雄馬町の怪

平家星

#28 最後の予言(脚本)

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〇黒
  カナが繋がれた装置で未確認飛行物体を呼び寄せる黒岩。
  カナの体力が尽き果てるまで、それは続く・・・。
  残された時間は、そう多くはない・・・。

〇研究施設の屋上
  操られたくだんは、ミチオを阻もうと腕に食いついている。
金丸ミチオ「・・・くだん、俺たち一緒にここまで来た。お前がいなければ、ここまでやれなかった」
くだん「ガルルルル・・・」
  ミチオの足元に、ポタポタと血が落ち、血だまりが広がっていく。
  捕らえられている仲間たちは、ただその光景を見つめることしかできない。
南雲チハル「ミチオ・・・」
金丸ミチオ「俺たちが、カナちゃんを助けるんだ・・・そうだろ? くだん」
くだん「・・・・・・」
  くだんの牙は、更に深くミチオの腕に食い込む。
  ミチオは視点が定まらなくなる。
金丸ミチオ「俺は・・・俺は最後までお前を信じるぞ・・・」
くだん「・・・・・・」
金丸ミチオ「だって、俺たちは・・・友達だからさ・・・」
  ミチオは出血に耐えられず、気を失い床に倒れた。
くだん「・・・・・・」
  仲間たちは身を乗り出すが、骸骨の村人に押さえつけられてしまう。
浦上ナオキ「ミチオくん!」
三上ショウマ「ミチオッ!」
南雲チハル「いやーッ!」
黒岩現「ハハハ! 遂に邪魔者はいなくなった!」
黒岩現「カナの体力が続く限り、飛行体を呼び続けるぞッ!」
  黒岩は喜々として空を見上げる。

〇UFOの飛ぶ空
  空には、飛行体が増え続けている・・・。

〇研究施設の屋上
くだん「・・・・・・」
  倒れたミチオの隣に立つくだん。
  ミチオのカバンからは、何かが転がり出ている。
  紙のパックは破れ、豆乳が流れ出ている・・・。
くだん「・・・・・・」
  くだんは顔を近づけ、豆乳をペロリと一口舐めた。
くだん「・・・!」

〇黒
くだん「ここは・・・?」
  真っ暗な空間を見渡すくだん。
  目の前には、倒れているミチオがいる。
くだん「ミチオ・・・」

〇体育館の外
金丸ミチオ「・・・もう、誰も見殺しにしたくないんだ。できることをやる」
くだん「ほう、見上げたもんだ。 その気持ち、いつまで続くのやら」

〇黒
くだん「お前はいつでも自分自身を責め、自分自身を奮い立たせて戦っていた」

〇山の展望台(鍵無し)
三上ショウマ「うるさい・・・! 母さんがいなければ、俺は一人になっちまう」
金丸ミチオ「一人にはしない!」
三上ショウマ「そんなの信じられるかよ!」
金丸ミチオ「信じろ! お前は嫌だろうけど、俺たちはお前の味方だよ!」

〇黒
くだん「お前はいつでも、誰かのことを想っていた・・・」

〇田舎の空き地
金丸ミチオ「すごい、ケセランパセランがこんなに!」
南雲チハル「私たちの絆の勝利ね!」
三上ショウマ「よくそんなに恥ずかしいこと言えるな?」
南雲チハル「いいじゃん。 これだけあったら、もう大丈夫じゃない?」
浦上ナオキ「はい! きっと十分でしょう!」

〇黒
くだん「その心が、仲間を集めたんだな」

〇洞窟の深部
くだん「よう、人間」
金丸ミチオ「う、うわぁ!」

〇黒
くだん「出会ったときは、嘘つき呼ばわりされる、頼りない奴だったが・・・。笑えるよな」
くだん「ミチオ、お前は嘘つきなんかじゃないさ」

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