大木真菜「ありがとう」

〇高い屋上
神爪強「複雑な事件だった」
伊藤恵里「まさか光嶋さんが爆弾魔だったなんて・・・・・・」
神爪強「光嶋は昔から知っていた・・・・・・」
伊藤恵里「刑事部長が会見を開くそうよ・・・・・・ 捜査二課の刑事が犯人だったから責任をとって辞職すると・・・・・・」
神爪強「そうか・・・・・・」
神爪強「私も・・・・・・」
伊藤恵里「神爪さん・・・・・・」
  つづく──

次のエピソード:CASE8(エピソード4)運命を変える激辛カレー(前編)

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