雄馬町の怪

平家星

#19 異次元への扉(脚本)

雄馬町の怪

平家星

今すぐ読む

雄馬町の怪
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇綺麗な一戸建て
  ケセランパサランを増やした仲間たち。
  黒岩のもとを訪れる前夜の、ミチオとくだん・・・。

〇男の子の一人部屋
  ミチオはベッドに横になりながら、クッションで丸くなっているくだんに尋ねた。
金丸ミチオ「明日、本当にカナちゃんを助けられるのかな」
くだん「黒岩という男、変わり者だが知識は確かのようだったぞ。・・・もう寝ろ」
金丸ミチオ「今度のチャンスは、絶対に逃せない・・・」
くだん「お前が気負っても、結果は変わらん。 人間って奴は、余計な心配ばかりする・・・」
金丸ミチオ「緊張して、眠れないんだよ。 ちょっとくらいつき合ってくれたっていいだろ」
くだん「・・・・・・」
金丸ミチオ「寝たの?」
くだん「・・・ぼんやりと、何かが見える・・・」
金丸ミチオ「えっ! 予言かよ!?」
くだん「暗い霧がかかって、はっきりしないが・・・これは・・・」

〇村の眺望

〇バスの中
三上ショウマ「バスを降りたら、またあの地図を使って、杉沢村に向かうんだろ? 面倒くせぇなぁ~」
浦上ナオキ「骸骨たちが怖いだけですよね?」
三上ショウマ「何だと!」
  ミチオは二人の会話を眺めながら、昨晩のくだんの予言について考えていた。
金丸ミチオ(昨日のくだんの予言)
金丸ミチオ(『仲間の身に、何かが起こる』って・・・いったい誰に?)
金丸ミチオ(俺は、みんなを連れてきて良かったのかな・・・)
南雲チハル「ミチオ」
南雲チハル「あんた、またなんか隠してるでしょ? くだんが、なにか予言したの?」
金丸ミチオ「いや・・・」
南雲チハル「隠してもわかる。白状しな」
金丸ミチオ「・・・『仲間の身に、何かが起こる』って・・・昨日の晩に、聞いたんだ」
南雲チハル「は~あ。それでまた一人で悩んでるんだ。 言ったよね? 隠し事は無しって」
金丸ミチオ「でも・・・」
南雲チハル「私たちは覚悟してるの。何が起きても、自分たちの責任だと思ってる」
南雲チハル「だから、あんたはカナちゃんのことだけ考えていればいいの」
金丸ミチオ「・・・ありがとう」
南雲チハル「あ、それ」
  チハルはミチオの携帯についているマスコットを指さした。
南雲チハル「ほつれてるじゃん。貸して」
  カバンから裁縫道具を出し、マスコットを修繕していく。
金丸ミチオ「チハルさんって、実は結構女子力高いよね」
南雲チハル「うるさいな。 集中できないから、あっち向いててよね」

〇村の広場
  村に到着したミチオたちは、黒岩にケセランパサランが入った箱を渡した。
金丸ミチオ「これで、全員分です。足りますか?」
黒岩現「ワオ! 大したもんだ」
黒岩現「ここまで増やすとは、想像以上だぜ。 やるな、君たち」
金丸ミチオ「じゃあ・・・」
黒岩現「ああ。これだけあれば、スレンダーマンにも対抗できる」
黒岩現「・・・異次元に行こう」
浦上ナオキ「ついにこの時が・・・」
南雲チハル「異次元って、前にミチオがカナちゃんを追って入ったところでしょ?」
三上ショウマ「また戻るとき、プール落っこちたりしないよな?」
黒岩現「安心しな。危険なく行き来できるよう、特殊な扉を用意している」
黒岩現「案内しよう」

〇寂れた村
  ミチオたちは、かやぶき屋根の家が点々と立ち並ぶ荒道を歩く。
金丸ミチオ「あの、黒岩先生。くだんは、本当にすべての予言を終えるといなくなるんでしょうか?」
黒岩現「ああ。・・・どの文献を見ても、そう書いてある。間違いないだろう」
金丸ミチオ「あんなに元気そうなのに・・・」
  先を行くナオキに抱えられたくだんを眺めながら呟く。
くだん「おい、もっと高く持ち上げろ!」
浦上ナオキ「こ、こうですか?」
くだん「つまらん、もっと高く!」
浦上ナオキ「高い高い!」
三上ショウマ「お前らな・・・」
南雲チハル「もうちょっと緊張感持ちなさいよ」
黒岩現「UMAに情が移ったか? 無意味だぞ。 根本的に、UMAが人間に情を抱くことはない」
金丸ミチオ「そうでしょうか?」
黒岩現「俺は経験で話しているんだ。 ミチオくん、君の気持ちはわかる」
黒岩現「だが、思い入れを持つほど、別れは辛くなるぞ」
金丸ミチオ「・・・はい」

このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です!
会員登録する(無料)

すでに登録済みの方はログイン

次のエピソード:#20 ブラック・アイド・キッズ

成分キーワード

ページTOPへ