第三話:競え、己の技術(前編)(脚本)
〇道場
「お願いします」
倉石 龍太(リュウタ)「はっ!」
赤根武瑠(タケル)「うわっ」
倉石 龍太(リュウタ)「オラオラオラオラオラ」
赤根武瑠(タケル)「ううっ・・・」
倉石 龍太(リュウタ)「お前からもかかってこい!」
赤根武瑠(タケル)「そ、そんなこと言ったって・・・」
倉石 龍太(リュウタ)「はっ!!」
赤根武瑠(タケル)「うっ!」
倉石 龍太(リュウタ)「お、おい」
〇保健室
赤根武瑠(タケル)「うーん・・・」
碧川瑛士(エイジ)「・・・・・・」
赤根武瑠(タケル)「いってえ!!」
碧川瑛士(エイジ)「起きた?」
赤根武瑠(タケル)「あれ、碧川さん」
赤根武瑠(タケル)「・・・わんこも」
赤根武瑠(タケル)「あれ、俺たしか 倉石さんと道場で・・・」
碧川瑛士(エイジ)「そう、道場で特訓してもらってて 顎にクリーンヒットもらって」
碧川瑛士(エイジ)「ばたんきゅー」
碧川瑛士(エイジ)「・・・だよ」
赤根武瑠(タケル)「・・・マジっすか」
赤根武瑠(タケル)「はー、なっさけないなぁ俺」
碧川瑛士(エイジ)「まぁ、倉石も手加減できない奴だからね」
碧川瑛士(エイジ)「悪気はないやつだから 許してやってよ」
赤根武瑠(タケル)「はい、それはわかってます」
赤根武瑠(タケル)「・・・ちょっと怖いですけどね」
碧川瑛士(エイジ)「あはは、それはあいつの顔のせいだな!」
赤根武瑠(タケル)「ふふっ」
〇更衣室
赤根武瑠(タケル)「ふぅ」
倉石 龍太(リュウタ)「よぉ」
赤根武瑠(タケル)「あ、倉石さん・・・」
倉石 龍太(リュウタ)「さっきは悪かったな もう大丈夫か?」
赤根武瑠(タケル)「あ、はい もう平気です」
倉石 龍太(リュウタ)「そうか」
赤根武瑠(タケル)「・・・・・・」
倉石 龍太(リュウタ)「・・・・・・」
赤根武瑠(タケル)(き・・・気まずい・・・)
倉石 龍太(リュウタ)「・・・じゃあ俺、行くわ」
赤根武瑠(タケル)「あ、はい お疲れ様です」
倉石 龍太(リュウタ)「・・・・・・」
リュウタは
わんこの
あたまをなでた
赤根武瑠(タケル)「・・・・・・」
赤根武瑠(タケル)「・・・・・・」
赤根武瑠(タケル)「はぁ、緊張したぁ」
赤根武瑠(タケル)「悪い人じゃないんだろうけど・・・ うまく話せないなぁ」
赤根武瑠(タケル)「なぁ? わんこ」
こいぬ「わん!」
〇渋谷のスクランブル交差点
翌日
碧川瑛士(エイジ)「付き合ってもらっちゃって悪いね」
赤根武瑠(タケル)「いえ、俺もちょうど買い物行きたかったですから」
碧川瑛士(エイジ)「君が来てくれて良かったよ 一緒に服を買いに行ける相手がいなかったからさ」
赤根武瑠(タケル)「俺でよければ いつでも付き合いますよ」
〇センター街
〇商店街の飲食店
碧川瑛士(エイジ)「いやぁ買った買った」
赤根武瑠(タケル)「大満足ですね」
赤根武瑠(タケル)「俺もいい買い物できて・・・」
赤根武瑠(タケル)「あ」
〇センター街
〇商店街の飲食店
赤根武瑠(タケル)「倉石さんと ハナさんだ」
赤根武瑠(タケル)(二人でどこに行くんだろう)
赤根武瑠(タケル)(二人とも 楽しそうに見えるな)
赤根武瑠(タケル)(なんだろ この気持ち)
碧川瑛士(エイジ)「・・・・・・」
碧川瑛士(エイジ)「ふぅん」
〇センター街
倉石 龍太(リュウタ)「悪いな、いつも付き合わせて」
櫻井華(ハナ)「私はいいけど たまにはエイジかタケルでも誘ったら?」
倉石 龍太(リュウタ)「男だけで行くのは変だろう」
倉石 龍太(リュウタ)「それに」
〇ケーキ屋
倉石 龍太(リュウタ)「こんな甘いものが好きとか あいつらにバレるのはちょっとな」
櫻井華(ハナ)「恥ずかしい?」
倉石 龍太(リュウタ)「俺にもプライドってものがある」
櫻井華(ハナ)「ふふっ」
ウェイトレス「おまたせしましたー」
倉石 龍太(リュウタ)「お、キタキタ」
櫻井華(ハナ)「美味しそう」
「いただきまーす!」
〇怪しげな祭祀場
レジーナ「ふふっ」
イン「ご機嫌ですね? レジーナ姫」
レジーナ「あら、イン」
イン「これは美味しそうなケーキだ」
レジーナ「でしょ? 最近女の子に大人気のお店らしいの」
イン「いいですね」
レジーナ「じゃあ早速・・・ いただきまーす♪」
ヤン「ぱくっ」
レジーナ「ああっ!!!」
ヤン「うわー、こりゃ美味い 若い女の子が好きそうな味だ」
レジーナ「私のケーキ!!!」
レジーナ「何すんのよ、 たくさん並んで買ったのに!!」
ヤン「また買えばいいじゃないか」
レジーナ「限定品だからすぐには 買えないのよぉ」
ヤン「なら、奪ってくればいいだろう」
レジーナ「えっ」
ヤン「女の子がたくさん来るなら エネルギーも集め放題じゃないか?」
レジーナ「・・・・・・」
レジーナ「それもそうね」
〇センター街
レジーナ「よっと」
イン「それで、どうなさるんです? モンスターを放ちますか」
レジーナ「ただ放つんじゃつまらないわよ」
レジーナ「下手に暴れさせたら肝心のケーキ屋まで壊しちゃうしね」
イン「じゃあ、どうするんですか?」
レジーナ「こうするのよ」
ケーキ怪人「けぃきぃ」
イン「・・・デカいですね」
レジーナ「こいつを、こうする」
イン「あっ」
イン「・・・美味しそうですね」
レジーナ「でしょ」
レジーナ「さぁ、あの店に入り込んで 客のエネルギーを奪っておいで」
レジーナ「命の珠まで奪わなくていいわ 少しずつ、ジリジリと奪ってやるのよ いいわね?」
ケーキは
ぴょんとはねて
みせにむかった
レジーナ「さ、しばらく様子見ね」
〇ケーキ屋
みせのなか は
わかい おんなのこで
いっぱいだ
櫻井華(ハナ)「本当に大人気のお店ね」
倉石 龍太(リュウタ)「よほど美味いんだろう」
倉石 龍太(リュウタ)「これ、そんなに甘くないな これならアイツらも食べるかもしれん」
櫻井華(ハナ)「叔父様なら甘党だから なんでも喜ぶわよ」
倉石 龍太(リュウタ)「じゃあ皆に土産も買っていくか」
櫻井華(ハナ)「いいわね」
櫻井華(ハナ)「ところで、あなたはどう思う?」
倉石 龍太(リュウタ)「何がだ」
櫻井華(ハナ)「タケルのこと」
櫻井華(ハナ)「彼がリーダー・・・レッドでホントにいいのかしら」
倉石 龍太(リュウタ)「さぁな だが、あいつは骨がある男だと思うぞ」
櫻井華(ハナ)「そうかしら」
倉石 龍太(リュウタ)「俺にボコボコにされても 俺を怖がらない」
倉石 龍太(リュウタ)「肝が据わった奴だよ」
櫻井華(ハナ)「基準がそこなの?」
倉石 龍太(リュウタ)「前の戦いでは初陣ながら 頑張っていた あいつなら大丈夫なんじゃないか」
櫻井華(ハナ)「・・・・・・」
倉石 龍太(リュウタ)「お前の初陣は泣きながら逃げ回っていたと聞いたが?」
櫻井華(ハナ)「!!」
櫻井華(ハナ)「なんで知ってるのよ!」
〇ケーキ屋
「!?」
倉石 龍太(リュウタ)「なんだ・・・この霧は?」
櫻井華(ハナ)「あんなケーキ メニューにあったかしら・・・」
倉石 龍太(リュウタ)「あっ」
倉石 龍太(リュウタ)「大丈夫ですか!」
櫻井華(ハナ)「こっちも・・・ いったい何が?」
櫻井華(ハナ)「・・・なにかおかしいわ 一旦外に出ましょう」
倉石 龍太(リュウタ)「ああ」
櫻井華(ハナ)「あっ」
倉石 龍太(リュウタ)「な、なんだ ケーキが動いた!?」
おや?
ケーキのようすが・・・
〇ケーキ屋
ケーキ怪人「けぇきぃ!!」
「モンスター!?」
櫻井華(ハナ)「リュウタ、変身よ」
倉石 龍太(リュウタ)「ああ!」
〇花模様
櫻井華(ハナ)「変身完了! サクラピンク!」
〇月夜
倉石 龍太(リュウタ)「変身完了 マグノリアブラック!」
〇ケーキ屋
倉石 龍太(リュウタ)「覚悟しろ モンスターめ!」
レジーナ「あら、アンタたちも いたのね」
櫻井華(ハナ)「レジーナ! あなたの仕業なの!」
レジーナ「そうよ 若い女のエネルギーは良質だもの」
レジーナ「たくさんいただいたわ ありがとう」
レジーナ「命の珠までは奪ってないんだから 良心的でしょう?」
櫻井華(ハナ)「なんですって・・・」
櫻井華(ハナ)「許さないわ!」
櫻井華(ハナ)「え、消えた?」
櫻井華(ハナ)「!? 変身が・・・!」
倉石 龍太(リュウタ)「ピンク!?」
レジーナ「ふふふ、あんたにも 効果があったようね? 変身を維持できるエネルギーが ないと見えるわ」
櫻井華(ハナ)「くっ・・・」
倉石 龍太(リュウタ)「櫻井、俺の後ろに」
〇ポップ
ハナの
へんしんが とけてしまった!
リュウタひとりで
レジーナ と モンスター と
たたかえるのか!?
じかいへつづく!
レジーナさん、、、襲撃の動機がケーキって、憎めない悪役ですね。そして、リュウタさんがまさかの甘党。ぶっきらぼうな甘党男子って可愛らしいですよね!