華学戦隊サイエンジャー

叶野遥

第二話:集え、この名のもとに(脚本)

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叶野遥

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〇研究所の中
  葉隠自然研究所
赤根武瑠(タケル)「・・・・・・・・・」
葉隠拓郎(ハガクレ)「ハナ、ちょっと落ち着きなさい」
葉隠拓郎(ハガクレ)「さっき初めて変身したところなんだろう? 彼も何が何だかわかっていないと思うよ」
赤根武瑠(タケル)「は、はい。説明が欲しいです!」
こいぬ「わん!」
櫻井華(ハナ)「・・・・・・・・・叔父様がそう言うなら」
櫻井華(ハナ)「ワンちゃんもね」
赤根武瑠(タケル)(ホッ)
赤根武瑠(タケル)「ナイスフォロー わんこ!」
櫻井華(ハナ)「それで?何が聞きたいの」
葉隠拓郎(ハガクレ)「まずは自己紹介からじゃないかな。 円滑な人間関係はまず名乗ることから だ」
葉隠拓郎(ハガクレ)「まずは僕から行こう」
葉隠拓郎(ハガクレ)「僕の名前は葉隠拓郎 (ハガクレ・タクロウ) この自然研究所の所長で・・・ まぁ、彼らの司令官ってところかな」
赤根武瑠(タケル)「ハガクレ所長ですか」
葉隠拓郎(ハガクレ)「普通の呼び方でいいよ」
倉石 龍太(リュウタ)「俺は倉石龍太 (クライシ・リュウタ) ブラック担当だ」
碧川瑛士(エイジ)「碧川瑛士(ミドリカワ・エイジ)、 ブルーだよ オレが一番下っ端だったから 君が来てくれて大歓迎だなぁ」
赤根武瑠(タケル)「よろしくお願いします 倉石さん、碧川さん」
櫻井華(ハナ)「・・・・・・・・・」
葉隠拓郎(ハガクレ)「ハナ」
櫻井華(ハナ)「・・・櫻井華(サクライ・ハナ) ピンクよ」
赤根武瑠(タケル)「あ・・・ども」
葉隠拓郎(ハガクレ)「ハナ、もっと笑顔でフレンドリーに挨 拶なさい 空気が悪くなるよ」
櫻井華(ハナ)「リュウタだってぶっきらぼうよ」
葉隠拓郎(ハガクレ)「彼はそれでいいだろ フレンドリーに微笑む倉石くんなんて 不気味だし」
碧川瑛士(エイジ)「言えてるぅ」
倉石 龍太(リュウタ)「聞こえてるぞ」
葉隠拓郎(ハガクレ)「赤根くん、ごめんね」
赤根武瑠(タケル)「あ、いいえ別に・・・」
こいぬ「わん!」
櫻井華(ハナ)「そういえばこの子 タケルのペット?」
赤根武瑠(タケル)「あ、いいえ さっき会ったばかりで」
こいぬ「わん!」
櫻井華(ハナ)「そうなの じゃあこれからここの子になる?」
こいぬ「あん!」
葉隠拓郎(ハガクレ)「はは、もう一人増えたな 仲間」
葉隠拓郎(ハガクレ)「それじゃあ挨拶も終わったところで 本題だ どこから聞きたい?」
赤根武瑠(タケル)「あ、えっとそれじゃあ・・・」
赤根武瑠(タケル)「あの敵は何なんですか?」
葉隠拓郎(ハガクレ)「あ、そっちから?」

〇怪しげな祭祀場
  グラウードのアジト
カイゼル「・・・・・・・・・」
レジーナ「帰ったわよ」
イン「おかえりなさいませ」
ヤン「おかえり」
レジーナ「カイゼル様のご様子は?」
ヤン「休んでおられる 完全復活には まだエネルギーが足りないようだ」
レジーナ「そう・・・」
イン「どうぞ お茶です」
レジーナ「ありがとう」
ヤン「今日は吸収できたエネルギーが 少なかったようだが 何があった?」
レジーナ「邪魔者が入ったのよ」
イン「以前から時々現れるという 3人組の戦士ですか」
レジーナ「それが一人増えちゃってね」
ヤン「人間というのは増殖する 生物だったのか」
イン「初耳です」
レジーナ「私の目の前でただの人間が 戦士に変身したのよ おかげで不覚を取ったわ」
イン「ほう、目の前で」
ヤン「超獣使いの姫よ ちょっと気合が足りぬのではないか カイゼル様ご復活が遠のくばかりだ」
イン「ヤン」
レジーナ「私が悪いというの?」
ヤン「たかだか人間の戦士ごときに やられるような超獣しか 操れないのは問題ではないのか」
イン「ヤン、姫に無礼であるぞ」
レジーナ「私のモンスターに問題はないわ! あいつらが厄介なだけよ」
レジーナ「大体、あんなのが現れることが おかしいのよ」
レジーナ「地球の生き物は弱くて数が多いから 餌場にはもってこいだって、 あなたがいったんじゃない」
ヤン「ふん、わたしの調査に間違いはない」
レジーナ「じゃあどうしてあんな邪魔が入るのよ」
ヤン「知らぬ」
イン「二人とも、落ち着いてください」
「・・・・・・・・・」
イン「・・・仕方ないですね・・・ 我々が一度様子を見に行きましょう」
イン「カイゼル様にも ご報告をしてご指示を仰がねば」
ヤン「ふん・・・そうだな すぐに地球を安全な餌場にしてくれよう」
レジーナ「ふん」

〇研究所の中
葉隠拓郎(ハガクレ)「・・・ここまでを要約すると・・・」
葉隠拓郎(ハガクレ)「はい、赤根くん」
赤根武瑠(タケル)「はい!?」
赤根武瑠(タケル)「えーっと・・・ 敵の組織の名前はグラウードで・・・ 生命のエネルギーの吸収が目的っぽい」
葉隠拓郎(ハガクレ)「そう 詳しい敵の目的はよくわからないけど、 とにかく人間や動物、植物の生命エネルギーを狙っているようなんだ」
葉隠拓郎(ハガクレ)「もしこれを吸いつくされてしまえば・・・」
碧川瑛士(エイジ)「ドン!」
赤根武瑠(タケル)「わぁっ!」
碧川瑛士(エイジ)「あはは、いいねその驚きっぷり」
赤根武瑠(タケル)「・・・や、やめてくださいよぉ」
碧川瑛士(エイジ)「あはは、ごめんねぇ あんまりにも真剣だから、つい」
櫻井華(ハナ)「エイジ、あなたはふざけすぎよ」
碧川瑛士(エイジ)「はいはい、失礼しましたぁ」
葉隠拓郎(ハガクレ)「話を戻すと、生命エネルギーを吸いつくされればその命は死を迎える」
葉隠拓郎(ハガクレ)「もし奴らに地球上の生命エネルギー全てを吸い取られたら 地球は死の星になってしまうんだ」
赤根武瑠(タケル)「こわぁ・・・」
葉隠拓郎(ハガクレ)「だろ? だからそんなことにならないように 僕たちが立ち上がったってわけ」
赤根武瑠(タケル)「それが・・・これ?」
葉隠拓郎(ハガクレ)「そう」
赤根武瑠(タケル)「これはなんなんですか?」
葉隠拓郎(ハガクレ)「僕が長年研究を重ねてきた 『命の種』とも言うべきものから 生まれた変身アイテム『戦士の証』だね」
葉隠拓郎(ハガクレ)「これがその『命の種』を芽吹かせる 神秘の木 イシュタリアツリーと僕は名付けてるよ」
赤根武瑠(タケル)「普通の木に見えますが・・・」
葉隠拓郎(ハガクレ)「この木は今までに4度『命の種』を 作り出し世界に放出した その種を受け取ったのが、君たちなんだ」
赤根武瑠(タケル)「なんで俺が・・・」
葉隠拓郎(ハガクレ)「さぁ?それはわからない イシュタリアツリーが 君を選んだんだろうね」
櫻井華(ハナ)「とにかく、私たちは選ばれたの グラウードのモンスターに対抗できる力が あるのは私たちだけ」
櫻井華(ハナ)「地球を守ることができるのは 私たちだけなのよ わかった?」
赤根武瑠(タケル)「な・・・なんとなく・・・」
櫻井華(ハナ)「なんとなく? ここまで丁寧に説明したのに、 なんとなく!?」
倉石 龍太(リュウタ)「説明したのはお前じゃなくて ハガクレサンだがな」
赤根武瑠(タケル)「心配しなくてもやるよ、俺」
葉隠拓郎(ハガクレ)「そうか!やってくれるか」
赤根武瑠(タケル)「将来が見えなくて 凹んでたところだから ちょうどいいや」
碧川瑛士(エイジ)「ほぉ、なかなかに緩い発言」
倉石 龍太(リュウタ)「肝が据わってるというか なんというか」
櫻井華(ハナ)「・・・・・・・・・」
葉隠拓郎(ハガクレ)「どうした、ハナ? 怖い顔して」
櫻井華(ハナ)「どうしてイシュタリアツリーはこんな 人をレッドに選んだのかしら レッドはリーダーの色なのに」
碧川瑛士(エイジ)「そりゃオレたちに レッドが似合わないからっしょ」
櫻井華(ハナ)「リュウタなら似合うじゃないの 正義感も責任感もガタイも、 何もかもがリーダー向きだわ」
倉石 龍太(リュウタ)「いや、俺にリーダーは務まらんぞ」
櫻井華(ハナ)「こんな気の抜けたコーラみたいな 男よりはずっとマシよ」
赤根武瑠(タケル)「酷いなぁ、ハナさん そこまで言わなくても」
櫻井華(ハナ)「名前で呼ばないでよ」
赤根武瑠(タケル)「ハナさん、せっかく美人なのに 怒ってばっかじゃ もったいないんじゃないかな」
櫻井華(ハナ)「!!」
倉石 龍太(リュウタ)「へぇ」
碧川瑛士(エイジ)「おぉ♪」
葉隠拓郎(ハガクレ)「ふふっ」
櫻井華(ハナ)「・・・・・・・・・」
赤根武瑠(タケル)「?」
櫻井華(ハナ)「こっちは真面目に話してるのに! 不真面目よ、あんたは!」

〇研究所の中
  そのとき
  しつないに
  はげしいけいほうおんが
  ひびいた!
  イシュタリアツリーが
  かがやいている!
葉隠拓郎(ハガクレ)「またグラウードが現れたようだ」
赤根武瑠(タケル)「!!」

〇渋谷のスクランブル交差点
  モンスターが
  あばれている!
少女「こわいよー ママァ!」
就活生「誰か助けて!」
モンスター「ギャァウ!!」
イン「さぁ超獣たちよ、 しっかり生命エネルギーを吸い取りなさい」
モンスター「ウガァッ」
  モンスターの
  こうげき!
  エネルギーを
  すいとられた
  ひとびとが
  たおれていく!
ヤン「へぇ、この超獣やるな」
イン「やはり姫の超獣に間違いはないですね」
ヤン「後はその4人組だか5人組か」
櫻井華「そこまでよ!」
イン「!!」
ヤン「来たか」
  タケルたちが
  あらわれた!
倉石 龍太(リュウタ)「? いつもの女と違うな」
イン「あなた達が我々の邪魔をしていると いう4人組ですか」
赤根武瑠(タケル)「まさか敵の幹部って奴・・・?」
ヤン「お手並み拝見といこうか、戦士たち」
碧川瑛士(エイジ)「なんか超迫力・・・」
ヤン「ハッ!」
倉石 龍太(リュウタ)「うわっ!」
碧川瑛士(エイジ)「おっと!」
赤根武瑠(タケル)「倉・・・じゃなかった、 ブラック、ブルー!」
イン「敵は一人じゃありませんよ」
赤根武瑠(タケル)「くっ」
櫻井華(ハナ)「はっ」
  モンスターの
  こうげき!
赤根武瑠(タケル)「うわっ卑怯だぞっ」
イン「私の武器のようなものです」
モンスター「ウガァァァッ」
櫻井華(ハナ)「行け! サクラハリケーン」
モンスター「ギャアアッ」
  モンスターが
  たおれた!
イン「やりますね」
倉石 龍太(リュウタ)「はっ!」
ヤン「筋がいいね いい戦士になれるよ、あんた」
倉石 龍太(リュウタ)「くそっ余裕の顔見せやがって」
碧川瑛士(エイジ)「レベルが違うって感じで悔しいね・・・」
碧川瑛士(エイジ)「でも そう簡単には負けないよ」
ヤン「ふふん、まだまだ」
倉石 龍太(リュウタ)「くっ・・・強い」
  インの
  はげしいこうげき!
赤根武瑠(タケル)「わっ! おっと!」
櫻井華(ハナ)「ちょっとレッド! 逃げ回ってないで戦いなさい!」
赤根武瑠(タケル)「そんなこと言われても どう戦えばいいか・・・!」
赤根武瑠(タケル)「くそっ」
イン「その程度では 我々を倒すことはできませんよ」
ヤン「この程度で苦戦するなど、 姫の実力も底が知れるな」
倉石 龍太(リュウタ)「・・・?」
イン「そろそろ終わりにしましょう」
  インのこうげき!
  ハナは
  むかえうとうと
  かまえる!
  ・・・しかし
櫻井華(ハナ)「あ、足が・・・!」
  あしが
  じめんの
  われめに
  とらわれてしまった!
赤根武瑠(タケル)「ハナさん!」
櫻井華(ハナ)「・・・・・・・・・」
櫻井華(ハナ)(あれ・・・生きてる・・・?)
赤根武瑠(タケル)「・・・・・・・・・」
櫻井華(ハナ)「レ、レッド?」
イン「私の技を受けて・・・耐えた?」
赤根武瑠(タケル)「女の子を真っ先に狙うたぁ 卑怯じゃないか!」
赤根武瑠(タケル)「くらえっ!」
イン「!」
ヤン「な、なんだ!」
倉石 龍太(リュウタ)「レッド・・・!」
碧川瑛士(エイジ)「え、すごいじゃん・・・」
イン「・・・見事な技だ・・・」
ヤン「イン!」
イン「大丈夫です・・・」
ヤン「チッ、今日のところは引いてやるか」
赤根武瑠(タケル)「ま、待てっ!」
赤根武瑠(タケル)「くそ、逃げられた」
櫻井華(ハナ)「・・・・・・・・・」

〇研究所の中
葉隠拓郎(ハガクレ)「おかえり! 初陣はどうだった?赤根くん」
赤根武瑠(タケル)「なんかよくわからないうちに終わり ました」
碧川瑛士(エイジ)「ご謙遜を しっかり戦えてたよん」
赤根武瑠(タケル)「碧川さん」
倉石 龍太(リュウタ)「ああ 櫻井のことも護ってたし 十分合格点だ」
赤根武瑠(タケル)「倉石さん・・・! あ、ありがとうございます!」
櫻井華(ハナ)「そうね・・・最初はどうなることかと思っ たけど まぁ、一緒に戦っていけると思ってあげてもいいわ」
碧川瑛士(エイジ)「相変わらず素直じゃないな」
櫻井華(ハナ)「うるさいわよ、エイジ」
赤根武瑠(タケル)「ハナさん、ありがとう」
櫻井華(ハナ)「・・・フン」
葉隠拓郎(ハガクレ)「何はともあれ これで4人組になれたんだし、 これからも頑張っていこうね」
赤根武瑠(タケル)「あ、それなんですけど このチームって名前とかないんですか?」
倉石 龍太(リュウタ)「名前?」
赤根武瑠(タケル)「ただ4人組っていってるのつまんないじゃないですか 変身した後の名前も、ただ色で呼び合うのって味気ないっていうか」
碧川瑛士(エイジ)「何言ってんの?君」
赤根武瑠(タケル)「せっかくヒーローになったんだから、 ヒーローらしい名前つけましょうよ!」
「はぁ?」
櫻井華(ハナ)「あんたねぇ、これは遊びじゃ・・・」
赤根武瑠(タケル)「俺だって真剣に言ってますよ!」
赤根武瑠(タケル)「名前を付けることで、 一体感や責任感が生まれていくと思いませんか?」
倉石 龍太(リュウタ)「うーん、一理ある、か・・・?」
碧川瑛士(エイジ)「詭弁な気もするけどねぇ」
碧川瑛士(エイジ)「ま、別にオレは反対しないけど」
葉隠拓郎(ハガクレ)「面白いじゃないか」
葉隠拓郎(ハガクレ)「そうだな、せっかくヒーローらしい姿に変身するんだ チーム名を作ってコードネームを持つのもいいんじゃないか?」
櫻井華(ハナ)「まぁ叔父様もそう言うなら 反対する理由はないけど」
葉隠拓郎(ハガクレ)「それで? いい名前の案はあるのかい?」
赤根武瑠(タケル)「はい イシュタリアツリーの 『命の種』によって 選ばれた戦士ですから・・・」

〇ポップ
赤根武瑠(タケル)「華学戦隊! サイエンジャー!」

次のエピソード:第三話:競え、己の技術(前編)

コメント

  • ハナさんが可愛すぎですね!個性の立ったメンバーでの戦隊モノはやっぱりたまりませんね!それと、第一話から重要な場面で活躍(?)するこいぬさんの正体も気になります!

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