雄馬町の怪

平家星

#24 それぞれの危機(脚本)

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〇黒
  小さいおっさん軍団の押す台車に乗り、異次元を駆け抜けていくミチオたち・・・。

〇魔物の巣窟
くだん「黒岩の『UMAは敵じゃない』という言葉・・・」
くだん「俺が見た『UMAが押し寄せる』光景に関係がありそうだ」
金丸ミチオ「そうだね。・・・みんな聞いてくれ。 このまま簡単には逃げられないと思うんだ」
金丸ミチオ「俺に考えがある。それぞれに向かって欲しいところがあるんだよ」
浦上ナオキ「向かって欲しいところ?」
「・・・?」

〇黒
三滝「おい! ガキが逃げたぞ! BEKをくれる約束だろッ!」
黒岩現「はいはい。わかってるって」
黒岩現「俺たちが必死こいて追うまでも無い。 UMAを使う」
  黒岩がランタンを掲げると、周囲にいるUMAたちが黒岩に注目した。
チュパカブラ「グルルル・・・」
黒岩現「さぁUMAたちよ、ガキどもを追えッ!」

〇魔物の巣窟
浦上ナオキ「なるほど。僕たちはそれぞれ、そこに向かえばいいんですね」
南雲チハル「確かに、子供たちを連れてひたすら逃げるよりはいいのかも・・・」
南雲チハル「でもミチオ、あんたはどうするのよ?」
金丸ミチオ「俺は、研究所に残ってカナちゃんを探す」
南雲チハル「一人で!?」
浦上ナオキ「何言ってるんですか!?」
金丸ミチオ「カナちゃんは特別だって黒岩は言ってた」
金丸ミチオ「きっと、どこか別のところに移されているんだよ」
浦上ナオキ「でも危険すぎるんじゃ・・・」
金丸ミチオ「カナちゃん無しでは、帰れない」
三上ショウマ「俺は、そう言うだろうと思ってたよ」
南雲チハル「は~、その顔。 私たちが言っても聞かないんでしょ?」
金丸ミチオ「・・・ありがとう」
金丸ミチオ「みんなそれぞれの場所で、話した通り動いてほしい」
金丸ミチオ「その間に、俺はカナちゃんを探す」
浦上ナオキ「ミチオくんの助けになるのなら・・・わかりました!」

〇研究所の中
  ミチオたちは異次元の扉から飛び出して、研究所内に降り立った。
金丸ミチオ「ありがとう、オッサンたち。俺はここに残るから、みんなをサポートしてくれ」
小さいおっさん「兄ちゃん、しっかりな!」
  ミチオとくだんは台車を降りて、操作盤の影に身をひそめる。
南雲チハル「ミチオ・・・。絶対、捕まらないで」
  ミチオ以外の仲間たちは、台車に乗ったまま研究所を出ていった。
金丸ミチオ「・・・・・・」
  ミチオが陰に隠れていると、大量のUMAが溢れるように扉から出てきた。
  UMAはナオキたちを追って、次々と研究所を出ていく。
三滝「すっげ~。UMAの大行進だぁ」
黒岩現「ガキが捕まるのは時間の問題だろう。 俺たちは高みの見物と行こうぜ」
  不敵な笑みを浮かべながら、黒岩と三滝も研究所を出ていった。
くだん「・・・早々に『UMAが押し寄せ』たな」
くだん「黒岩は、UMAたちを従わせる何らかの術を持っているらしい」
金丸ミチオ「思ってた以上に恐ろしい・・・。 急いで、カナちゃんを見つけなきゃ」

〇原っぱ
三上ショウマ「ここで一旦、お別れだな」
浦上ナオキ「ですね。 それぞれ、目的地に向かいましょう!」
  ナオキとショウマは台車を降りる。
三上ショウマ「チハルさん、ちっさいおっさんたち、子供たちは任せたよ」
浦上ナオキ「みんな。 お姉さんの言うことをよく聞くんですよ」
  ナオキの言葉に子供たちが頷く。
南雲チハル「こっちは気にしないで。 あんたたちの方が危険なんだから」
浦上ナオキ「大丈夫です。 ミチオくんの考えた作戦がある」
三上ショウマ「賭けるしかないな。行くぞ!」
南雲チハル「おっさんたち、私と子供たちを、ミチオが言ってた洞窟に運んで! そこに隠れるの!」
小さいおっさん「了解や!」

〇研究所の中
  ミチオは研究所内にある様々なモニターの映像を確認した。
金丸ミチオ「このカメラの録画映像のどこかに、カナちゃんの姿が映っているはずなんだ」
くだん「そろそろUMAがみんなに追いつく頃かもしれない」
金丸ミチオ「みんな・・・。持ちこたえてくれ!」

〇湖畔の自然公園
浦上ナオキ「湖・・・」
浦上ナオキ「ミチオくんはここに援軍が来ると言っていましたが・・・」
  ナオキのもとにUMAたちが迫る。
チュパカブラ「グルルルル・・・」
浦上ナオキ「う、うわぁ! チュパカブラ! 本物ですね!」
浦上ナオキ「って、そんなこと言ってる場合じゃない・・・こ、来ないでください!」
  追い詰められ、後ずさりするナオキ。
  しかし、背後は湖で逃げ場がない。
浦上ナオキ「もう、逃げ場がない! 援軍は来ないんですかッ!?」
  じりじりと、UMAがナオキを追い詰めていく・・・。

〇村の広場
  ショウマは村の広場に走ってきた。
男の骸骨「オイ、オマエ」
三上ショウマ「!?」
男の骸骨「クロイワサマノ、ケンキュウジョカラニゲタノカ?」

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