エピソード1…親がいない(脚本)
〇幻想2
萩原まいる「あっ・・・」
萩原まいる「もぐもぐ」
萩原まいる「美味しかった」
萩原まいる「・・・と失礼。 私今でこそ見えないけど、結構売れている漫画家の編集者です」
萩原まいる「私事ですがこの度、漫画家さんと協力して自作で漫画描いてみました。良ければ見てください」
〇チェック
アイドル「私達ザ・ピーナッツです。 今から歌います」
〇大きな公園のステージ
萩原まいる「私達も歌おうか」
持家 叶「・・・」
「これは一悶着ありそうだ」
〇タワーマンションの裏口
萩原まいる「お母さん、開けて〜」
〇タワーマンションの裏口
萩原まいる「ありがとう」
〇システムキッチン
萩原 美智子「おかえりなさい」
萩原まいる「ただいま」
萩原 辰「お帰り」
萩原まいる「ただいま」
萩原まいる「・・・」
萩原 健太郎「・・・お帰り」
萩原まいる「ただいま」
私の家族。
結構幸せだ・・・。
〇白
〇高級マンションの一室
萩原 辰「美味しい」
萩原 健太郎「美味しいな。 こんな美味しいともういつ死んでも いいもんな」
萩原 美智子「何いってんだい。 死ぬわけ無いだろ」
萩原まいる「あはははははははは・・・」
萩原 美智子「・・・」
萩原 美智子「お父さんね。最近、会社で上手くいってないみたい」
萩原まいる「そう。なんで分かるの?」
萩原 美智子「私を誰だと思っているんだい。焼き鳥屋のまーちゃんこと看護婦長の私だよ」
萩原 美智子「お父さんのことささえてやんな。・・・もし。・・・お前はどっちがいい?」
萩原まいる「!!ん?」
萩原まいる「ん〜。私、お父さんもお母さんも好きだよ。お母さん、私、お父さんの仕事よりお母さんの仕事のが凄いと思う」
萩原まいる「だって命を助ける仕事だよ。私もそういう役に立ちたい」
萩原 美智子「お父さんも人を助ける仕事だよ」
萩原まいる「はーい」
萩原 美智子「全く誰に似たんだい」
萩原 美智子「あ・・・私だわ・・・。 健太郎、健太郎。よくも私を騙したわね」
萩原まいる「・・・全くママったら。 はあ、暑い。あせかいちゃった」
〇会議室のドア
〇白いバスルーム
萩原まいる「お風呂入ろう」
〇白
「気持ちいい。 幸せだな。 ずっとこのまま幸せが続いたらいいのにな」
〇シックな玄関
編集者「おい、そこにいるの。分かってるぞ。萩原」
萩原 美智子「何だい、こんな時間に・・・」
金梨 正道「いやあ。これは美智子さん。今日は」
萩原 美智子「これはどこぞやの息子じゃないか。 どうしたんだいこんな時間に」
金梨 正道「いやあ、ちょっとその辺まで散歩しに」
金梨 正道「・・・」
萩原まいる「ずいぶんとした散歩ですね」
金梨 正道「まいるか。 お父さんは?」
萩原まいる「お父さんは仕事で疲れてくつろいでます。どうせあれでしょ。会社の1つを売ってくれっていうんでしょ」
金梨 正道「よく分かったな。ってか其れ位いいだろ」
金梨 正道「・・・」
〇白
〇シックな玄関
萩原 健太郎「どうちたの。久しぶりだね」
萩原 健太郎「なになになに。何か持ってきてくれたの?」
金梨 正道「・・・っつ。 変わったな健太郎・・・」
萩原 健太郎「・・・」
萩原 健太郎「俺は何も変わっちゃいないよ。 それよりも、呼び捨てするな。 健太郎さんだ・・・」
金梨 正道「お前の所、赤字続きじゃないか。建築だろ。そりゃお客サン掴んだら一気に呼び戻せるだろうけど」
金梨 正道「もし何かあった時あのお嬢ちゃんなら難しいんじゃないか。生娘じゃあるまいし・・・。俺は知らねえぞ」
萩原 健太郎「何だったの?」
萩原 美智子「さあ。 心配してくれたんだろう。 さあもう寝るよ」
萩原まいる「もう、人騒がせな・・・だから男の人は嫌い」
萩原 美智子「さあ、寝るよ」
〇白
萩原まいる「・・・」
〇クリーム
萩原まいる「外は雪が降っている。 行くか」
〇教室
持家 叶「おはよう。まいるちゃん。今日のテレビ見た?億萬番付。 漫画家の桃井百合先生が取ったんだって。今、テレビでも言ってる。ほら」
萩原まいる「えっ・・・」
〇個別オフィス
桃井 百合「一番なんて嬉しいです。 これも、しもべ・・・いえ。日頃からお世話になっている編集者さんのお陰です」
編集者「この事を誰に伝えたいですか?」
桃井 百合「やっぱり母親かしら」
桃井 百合「みなさまも私の所に来なさい。 お金持ちになれるわよ」
〇教室
萩原まいる「凄いね。漫画家さんだって」
持家 叶「2位は期末の家主の人だよ。3位は中川家だって」
萩原まいる「縁、遠い人だな」
持家 叶「そんなことないよ。だって、まいるちゃんのお父さんもおえらいさんでしょう?」
萩原まいる「今は赤字続きが多いよ。昨日だって・・・」
生徒「ののちゃん。歌手のミミチック・ハルライ怪我したんでしょう?」
持家 叶「そうだよ。よく知ってるね」
生徒「何でなの。教えて〜」
持家 叶「いいよ。待って」
萩原まいる「また後で」
萩原まいる「はあ。赤字かぁ。今日は確か家族で食事食べる日だけど、あの人来るんだよな。嫌だな〜・・・」
〇おしゃれな食堂
萩原 美智子「まいる、こっち」
萩原 健太郎「いやあ、懐かしいな。ここ俺がフィンガーボールで飲もうとした所だよ」
萩原まいる「お母さん。お待たせ」
萩原 健太郎「・・・悪かったな。まいる」
萩原まいる「なにいってるの!!」
萩原 美智子「あ、来たよ、ほら」
金梨 正道「・・・っす」
萩原 健太郎「・・・で何だけ?ここにサインすればいいんだけ?」
金梨 正道「うすっ・・・」
萩原 健太郎「絶対に取り戻してやるからな。 今に見てろ」
金梨 正道「何いってんだ。現実見ろよ」
萩原 健太郎「何が現実見ろよだ。それはこっちのせりふだ。現実みせてやる、どっちが凄いか現実見せてやるよ」
萩原 美智子「あんた・・・」
金梨 正道「じゃあな」
萩原 健太郎「・・・ふん。 よし、料理も来たし食べて帰るか」
萩原まいる「お父さん・・・」
〇高級マンションの一室
萩原 美智子「・・・朝だね。今日は気持ちのいい朝だよ」
萩原 美智子「おや、まいる。早い朝だね」
萩原まいる「お早う。今日は気持ちのいい朝だね」
萩原 竜「ぶすぶすぶすぶす」
萩原まいる「こらこら」
萩原 辰「ぶすぶすぶすぶす」
萩原まいる「こらこら」
萩原 竜「ぶすぶすぶすぶすぶす」
萩原まいる「・・・おい・・・お姉ちゃんのことをいってるのかい・・・」
萩原 辰「わああ、逃げろ〜」
萩原まいる「待て〜。 ・・・と中川家」
萩原 辰「・・・」
〇路面電車
中川家 礼二「っっっす。中川家礼二です。 何か喋らんかい」
中川家「兄の・・・です」
中川家 礼二「あ、どうも・・・です」
〇高級マンションの一室
萩原 辰「あははは」
萩原まいる「辰、明日会えるよ。中川家。嬉しいね」
萩原 健太郎「魅せてやれるくらいの芸人になれよ。現実見てるんだから」
萩原 辰「うん。って見返してだろ。明日楽しみ。皆で一緒に動物園行くのも久しぶりだから嬉しいよ」
〇クリーム
〇動物園の入口
萩原 辰「はよ、はよいくで〜」
萩原 竜「辰まてよ」
萩原まいる「お父さん、お母さん早く」
萩原 美智子「待って~」
〇ゴリラの飼育エリア
萩原 辰「あははすげぇ」
萩原 竜「辰!」
萩原 辰「次あっち行こう」
萩原 竜「・・・」
萩原 辰「何やけったいな動物しかおらへんな」
萩原 辰「こっちには蝶がおるわ。町長さん、我が田舎をどうにかして下さいいうてな」
萩原まいる「もう辰たら」
〇ゴリラの飼育エリア
萩原 健太郎「お〜い。始まるぞ中川家」
萩原 辰「まって〜な、」
萩原 美智子「ちょっと辰暑くないの?」
萩原 辰「暑いで。 つっこんでもらいたいねん」
萩原 辰「兄ちゃんダッフルコート嫌いやから」
萩原 竜「俺別に嫌いじゃないぞ」
萩原 辰「ちゃうわ。中川家の兄ちゃんの方やわ。礼二はでるやけどな」
萩原まいる「あははは、確かにそうだね」
萩原 美智子「あら始まるよ」
〇青(ディープ)
中川家「はい、どうもどうも」
萩原 健太郎「辰。カメラ撮っといてやるよ」
萩原 辰「別にいいよ。 中川家のDVDは全部持ってるんだから。俺はそういうファンじゃないよ」
萩原 健太郎「う〜ん。そうじゃないんだけどな」
萩原 辰「何言いたいか分からんわ」
萩原 健太郎「初心忘るるべからず。いやどんな言葉があうかな。お前はちゃんと現実見てるか?」
萩原 辰「何が言いたいの?!面白くないっていいたいの?」
萩原 健太郎「めちゃくちゃ面白い。あんなん、勝てるわけない。・・・終わったぞ挨拶してくるんじゃなかったのか?」
萩原 辰「・・・うん」
萩原 健太郎「辰、現実見ろよ」
萩原 辰「分かってるわ」
萩原 健太郎「オープンザ・シー」
〇仮設テント
中川家 礼二「やかんなや。 やかんなや・・・。 ・・・なんやこの子供」
萩原 辰「ダッフルコート着たった」
萩原 辰「・・・」
中川家 礼二「オカンがいんのじゃ」
中川家 礼二「やかんがおかんなんじゃ」
萩原 辰「何言うとんのや・・・もういいわ」
中川家「何やったろ今の」
〇クリーム
〇高級マンションの一室
萩原 美智子「あら、お早うまいる。今日は辰と竜は早く学校行ったわよ。何でも中川家とケンカしたのばらまくんだって」
萩原 美智子「それと今日は焼肉だからね」
萩原まいる「そう。ってまた誰か別な人好きになるのかな。私も行こうかな」
萩原まいる(この時、胸騒ぎがした。いつもはのんびりしてから学校に行く私が早く行く事に・・・)
萩原まいる「お母さん、お父さん大丈夫だよね」
お母さんは大丈夫だといった。お父さんはソファーから手を上げて「今日、書類契約書取り返してくるから」って
──それから──
〇教室
萩原まいる「・・・えっ。何言ってるんですか?」
前野先生「君の両親が亡くなった。早く帰るようにと親戚から電話があった」
〇システムキッチン
夜中冷凍庫を見ると焼肉用のお肉が入ってた野菜も切ってありジップロックで止めてあったきっと親戚が気を利かせてくれたのだろう
弟達はわめく事もなくベッドで顔を隠しながら寝ていた。
──萩原 まいる
今日、家族亡くしました──