エガオカワイイ

小鳥ユウ

エピソード2(脚本)

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〇新橋駅前
入江ミサキ「就活しなきゃ、就職しなきゃ。 必要とされたい。役に立ちたい。みんなを笑顔に・・・」
「あなた、素晴らしいわ」
入江ミサキ「えっ・・・なに?」
ゆかり「あなた、いいわぁ」
入江ミサキ「急に、なんですか?」
ゆかり「ごめんなさい。あなたがかわいくてつい見惚れてしまったわ。ごめんなさい」
入江ミサキ「新手のナンパですか? 今、忙しいんですけど」
ゆかり「そう、かもね。あなた、仕事で悩みがあるわね?」
入江ミサキ「え、うーん。仕事というより就職がうまくいかないだけですけど......」
入江ミサキ(見ず知らずの人になんでこんなこと言っちゃったんだろう。でも、こうやって愚痴を言うのもいつぶりだろ)
ゆかり「そうよね! 若いのに辛いわよね。今の就活はどれだけ自分を洗い出しても、たたき出されて自分を見失ってしまう」
入江ミサキ(自分を、見失う......。確かにそうかも いつの間にか、自分の長所さえも分からなくなってた)
ゆかり「でも、私たちのところに来れば今の自分を愛せる。必要としてくれる仲間とも出会えるわぁ。ステキだと思わない?」
入江ミサキ「私を、必要としてくれる......」
ゆかり「どう、私たちの元で働かない? あなたにとって損はないと思うわ」
入江ミサキ(でも、こんな道中で働き口が見つかるかな? もしかしてなにか悪い)
ゆかり「私たちは悪い企業じゃないわ。ブラック企業なんてくそくらえっていう感じの人ばかりよ」
入江ミサキ「そ、それでも信用に足りません。 申し訳ありませんが・・・」
ゆかり「いいの? これが、あなたが輝ける最期のチャンスなのに」
入江ミサキ「まずは、あなたがどこの誰なのか、なんという会社なのかを知りたいです。そうじゃないとわかりません」
ゆかり「私はゆかり、株式会社ラフで販売員をしているわ。もっと知りたかったら、私についてきて」
入江ミサキ(株式会社ラフ? そんな企業あったかしら・・・)
入江ミサキ「でも、このまま逃したら話が二度と話を聞けなくなるかも! ま、待って!」

〇ファミリーレストランの店内
入江ミサキ(近くのファミレスに来ちゃったけど、なんでこんなところで......。 会社じゃないの?)
ゆかり「私のいる株式会社ラフではね、化粧品を他の人に売ってるの」
入江ミサキ「化粧品メーカーってことですか?」
入江ミサキ「口紅? 急になんで」
ゆかり「エガオルージュ。オリジナルブランドよ。これはね、他の口紅と比べ物にならない。人を輝かせる口紅よ」
入江ミサキ「人を、輝かせる...... どういうことですか?」
ゆかり「この口紅は、人の幸せホルモンを刺激して最高の笑顔を引き出すことができるのよ。 これは、日本の偉い人も証明しているくらいよ」

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コメント

  • 不穏な空気が漂い始めて、これからどうなってしまうのかゾクゾクしました。

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