人の作品パクったらコンテスト受賞したニートの話

りるか

どうせバレないでしょ(脚本)

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りるか

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〇SNSの画面
真守「えっ、マジで予選通過してる!?」
真守「人の作品パクっただけなのに余裕すぎでしょwww」

〇オタクの部屋
  遡ること1ヶ月前
「真守!いい加減に働きなさい!! あんた何年無職やってんの!?」
真守「うるせーババア!まだ1年だろうが!!」
「来月までに働かないなら、無理矢理にでも追い出すからね!!」
真守「ちっ」
真守(仕事でクビきられて引きこもり生活してたけど、そろそろ限界かー?)
真守(でも働きたくねーなー。 印税で楽して暮らして〜)
真守(だって、真面目でいい奴ほど、この世では苦労する仕組みじゃん)
真守(虐めた側は虐めたことすら忘れて平凡に生きて)
真守(虐められた側はその傷を抱えて生きてる様な世の中だ)
真守(結局、この世はクズが1番強いんだよ。 じゃなきゃあいつだって──)
真守「あー。ムシャクシャするし、 気晴らしに動画でも見るか」
真守「ん?」

〇幻想
CMキャラ「現在トップノベルでは コンテスト開催中!」
CMキャラ「大賞作品には【賞金100万円】と【商業デビュー確約】!」
CMキャラ「予選通過作の中からも、 小説家デビュー出来るかも!?」
CMキャラ「お気軽にご参加下さい!」

〇オタクの部屋
真守「小説のコンテスト・・・? 優勝したら100万円と商業デビュー?」
真守「それってつまり・・・」
真守「今の俺にぴったりの内容じゃん!?」
真守「しかも予選通過するだけでもチャンスはあるんだよな?楽勝じゃん」
真守「小説はラノベとか読んだことあるし、何とかなるっしょ」
真守「これでもしデビューも決まれば仕事も決まるし金も入るし最高かよ!」
真守「やってやる、俺は【そっち側】に行ってみせるぜ」

〇黒
  Mission1 小説を完成させろ

〇オタクの部屋

〇オタクの部屋

〇オタクの部屋
真守「って、言ったはいいものの」
真守「何も思いつかねー」
真守「そりゃそうか。ど素人が小説を一から作るって方が無理なんだわ」
真守「そもそも文章書くのも難しいんだよな。 「だった」「思った」ばっか使っちまうわ」
真守「見本に何かいい感じの小説ねーかな」
真守「・・・なんだこれ」
真守「『※これは立派な表紙詐欺です。中身は自分の目で確かめて下さい。』」
真守「どういうことだ??」
真守「とりあえず読んでみるか」

〇荒廃した教室
犯子「一体誰が・・・こんなこと・・・」
藻部男「モルモットの仕業だ」
「モルモット?」
藻部男「最近、モルモットが魔力を付けて人間に復讐していると聞いた」
容実「──違うんです!ごめんなさい。実は私がやりました」
犯子「えっ、あなたも!?実は私もよ」
藻部男「えっ!?嘘っ!?実はあんなこと言ったけど俺もだよ!?」

〇オタクの部屋
真守「──何だよこれ。話はめちゃくちゃなのに、何故だか目が離せない」
真守「この後どうなるんだって、つい手が進んじまう」
真守「実は表紙も伏線になっていたなんて・・・」
真守「一言でいうと、【面白い】」
真守「こういう斬新さがあったり物語が上手い奴がコンテストに選ばれるんだろうな」
真守「閲覧数20人。アップした日は約2ヶ月前」
真守「フォロワー数2人。いいね数1。 つまりほぼ無名」
真守「──パクるか」
真守「有名漫画からパクるんじゃない」
真守「たった20人の目にしか触れてない作品からパクるんだ」
真守「内容をイジったら誰にも気付かれないだろ。俺は勝ちたいんだよ」
真守「勝って、【そっち側】の人間になるには、これ位しないと」

〇オタクの部屋
真守「よっしゃー!!出来たできた!」
真守「モルモットはハムスターにしたし、登場人物の名前も変えて、性別も反転させた」
真守「ここまで中身変えたら、その20人に見られてもそう簡単にバレないだろ」
真守「罪悪感なんて、抱いたら負けなんだ」

〇黒
  mission1 小説を完成させろ クリア
  Mission 2 完成した小説を応募しろ

〇オタクの部屋
真守「あとはこれを応募するだけで終わるとか余裕すぎ」
真守「えーっと、なになに? 応募にあたっての規約?著作権?」
真守「こんなのちゃんと読んでる奴なんていんのか?適当にチェックするか」
真守「個人情報入力して、ファイル添付して、チェック入れて・・・と」
真守「よっし、完了!!」
真守「あとは予選通過の結果発表を待つだけだな」
真守「いやー。小説って1日で出来るもんなんだな!」
真守「まぁ俺は9割型パクっただけだけど」
真守「達成感って、こんな感情だったっけ・・・?」
真守「──ま、いっか!後はなるようになるだろ!!」

〇黒
  Mission 2 完成した小説を応募しろ クリア
  Mission 3 ───────しろ

〇オタクの部屋
真守「はーっ!無職の状態で呑むビール最高!!」
真守「仕事しないで食う飯は美味いかとかいう奴居るけど、」
真守「むしろちゃんと味して美味いっつの」
真守「あの小説がもしダメだったら、 その時はネットカフェで適当に過ごすか」
真守「そんでまた誰かの良さげな小説パクって」
真守「それで・・・また応募して・・・」
真守「ん?」
真守「新着メール?誰からだ?」
真守「えーっと、なになに・・・」

〇SNSの画面
CMキャラ「この度はトップノベル小説コンテストへご応募頂き有難う御座いました」
CMキャラ「厳正なる審査の結果、貴殿の作品が予選を通過致しましたことをご報告申し上げます」
CMキャラ「つきましては以下の内容を──」

〇オタクの部屋
真守「・・・」
真守「──って、えっ!? マジで予選通過してる!?」
真守「見間違いじゃねーよな? 名前も俺の名前だし」
真守「あはははははっ!!!!!!人の作品パクっただけなのに余裕すぎでしょwww」
真守「落ちた奴らは1から真剣に作って落ちたのに、俺はパクって1日で通るとか」
真守「ほらな。やっぱ・・正直者は馬鹿を見るんだわ」
真守「このまま小説家デビューして、印税生活まっしぐらだったり!?」
真守「そんな未来があると思うと少しだけ明日が楽しみだわ」
真守「──もう、後戻りはできない」
真守「それなら、やることは一つ」

〇黒
  Mission3 嘘を貫き誰にもバレないようにしろ

次のエピソード:炎上なんて対策したらどうにでもなる

コメント

  • 作品を読んでいて思い出しました。昔、ネットで『盗作はいけないですよね』とユーザーとやり取りしていたら、『思いつかないんだから、しょうがないじゃないですか!』と匿名の横入りの書き込みがありました。盗作する人の心の動きがリアルですね。気軽に盗作した主人公。あとが怖いですね💦ハラハラドキドキな作品を書いてくださり、ありがとうございます!続きが楽しみです!

  • 同人界隈でも決して他人事ではない、ちょっと怖いお話でドキドキしながら読み進めてしましました!今後の展開に目が離せません!

  • こりゃすごい。これは面白い。続きが気になるぅ

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