雄馬町の怪

平家星

#18 未確認飛行生物(脚本)

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〇田園風景
  くだんは、ミチオの危機を予言した。
  ナオキは焦り、ミチオを探す・・・。
浦上ナオキ「電話が通じません。 ミチオくん、無事ならいいんですが・・・」
くだん「何しろ、ズタズタになってたからな。 俺の見た光景では」
浦上ナオキ「早く見つけないと・・・」
くだん「ああなったら、絶対死ぬな。 ミチオの最期だ」
浦上ナオキ「もう! それ以上、言わなくていいですよ! ミチオくんは、絶対に僕が・・・」
  その時、遠くの空に光の筋が現れた。
浦上ナオキ「!? 今のは!?」

〇森の中
  ミチオの携帯電話は、画面が乱れ、ノイズ混じりのけたたましい着信音が鳴り響く。
金丸ミチオ「どうした? 壊れたのか?」
  ミチオが空を見上げると、こちらに向かって飛んでくる謎の物体が見えた。
金丸ミチオ「何だあれは!? 流れ星!?」
  それは一つではなかった。空一面を覆うように飛んでくる大量の飛行物体。
金丸ミチオ「こ、こっちに、くる・・・!」
  走って逃げるミチオ。
  謎の光はミチオをめがけて、勢いよく向かって飛んでくる。
???「ミチオくん!」
浦上ナオキ「無事ですか!?」
金丸ミチオ「ナオキ、来るな! こっちは危ない!」
浦上ナオキ「僕が助けます!」
  ミチオに駆け寄るナオキ。
  そこに光の筋たちが高速で迫る。
金丸ミチオ「なんで来たんだよ!? もうダメだ! ぶつかる!」
浦上ナオキ「・・・!」
  二人は覚悟し、ぎゅっと目を閉じる。
  飛んできた光の大群は、二人の脇をぎりぎりでかわして直進していった。
金丸ミチオ「うわぁぁぁ!」
浦上ナオキ「ほほほほぉ! ・・・ぶ、ぶつからない・・・?」
  絶え間なく飛んでくる光の大群は、二人の傍をギリギリで飛んで、やがて上昇した。
  そして上空をぐるぐると旋回し始める。
金丸ミチオ「なんなんだ? あの光・・・」
浦上ナオキ「もしかして・・・」
  ナオキは携帯を取り出して、光を動画に撮影した。
  スローで再生すると、ひらひらとした魚のような姿が見える。

〇スカイフィッシュの群れ
浦上ナオキ「やっぱり、未確認飛行生物・スカイフィッシュです! あんなにたくさん!」
金丸ミチオ「スカイフィッシュ・・・花火みたいだ・・・」
浦上ナオキ「本当に・・・。綺麗ですね」
  空の光を見つめる二人。
  やがてスカイフィッシュは、遠くの空に消えていった。

〇森の中
金丸ミチオ「・・・行っちゃった」
浦上ナオキ「はい・・・」
金丸ミチオ「って、おい! 来るなって言っただろ!」
浦上ナオキ「向こうが避けてくれたから良かったじゃないですか」
金丸ミチオ「そんなこと、わからなかっただろ! ぶつかってたらどうなってたか・・・」
浦上ナオキ「じゃあどうしろと!?」
浦上ナオキ「くだんさんが予言したんですよ! ミチオくんが危ないって」
金丸ミチオ「そ、それにしたって、何の策もなく、飛び込んでくるなんて・・・」
浦上ナオキ「ああ、悪かったですね! 頭使えなくて!」
浦上ナオキ「とっさに体が反応したんですよ! そんなに怒ることですかね!?」

〇田舎道
  二人は相変わらず口論しながら、帰り道を歩いた。
金丸ミチオ「そもそも、なんでナオキは黙ってたんだよ!」
金丸ミチオ「くだんが死ぬ? そんな大事なこと真っ先に言ってくれなきゃ!」
浦上ナオキ「だ・か・ら! 言えなかったんですよ!」
浦上ナオキ「ミチオくんがショックを受けたらどうしようって・・・」
浦上ナオキ「めちゃくちゃ考えて、言わないって決めたんです!」
金丸ミチオ「ショックなんか受けない!」
浦上ナオキ「現にめちゃくちゃ動揺してるじゃないですか!」
  ナオキのカバンからくだんが顔を出す。
くだん「お前ら、いい加減やかましいぞ」
金丸ミチオ「やかましい? もとはと言えばお前のことでケンカになってるんだぞ!」
浦上ナオキ「そうですよ! 思う存分ケンカさせてください!」
くだん「・・・なんだ? こいつら」
金丸ミチオ「ナオキのバカ!」
浦上ナオキ「ミチオくんのアホ!」

〇田園風景
  ナオキと別れた後、ミチオはくだんと帰路についた。
くだん「楽しそうだったな」
金丸ミチオ「は? こんな口喧嘩、初めてしたよ」
金丸ミチオ「今まで、友達とケンカなんてしたことなんか、なかったのにさ」
くだん「そうかい」
金丸ミチオ「・・・お前、ナオキに嘘ついただろ?」
くだん「なんのことだ?」
金丸ミチオ「俺たちを仲直りさせようと、仕向けたんだろ?」
金丸ミチオ「俺に危険が迫る予言なんて、もともと無かったんだ」
くだん「フン」
金丸ミチオ「ナオキが来たって来なくたって、スカイフィッシュは別に危険な生物じゃなかったもんな」
くだん「知らんね」
金丸ミチオ「・・・お前って、変な奴」
くだん「お前には負けるね」
金丸ミチオ「なぁ、ホントにホントに、予言を終えたら死ぬのか? お前」
くだん「ああ。死ぬよ」

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