雄馬町の怪

平家星

#27 絶体絶命(脚本)

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〇研究施設の屋上
  屋上にはカナが組み込まれた装置がある。
  黒岩はケセランパサランの入ったランタンから光を放った。
  その光を受けた、くだんの様子がおかしい・・・。
くだん「うぅ・・・」
金丸ミチオ「くだん・・・?」
くだん「ミ、ミチオ・・・逃げろ」
金丸ミチオ「な、なに言ってんだよ!」
くだん「お・・・俺は・・・もう、正気を保てないッ・・・!」
金丸ミチオ「そんな・・・しっかりしろ!」
くだん「ぐ・・・わぁぁぁぁぁ!」
金丸ミチオ「くだん!」
くだん「・・・・・・」
  くだんが、だらっと顔を伏せる。
黒岩現「おぉ~。だいぶ耐えたけど、ついに限界が来たみたいだなぁ」
金丸ミチオ「おい、くだん。大丈夫か!?」
くだん「・・・・・・」
金丸ミチオ「な、なぁ。何とか言ってくれよ」
くだん「ウウウウ・・・」
金丸ミチオ「くだん?」
  ミチオが歩み寄ろうとすると、くだんは牙を剥き威嚇する。
くだん「グァオ!」
金丸ミチオ「!?」

〇村の広場
三上ショウマ「放せ! 放してくれ!」
  チハルたちは正気を失った骸骨の村人に捕まり、連行された。
男の骸骨「・・・・・・」
南雲チハル「ねぇ! オッサンたちまで、どうしちゃったのよ!」
小さいおっさん「・・・・・・」
三上ショウマ「・・・黒岩に操られてるのか?」
南雲チハル「そんな・・・」
浦上ナオキ「ショウマくん、チハルさん」
  振り返ると、ナオキも二人と同じように、骸骨の村人に連行されていた。
三上ショウマ「ナオキ!」
南雲チハル「良かった、無事で・・・」
浦上ナオキ「とはいっても、このとおり捕まってしまいましたけどね・・・」

〇研究施設の屋上
金丸ミチオ「くだん、正気に戻ってくれ! カナちゃんを助けなくちゃ!」
くだん「グルルル・・・」
  ミチオをにらみつけるくだん。
  カナのいる装置に歩み寄ろうとすると、噛みつこうとした。
くだん「グァオ!」
金丸ミチオ「お、おい! 危ないって!」
黒岩現「フフフ・・・ハハハハハ!」
金丸ミチオ「何がおかしい!」
黒岩現「結局、お前たちがいくらUMAと親交を深めようと、その程度」
黒岩現「ちょっとしたことで、簡単に崩壊しちまう」
  踏み出そうとするが、くだんに阻まれ、ミチオはその場を動けない。
くだん「グルルル・・・」
金丸ミチオ「くっ・・・」
黒岩現「さて、と」
  黒岩はカナのいる装置に近づく。
黒岩現「スイッチ、オンだ」
  ブウゥゥゥン!!
  黒岩がスイッチを押すと、大きな音をたてて装置が起動した。
黒岩現「カナは長い間、BEKとして異次元と繋がった」
黒岩現「結果、この世界と外の世界をつなぐ、架け橋になれるんだ」
金丸ミチオ「ど、どういうことだ・・・?」
黒岩現「彼女は栄誉ある役目を果たすってことさ。 今日を持って、俺は世界一有名な研究者になる」
黒岩現「誰も、俺を無視できなくなる」
金丸ミチオ「何を言ってるんだ! カナちゃんを解放しろ!」
黒岩現「座標も手に入った。 すべては揃ったんだよ・・・」
  黒岩はスマホの画面を確認しながら、装置のパネルに数値を入力する。
  その時、屋上のドアが開いた。
浦上ナオキ「ミチオくん!」
  他の仲間たちが、骸骨に連れられて屋上にやってきた。
金丸ミチオ「みんな!」
  ミチオは仲間たちに近寄ろうとするが、すぐにくだんが反応してそれを阻む。
くだん「グァオ!」
浦上ナオキ「くだんさん・・・?」
三上ショウマ「そんな・・・くだんも操られて・・・」
黒岩現「ちょうどいいところに来たな」
黒岩現「お前たちには特等席で見物してもらうことにしよう」
金丸ミチオ「・・・!」
黒岩現「世界が俺を、そして外の世界の住人の存在を認める・・・。そんな瞬間をな!」
  黒岩が最後のスイッチを押す。
  すると装置は一層大きな音をたて、空に向かって強烈な光線を放った。
金丸ミチオ「!」
「!」
黒岩現「来るぞ・・・来るッ!」
金丸ミチオ「何が起こるんだ・・・?」
  光が放たれた遠くの空で、不規則に現れる点のような数々の飛行物体。
黒岩現「ついに、異星人を呼び寄せた!」
金丸ミチオ「!?」
黒岩現「彼らへの招待は続く。まだまだ来るぞ。 カナの生命エネルギーが尽きるまでな」

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