CASE8(エピソード4)運命を変える激辛カレー(前編)(脚本)
〇店の入口
カレー店 「カライ」
〇テーブル席
〇豪華な部屋
1週間前
神爪強「刑事部長、責任は私が・・・・・・!!」
富川長夫「いいんだ。神爪くん。前の刑事部長は君に残ってほしいという意向だそうだ」
神爪強「・・・・・・」
富川長夫「これからもよろしく頼むよ。神爪くん」
神爪強「はい!!」
伊藤恵里「失礼します」
伊藤恵里「神爪さん、カレー店で女性のご遺体が発見されました」
神爪強「わかった。刑事部長、失礼します」
〇テーブル席
伊藤恵里「被害者は唐井花麗(かれい)さん34歳。 ここのカレー店のオーナーです。 死因は後頭部を強打したことによる脳挫傷」
伊藤恵里「死因は昨日の深夜0時から1時の間」
伊藤恵里「第一発見者はここ、「カライ」で働く従業員の尼原隆史さんです」
神爪強「尼原さん、発見時の状況は?」
尼原隆史「はい。私はいつも朝9時にここへ来るんです。でも昨日は唐井さんから新作カレーの味見をしてほしいから8時に来てほしいと言われ」
尼原隆史「少し早めに来たんです。そのときにはもう・・・・・・」
神爪強「ちなみに昨日の深夜1時頃はどちらへ?」
尼原隆史「当然、家で寝てました。証明する人はいません」
神爪強「そうですか・・・・・・あと、唐井さんが恨まれたり揉めていたり心当たりは?」
尼原隆史「ないですねぇ」
神爪強「そうですか。ありがとうございました」
神爪強「アリバイはなしか・・・・・・」
伊藤恵里「神爪さん、被害者の服にシミが」
神爪強「ホントだな」
家相健「あれ?おかしいなぁ。被害者は服をクリーニングに出したところなのに。現場にこんなものが」
神爪強「栗野クリーニング店・・・・・・」
伊藤恵里「レシートを見てもこの服と一致するわね」
神爪強「被害者はクリーニングしたての服にカレーのシミをつけてしまったということか!?」
伊藤恵里「栗野クリーニング店で話を聞いてきます」
〇アパレルショップ
栗野クリーニング店──
伊藤恵里「警視庁の伊藤です」
栗野蓮子「刑事さん・・・・・・!?何の御用ですか」
伊藤恵里「今日、唐井花麗さんがご遺体で発見されました」
栗野蓮子「えっ──!?」
伊藤恵里「唐井さんは昨日のお昼頃、ここにクリーニングに来ましたよね?」
栗野蓮子「えぇ。元気そうだったのに・・・・・・」
伊藤恵里「唐井さんとは親しかったのでしょうか?」
栗野蓮子「唐井さんの作るカレーはほどよい辛味が美味しくて、よくお店に行っていました」
伊藤恵里「唐井さんが恨まれたり、誰かと揉めていたり、心当たりは?」
栗野蓮子「ないですねぇ・・・・・・」
伊藤恵里「ちなみにあなたは昨日の深夜1時頃どちらに?」
栗野蓮子「ここのクリーニングは深夜まで営業しているのでこのお店に」
伊藤恵里「それを証明できる人は?」
栗野蓮子「いません」
伊藤恵里「そうですか。ありがとうございました」
〇大会議室
佐原純「科捜研からの報告で、被害者の衣服と近くの公園に捨てられていた凶器から、前歴のない指紋が検出されたそうです」
神爪強「そうか・・・・・・。引き続き捜査を続けろ。俺はちょっと調べたいことがあってな」
〇テーブル席
神爪強「尼原さん、唐井さんがつくっていた新作のカレーとは一体何だったんでしょう」
尼原隆史「あっそれなら、」
尼原隆史「ここに書いてました」
神爪強「失礼・・・・・・辛さ5倍の激辛カレー・・・・・・」
尼原隆史「唐井さんは激辛カレーを作っていたみたいですね」
神爪強「ありがとうございました」
〇応接室
浮堂雅夫「・・・・・・」
つづく──