雄馬町の怪

平家星

#20 ブラック・アイド・キッズ(脚本)

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〇黒
  ミチオ達は、黒岩の研究所に設置された扉から、遂に異次元へと足を踏み入れた。

〇黒
金丸ミチオ(黒岩先生。どんな奴がやってきても、声を出しちゃいけないって言ってたな・・・)
金丸ミチオ「・・・ん・・・なにか来る・・・」

〇魔物の巣窟
  暗闇から現われた不気味な影。
  徐々にミチオたちに近づいてくるそれは、魑魅魍魎たちが闊歩する姿だった。
三上ショウマ(!? うわぁ~。化け物の行列・・・。 む、無視だ。俺は何も見ていない)
浦上ナオキ(狼男に、牛鬼、チュパカブラ。 遠くにいるのは・・・がしゃどくろ!)
浦上ナオキ(まさに百鬼夜行! くぅ~。たまりません)
南雲チハル(本当に化け物だらけじゃない! もう帰りたい・・・)
  すると、マスクをした女がショウマに話しかけてきた。
???「ねぇ・・・私って・・・綺麗?」
  女はそう尋ねてマスクを外す。
三上ショウマ「!?」
口裂け女「ねぇ・・・私って綺麗? ねぇ! ねぇってば!」
三上ショウマ「うっ。はい、きれ・・・」
  ショウマが答えようとしたとき、黒岩が素早くショウマの口を塞いだ。
黒岩現「何があっても、声を出すなと言ったろ。 黙って進め」
三上ショウマ「!」
  ショウマは黙って頷くと、下を向いて歩きだした。
口裂け女「ねぇ! 私って綺麗?」
三上ショウマ「・・・・・・」
金丸ミチオ(無視していれば、俺たちが人間であることに気づかないのか)
金丸ミチオ(黒岩先生の知識は、確かだな)
  妖怪たちを避けつつ歩いて行くと、目の前に白い空間が見えてきた。

〇白
黒岩現「皆、お疲れさん。ここは特別な場所だ」
黒岩現「特定のUMAしか入れない。 話しても大丈夫だぞ」
三上ショウマ「っぱぁ! ゼエゼエ・・・死ぬかと思ったぜ」
浦上ナオキ「何も、息まで止めなくても」
南雲チハル「呼吸したら、うっかり喋っちゃいそうだもんね。わかるわかる」
金丸ミチオ「黒岩先生。ここに奴が・・・」
黒岩現「ああ。スレンダーマンが来る。 カナちゃんも一緒だろう」
三上ショウマ「ミチオ、気をしっかりな」
南雲チハル「今回は私たちもいるんだから!」
浦上ナオキ「その通りです! 黒岩先生もいます。 百人力ですよ!」
金丸ミチオ「うん。ありがとう」
  ミチオのリュックで眠っていたくだんも顔を出した。
くだん「どれどれ。見物するとしようか」
黒岩現「来るぞ」
金丸ミチオ「黒岩先生・・・」
黒岩現「君たちはしっかりと準備した。 心配するな。自信を持て」
金丸ミチオ「・・・はい」
  皆が注目する中、白い空間に異様なほど背の高い人影──スレンダーマンが現れた。
スレンダーマン「・・・・・・」
  スレンダーマンに続いて、カナを含む数人の少年少女が歩いてくる。
金丸ミチオ「カナちゃん」
三上ショウマ「あの真っ黒な眼球。あれが・・・」
浦上ナオキ「ええ。ブラック・アイド・キッズ、BEKです」
黒岩現「姿を現したか、スレンダーマン。 BEKとなった子供たちは、それで全員だな」
スレンダーマン「・・・・・・」
  スレンダーマンは黙って頷く。
黒岩現「よし。では、取引を始めよう」
金丸ミチオ「取引?」
黒岩現「こちらの4人も、今すぐBEKにしろ。 そうすれば、お前たちに手出しすることはない」
金丸ミチオ「黒岩先生!? 何を言ってるんですか・・・?」
南雲チハル「ショウマ! 後ろ!」
  ショウマの背後に、別のスレンダーマンが現れて肩をつかんだ。
三上ショウマ「な、なんだ・・・」
  ショウマの瞳から光が失われて、真っ黒に変化した。
三上ショウマ「・・・・・・」
金丸ミチオ「ショウマ!」
南雲チハル「うそ・・・。やめて」
  さらに現れた別のスレンダーマンに、チハルが捕まる。
南雲チハル「・・・・・・」
金丸ミチオ「そ、そんな!」
浦上ナオキ「ミチオくん! 嫌だ! 嫌だ!」

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コメント

  • うわわー! まさかまさかー!

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