愛天使世紀 ウェディングアップル

ウェディングアップル・シナリオ制作チーム

第1話 愛天使華麗に登場①(脚本)

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〇宇宙要塞
  宇宙を流れる黒い渦。
  その渦の中心に浮かぶのは、悪意に
  満ちた巨大な魔船。
  それは、彼方に輝く美しき地球を
  妬むように、周囲を旋回していた。

〇謎の施設の中枢
???「美しき地球。輝かしき地球。 だが、憎むべき多くの人々が生きている」
???「私は絶対に許さない。 今こそ人類のすべてを悪の心に塗り 潰すのだ」
「お任せを」
???「油断するな。 地球上には愛を司る者たちがいる」
???「我らの狙いを邪魔だてするに違いない」
???「心して聴くがよい。 作戦は秘かに行うのだ」
「心得ました」

〇地球
  魔船から不気味な六つの黒い固まりが、
  次々と地球に降りそそぐ──。

〇海辺の街
  ここは、海に面した美しく閑静な街並み。
  街の端にある小高い丘の上には、
  海を望む教会が見える。

〇森の中のオフィス
  教会近くに建てられた、三階建ての
  瀟洒な建物『アイリス・ウェディング』。
  その一階のベランダで、ひとりの少女が
  満点の星空を見上げていた。

〇結婚式場のテラス
朝陽林檎「・・・信じている」
朝陽林檎「いつの日か、ステキな人とめぐり逢い ・・・心ときめく恋をすること」
  瞳を閉じた少女の中に、幼き頃の
  思い出の記憶が浮かぶ。

〇美しい草原
  美しい丘の上で、一生懸命に
  クローバーを摘む幼い林檎。
朝陽林檎「あっ!」
  一陣の風が吹き、彼女の手から離れた
  クローバーが宙を舞った。
  追いかけようとする林檎の前に、
  そっと手が差し出される。
少年「結婚指輪だよ」
朝陽林檎「・・・!」

〇結婚式場のテラス
朝陽林檎「そして二人は愛を育み、結婚を・・・」
  ブオォォォン!
青年「春の香りがする・・・」
青年「キミ、ちょっと尋ねたいんだが」
朝陽林檎「・・・・・・」
青年「聞こえたか?」
朝陽林檎「?」
青年「四葉トラベルはどこかな?」
朝陽林檎「え?」
青年「旅行代理店だ」
朝陽林檎「それなら、ここを真っ直ぐ行って 右ですけど」
青年「もっと丁寧に教えてくれ。 アバウトなのは・・・ムカつく」
  青年は再びバイクに乗り、排気口を
  吹かすと路肩を使ってジャンプした。
  バイクは一瞬、宙に浮き、星空の中を
  飛ぶように去っていく。
朝陽林檎「なに、あの人?」
朝陽林檎「・・・ん?」

〇宇宙空間
  夜空を見上げると、次々に地上へと
  降り注ぐ黒い影があった。

〇結婚式場のテラス
朝陽林檎「あれは・・・?」
???「林檎、戻しなさい」
朝陽林檎「あっ、しまった!」
霧乃あやめ「商品に触ってはいけない、って 何度言ったらわかるの?」
  室内から出てきた女性が、テラスに
  置かれたドレスのマネキンを一瞥して
  言った。
朝陽林檎「あやめ社長、ごめんなさ~い」
苗場桜「会社の大事な貸し衣装だよ。 謝れば良いってもんじゃないでしょ」
朝陽林檎「桜ちゃん、どうしてここに?」
霧乃あやめ「明日の結婚式に飾る花。 届けに来てくれたのよ」
苗場桜「アルバイトのクセに勝手するな。 ば~か!」
朝陽林檎「・・・・・・」

〇結婚式場の廊下
苗場桜「花嫁衣装に憧れるなんてガキね」
朝陽林檎「中学生の子供にはわからないの。 恋や愛の素晴らしさが!」
苗場桜「ふん。人を好きになる、 それがなんだって言うの? くだらない」
苗場桜「あんたの恋なんて、目隠しして 鬼ごっこするようなもんね」
朝陽林檎「もう、そんなんじゃないよ~だ!」

〇ライブハウスの入口
  翌日・ライブ会場

〇ライブハウスのステージ
  熱狂的なライブに観客席が沸き立つ。
  ♪人は心にPasson(激情)
  愛の暮らしは捨てろ
  愚痴をつぶやくならば
  生命(いのち)消し去れ
  Go for death
  過激な演奏に熱狂する若者たち。
  その様子を見て、演奏する男たちの
  目がギラリと光った。

〇お花屋さん
  花屋の店内にあるテレビからは、
  ライブ会場の中継が流れている。
  ♪You should lead a life of vice
  (悪に染まった暮らしをしろ)
苗場桜「FRENZYのライブ、最高!」
朝陽林檎「うん・・・!」
朝陽林檎「もしもし、あやめ社長?」
霧乃あやめ「林檎、どこにいるの?」
朝陽林檎「桜ちゃんのお店です」
霧乃あやめ「パーティ会場に飾る花、確認出来たの?」
朝陽林檎「はい。整ってます」
霧乃あやめ「だったら早く戻りなさい」
朝陽林檎「は、はい」
霧乃あやめ「頼んだティアラは!?」
朝陽林檎「ティアラ? あっ、忘れてました!」

〇綺麗な教会

〇教会の中
霧乃あやめ「林檎、遅い」
朝陽林檎「社長、ゴメンナサイ。 すぐにティアラ持って来ます」
青年「アバウトな娘か」
朝陽林檎「あっ、あの時の!」
青年「怒った顔、見られたもんじゃないな」
朝陽林檎「・・・嫌な奴」

〇宇宙空間
  その頃。結婚式場内の遥か上空に、
  巨大な魔船の幻影が現れた。
  魔船が地上に黒い渦を放つと、
  渦の中から不気味な影が現れた。

〇綺麗な教会
雪代椿「林檎さん」
朝陽林檎「あ、椿さん、ご結婚おめでとう!」
朝陽林檎「素敵なドレスですね、 お似合いです」
雪代椿「ありがとうございます。 あなたのお蔭ですわ」
朝陽林檎「へ、私の?」
雪代椿「ウエディングプランの相談に行った時、 あなたは結婚の素晴らしさを熱く 語ってくださった」
雪代椿「それでわたくし、決心したのですもの」
朝陽林檎「アルバイトの私なんか何もしてません」
朝陽林檎「椿さんの情熱的な愛があったから 旦那さんは応えたんです」
霧乃あやめ「林檎、ティアラは?」
朝陽林檎「あっ、ごめんなさい椿さん。 急いでいるので」

〇備品倉庫
朝陽林檎「確か、ここに置かれてるって・・・」
  林檎は踏み台の上に登り、大きな戸棚の
  中を探した。
  室内のスピーカーからは『FRENZY』の
  ミュージックが流れている。
  ♪悪しき快楽 Look for(求め)
  真の悦び満たせ
  神も悪魔もいない
  己信じて
  Do sweet will
  You should lead a life of vice
  (悪に染まった暮らしをしろ)
朝陽林檎「やっぱり、FRENZYの曲って素敵」
  林檎が音楽に聞き惚れていると、足元の
  踏み台がグラリと揺れた。
朝陽林檎「わっ、わっ、わぁぁぁぁ~~~」
  ドスン
  踏み台から落ちた林檎が床に倒れる。
  同時に、棚の上の箱が崩れて彼女の頭に
  コツンとぶつかった。
朝陽林檎「なんだろう、これ。翼の像・・・?」
朝陽林檎「お婆さまからもらったペンダント が・・・!?」
  林檎の胸のペンダントから、神秘的な
  光が漏れている。
  その光に応えるかのように、翼の像が
  まばゆく輝いた。
朝陽林檎「わっ、まぶしい!」
  すると、輝く像の中に、美しい女性の
  姿が浮き上がった。
朝陽林檎「・・・!?」

次のエピソード:第2話 愛天使華麗に登場②

コメント

  • 桜×林檎ちゃんから百合の香りがしますねぇ…生花店だけに

  • すごく面白いですね。

  • すごく面白いです!

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