雄馬町の怪

平家星

#22 異次元からの脱出(脚本)

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〇黒
  ミチオが姿を消し、黒岩が慌てふためく少し前の出来事・・・。

〇白
「・・・・・・」
「・・・・・・」
  BEKとなって立ち尽くすミチオたち。
  その時、ミチオのポケットから、強い光が放たれた。
  真っ黒だったミチオの眼球が、徐々に変化し、生気を取り戻していく。
金丸ミチオ「うっ・・・」
金丸ミチオ「こ、ここは・・・?」
  強い光を放つポケットの中を探った。
金丸ミチオ「この光・・・ケセランパサランが増えた時と同じだ・・・」

〇バスの中
南雲チハル「ほつれてるじゃん。貸して」

〇白
金丸ミチオ「もしかしてチハルさん、あの時、ケセランパサランを・・・」
  マスコットをチハルにかざすが、光は消えてしまった。
金丸ミチオ「消えた・・・。 俺を戻して、力を失ったのか」
金丸ミチオ(新しいケセランパサランがあれば、みんなも元に戻せるかも)
  ミチオは、皆を見つめる。
金丸ミチオ「必ず助けに戻るから・・・待ってて」

〇魔物の巣窟
  魑魅魍魎たちが跋扈する中を、ミチオは全力で走った。
金丸ミチオ(黒岩。最初から俺たちをBEKに変えるつもりだったのか。許せない)
  その時、研究所に繋がる扉が開いた。
  ミチオはとっさに、巨大な妖怪『見上げ入道』の影に隠れる。
黒岩現「ミチオ、どこに行きやがった」
  黒岩が歩き出し、扉が閉まる寸前。
金丸ミチオ(今だ!)
  ミチオは滑り込むように、密かに扉の外へ飛び出した。

〇研究所の中
金丸ミチオ「ハァハァ・・・」
くだん「おい! ミチオ、ここから出せ! 鍵は操作盤の上にある」
金丸ミチオ「くだん! すぐに助ける!」

〇寂れた村
金丸ミチオ「みんなを置いていくことになるなんて・・・」
くだん「救う手立てがない。黒岩はお前を探し回っているだろうし、仕方ない」
金丸ミチオ「雄馬神社の宮司さんに、ケセランパサランを分けてもらおう」
金丸ミチオ「それで、みんなをもとに戻せる」

〇神社の本殿
金丸ミチオ「燃えた!?」
宮司「ええ・・・残念ながら」
宮司「先日、不審火により、摂社が燃えてしまったのです」
宮司「残りのケセランパサランは、そこで保管していたので・・・」
金丸ミチオ「そんな・・・」
宮司「貴重な生物を失いました。大きな損失です」
金丸ミチオ「黒岩の仕業か・・・」
宮司「大丈夫ですか?」
金丸ミチオ「は、はい・・・」

〇学校のプール
金丸ミチオ「黒岩は、火事を起こしてケセランパサランを独占した」
金丸ミチオ「ここまで周到とは思わなかったよ・・・」
くだん「異次元に続く扉を開発できるほどの男だからな」
くだん「明日、取引を終えて準備が整えば、本当に地球外生命体を呼び出すかもしれない」
金丸ミチオ「とにかくみんなを助けなきゃ!」
くだん「でも、ケセランパサランは無いぞ」
金丸ミチオ「うん・・・そもそも、ケセランパサランを増やせたのだって、仲間がいたからなんだ・・・」
くだん「・・・そうだな」
金丸ミチオ「・・・お前も予言を終えたら、いなくなっちゃうんだろ?」
金丸ミチオ「そうしたら、本当に一人ぼっちになっちゃう・・・」
くだん「ま、数十年後に生まれ変わって、運よく再会することだってあり得ないとは言えん」
金丸ミチオ「その時には俺のこと、忘れてるくせに・・・黒岩のことも忘れたんだろ?」
くだん「・・・・・・」
金丸ミチオ「せっかく、友達になれたのに」
くだん「友達?」
金丸ミチオ「そう。お前は友達だよ」
くだん「俺は今まで、いろんな時代に生まれ落ち、多くの人間と出会ってきた」
くだん「皆、俺の予言をありがたがったが、それ以上の感情を抱いたものはいない」
くだん「お前もその一人だろう?」
金丸ミチオ「違う。お前は俺の友達だ。 大切な仲間の一人だよ!」
くだん「・・・・・・」

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