雄馬町の怪

平家星

#26 人魚の祟り(脚本)

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〇黒
  ミチオがやっとの思いで見つけたカナは、複雑な装置の中に繋がれていた・・・。

〇研究施設の屋上
金丸ミチオ「この装置、いったい何なんだ!?」
くだん「黒岩が何か企んでいることは間違いないが・・・」
金丸ミチオ「カナちゃん、今、出してあげるからね!」
  ミチオは装置を開こうと引っ張ったり叩いたりするが、びくともしない。
金丸ミチオ「どうしたらいいんだ・・・?」
くだん「ミチオ! どうやらここにいることが、黒岩にバレたらしいぞ」
  くだんに言われて下を見下ろすと、研究所に向かうUMAの大軍が見えた。
金丸ミチオ「ま、まずい・・・」
金丸ミチオ「でも、カナちゃんがこれじゃ、逃げるわけにもいかない!」
くだん「扉を閉めて、ここで耐え忍ぶしかないだろう」
  ミチオは慌てて走り、屋上の入り口の扉を閉めた。

〇洞窟の入口(看板無し)
  ショウマとチハルは、小さいおっさん軍団や骸骨の村人と共に、UMAと戦っていた。
  チハルは小豆洗いを棒で殴り倒す。
小豆洗い「ぎゃあ!」
南雲チハル「ハァ、ハァ・・・」
小さいおっさん「姉ちゃん兄ちゃん、ちょっと、まずい。 押されてるわ」
三上ショウマ「頑張れ! ここで負けるわけにはいかないぞ!」
男の骸骨「ワレワレハ、アキラメナイ!」
  しかし、チハルたちの前には新たなUMAの大軍が押し寄せてきた。
三上ショウマ「・・・って、まだまだいるのかよ。 マジでヤバい展開だな・・・」

〇湖畔の自然公園
  ナオキは人魚たちと共に奮闘していた。
浦上ナオキ「人魚さんたち、頑張ってください!」
  ナオキは石を投げてUMAを退ける。
チュパカブラ「ギャイ!」
  そのとき、ナオキの背後に人影が現れた。
三滝「いたいた。手始めはあの子供からにしよう!」
浦上ナオキ「!?」
三滝「ハァハァ! ワクワクするぜ~。 子供がBEKになるところが見られるッ!」
浦上ナオキ「な、なにを言ってるんですか!?」
三滝「抵抗しなければ、悪いようにはしないからさぁ」
  三滝とスレンダーマンは、じわじわとナオキに歩み寄る。
浦上ナオキ「あっちへ行ってください!」
  ナオキが投げかけた石を、三滝は間一髪でかわした。
三滝「あぶねえな! 何しやがるッ!」
浦上ナオキ「みんな、必死で戦っているんです。 僕が捕まれば、みんなに迷惑がかかる!」
三滝「大人しくしてろよぉ! 悪いようにはしないんだからさぁ!」
浦上ナオキ「あなたみたいな変態がいるから、みんなが危険にさらされる!」
三滝「・・・変態?」
浦上ナオキ「子供たちを金で買おうとするなんて、変態以外、何者でもありません」
三滝「・・・ちょっと、ムカついちゃったな」
三滝「おら、動くな」
浦上ナオキ「!?」
三滝「ガキはうるさい・・・。これだから、俺は物言わぬBEKが欲しいんだ」
三滝「・・・でも、お前はもういいや。殺す」
浦上ナオキ「ぼ、僕は怖くない!」
浦上ナオキ「そんなもので、あなたに屈しませんよッ!」
三滝「うるさいうるさい! 死ねーッ!」
  ナオキは目をぎゅっと閉じる。
  バァン!
  銃声が轟いたその瞬間、ナオキの前に人魚が飛び出した。
浦上ナオキ「!?」
  銃弾は人魚に当たり、人魚はナオキの目の前に倒れた。
浦上ナオキ「に、人魚さん!」
人魚「ボ・・・ボォ・・・」
浦上ナオキ「どうして・・・僕のために・・・」
人魚「ボ・・・」
浦上ナオキ「いかないで、人魚さん・・・」
  ナオキは人魚を抱きしめるが、ついに動かなくなった。
三滝「何だよ。気持ち悪い化け物のくせに、俺の邪魔をしやがってさぁ」
浦上ナオキ「なんてことを・・・! 人魚を殺してしまった・・・」
三滝「あ? だから何? 次は外さないからな」
  三滝が再び銃を構えたその時、大きな地響きが起こった。
三滝「な、なんだッ!?」
  湖の水が大きく盛り上がると、うねるように宙に浮きあがった。
三滝「あれは!?」
浦上ナオキ「水の龍・・・これが人魚の祟り・・・」
水の龍「ウゴォォォォォォ・・・!」
  水の龍は三滝に向かって突進する。
三滝「う、うわぁぁぁ!」
  三滝をなぎ倒した龍は、そのままスレンダーマンや他のUMAたちに襲いかかった。
浦上ナオキ「人魚さん・・・」
  湖の周辺にいたUMAたちをすべて倒すと、龍はそのまま前進していく。

〇洞窟の入口(看板無し)
三上ショウマ「くっ・・・囲まれた・・・」
南雲チハル「ねぇ、何あれ?」
  チハルが遠くを指さす。
三上ショウマ「なんだよ? こんな時に!」
南雲チハル「何かが、向こうの空から来るわ」
三上ショウマ「は?」
水の龍「ウゴォォォォォォ・・・!」
  水の龍が敵のUMAたちだけを巻き込んで進んでいく・・・。
南雲チハル「私たちを助けてくれた!?」
三上ショウマ「すげぇ!」

〇研究施設の屋上
  ガンガン
  UMAたちが屋上の扉を激しく叩く。
金丸ミチオ「くっ・・・」
くだん「もう限界だろう。 UMAたちに、扉を破られる」
金丸ミチオ「れ、冷静に言うなよ。 でも、その通りかも・・・うわぁ!」
  バン!
  ついに扉が破られ、UMAたちの大軍がなだれ込んできた。
金丸ミチオ「これはもう・・・」
くだん「お終いか」
  UMAたちがミチオとくだんに迫る。
  ゴォォォォォォ・・・!!
  次の瞬間、轟音と共にUMAの大軍が屋上から吹き飛んだ。
水の龍「ウゴォォォォォォ・・・!」
  水の龍が、次々にUMAたちを宙に吹き飛ばす・・・。

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