雄馬町の怪

平家星

#14 絆のケセランパサラン②(脚本)

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〇田園風景
  何かがチハルに群がり、彼女をさらう。
  ・・・そんな不吉な予言を聞いたミチオ。
  チハルのパニックを避けるため、そのことを黙っているミチオは・・・。
南雲チハル「あれ? あんた家こっちだったっけ?」
金丸ミチオ「お、おかまいなく・・・」

〇一戸建て
南雲チハル「何よ、うちまでついてきて」
金丸ミチオ「い、いやぁ~・・・」
南雲チハル「あのね、簡単に女の子の家に入れると思わないでよ」
金丸ミチオ「だ、大丈夫・・・。 入れてくれとは言わないから」
南雲チハル「変なやつ。じゃあね」
  チハルは家に入っていく。
金丸ミチオ「とりあえず、何にも起きなくて良かった」
くだん「フン。人間は、気を遣ってばっかりだな。 面倒な奴らだ」

〇綺麗なキッチン
南雲チハル「あれ? お砂糖、こんなに減ってたっけ? 最近、こういうこと多い気がするけど・・・」
南雲チハル「やばっ! もうこんな時間!」

〇一戸建て
  チハルが慌てて家を飛び出すと、玄関先にミチオが立っていた。
南雲チハル「えっ!? あんた、まだいたの!?」
金丸ミチオ「は、ははっ。うん、まだいました」
南雲チハル「・・・やっぱ、何か隠してるでしょ?」
金丸ミチオ「そんなことないって! いつも通り! チハルさん、お出かけ?」
南雲チハル「・・・うん。幼稚園に弟を迎えにいくの」
金丸ミチオ「あ、あれ? 弟いるんだっけ・・・」
南雲チハル「言ってなかった?」
南雲チハル「今日お母さん遅いから、私が行かないといけなくて」
金丸ミチオ「お・・・俺も一緒に行くよ」
南雲チハル「え? あの子人見知りだからダメよ」
南雲チハル「緊張して、ひと言も話せなくなっちゃうんだから」

〇田舎の公園
金丸ミチオ「ハルトくん、もう勘弁して~!」
南雲ハルト「キャハハ! ミチオ兄ちゃん、もう一回!」
金丸ミチオ「さ、最後だよ!」
  ミチオはハルトをおぶって、公園をぐるぐると走った。
南雲チハル「あのハルトが初対面の人と・・・。 ミチオ、恐るべし・・・」
南雲ハルト「キャハハハ! もう一回!」
金丸ミチオ「えっ!? 最後って言ったじゃん!」

〇一戸建て
  ミチオはクタクタの様子で、ハルトをおぶりながらチハルの家までやってきた。
南雲ハルト「キャハハ!」
金丸ミチオ「ハルトくん。と、到着~」
南雲チハル「ミチオ、サンキュ」
金丸ミチオ「へへ、お安い御用だよ・・・」
南雲チハル「・・・上がっていきなよ」
金丸ミチオ「え? いいの?」
南雲チハル「ハルト、あんたのこと好きみたいだし」

〇ファンシーな部屋
金丸ミチオ「女の子の部屋って、こんな感じか・・・」
南雲チハル「ハルト、疲れて眠っちゃった」
金丸ミチオ「たくさん、遊んだもんね」
南雲チハル「あんたとね。お疲れさま」
金丸ミチオ「素直でいい子だね、ハルトくん」
南雲チハル「わかった気がするよ。 カナちゃんが、あんたに懐いてた理由が」
金丸ミチオ「・・・・・・」
南雲チハル「早く、助けられるといいね」
金丸ミチオ「・・・うん」
南雲チハル「ごめん。なんか湿っぽくなっちゃった。 ・・・あれっ?」
南雲チハル「ちょっとミチオ! この箱、開けたでしょ!?」
  チハルが指さす先に、開かれたクッキーの缶の空き箱があった。
金丸ミチオ「へ? 開けてないけど」
南雲チハル「もう! 勝手に触らないでよね!」
金丸ミチオ「俺じゃないよ!」
南雲チハル「他に誰がいるってのよ!」
南雲チハル「あのさ、なんか今日ずっと、おかしくない? 変だよ、あんた」
金丸ミチオ「そんなことないって・・・」
南雲チハル「何か隠してるの?」
金丸ミチオ「何度も言ってるけど、何も隠してないよ!」
南雲チハル「・・・・・・」
金丸ミチオ「・・・・・・」
南雲チハル「・・・大きな声出してごめん」
南雲チハル「私が気にしすぎなのかもしれないけど、今日は帰って」
金丸ミチオ「・・・わかった」

〇ファンシーな部屋
南雲チハル「はぁ・・・。 ミチオ、中身見てないといいけど」
  そのとき、部屋の本棚から「ゴトッ」と音が聞こえた。

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