雄馬町の怪

平家星

#13 絆のケセランパサラン①(脚本)

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〇神社の本殿
  黒岩現からの助言で、雄馬神社にやってきた四人は、宮司を訪ねる・・・。
金丸ミチオ「こちらで、『ケセランパサラン』を譲っていただけるとお聞きしてきたんです」
宮司「なるほど・・・」
宮司「その事実を知り、ここに来たということは、君たちは選ばれし者なのでしょう」
三上ショウマ「選ばれし者? なんだか大げさだな」
南雲チハル「いいじゃない。なんかカッコいい」
浦上ナオキ「本当にここにいるんですね! ケセランパサラン!」
浦上ナオキ「昔から探していた、憧れの生物です!」
宮司「少々お待ちを。お持ちしましょう」

〇神社の本殿
  宮司は社の奥から再び現れ、小さな木箱を渡した。
宮司「わずかではありますが、君たちに譲ります」
金丸ミチオ「ありがとうございます」
  箱の中には、ホコリのような白い塊が四つ入っていた。
金丸ミチオ「これが・・・ケセランパサラン」
三上ショウマ「ただのホコリにしか見えないな」
南雲チハル「うっかり捨てないように気を付けないとね」
浦上ナオキ「二人とも、失礼ですよ! とってもありがたい生き物なんですから!」
宮司「各々ひとつ持ち、増やしなさい」
三上ショウマ「増やすったって・・・これ、餌とか食べるのか?」
宮司「いえ、ケセランパサランを増殖させる唯一の方法は、『絆』です」
金丸ミチオ「絆・・・?」
宮司「互いの絆を深めなさい」

〇田舎道
南雲チハル「動物を育てるのなんて、小学校の生き物がかり以来なんだけど」
浦上ナオキ「家で保管しておけばいいらしいから、難しいことないと思いますが・・・『絆』が鍵というのが、抽象的ですね」
三上ショウマ「ホントにこんなちっこいのが、役に立つのかよな?」
金丸ミチオ「・・・・・・」
  ミチオは黒岩の言葉を思い出す。

〇村の広場
金丸ミチオ「ケセランパサランがあれば、スレンダーマンを倒せるんでしょうか?」
黒岩現「少なくとも、異次元から締め出されることは無くなる上に、スレンダーマンもこちらに手出しはできなくなるだろう」
黒岩現「ケセランパサランには、お守りのような力がある」
南雲チハル「お守り程度の力で大丈夫・・・?」
黒岩現「それ以上の力を発揮できるかは、君たち次第だ」
黒岩現「ケセランパサランの能力をどこまで引き出せるかは、持つもの次第で変わる」

〇田舎道
金丸ミチオ「とにかく今は、黒岩先生の言葉を信じてやってみるしかない」
三上ショウマ「ったく、面倒だけど仕方ねえな」

〇木造の一人部屋
  帰宅したショウマは、母の写真が置かれた仏壇に線香をあげた。
三上ショウマ「ここのところ、なんだか妙なバタバタに巻き込まれて、仏壇の掃除もちゃんとしてなかったな」
  目を閉じ、仏壇に手を合わせる。
三上ショウマ「俺、変なやつらと付き合ってるんだよ、最近」
三上ショウマ「ちょっと前までだったら、バカにして相手にしなかったような連中さ」
三上ショウマ「でも、居心地は悪くない」

〇山の展望台(鍵無し)
三上ショウマ「母さんがいなければ、俺は一人になっちまう」
金丸ミチオ「一人にはしない!」
三上ショウマ「そんなの信じられるかよ!」
金丸ミチオ「信じろ! お前は嫌だろうけど、俺たちはお前の味方だよ!」

〇木造の一人部屋
三上ショウマ「ったく、あんな奴を助けてやりたいなんて、我ながらどうかしてると思うよ」
  すると、突然ケセランパサランを入れた箱が光を放ち始めた。
三上ショウマ「な、なんだ!?」
  光はすぐに収まっていく。
  ショウマが箱を開けると、ケセランパサランが二つに増えていた。
三上ショウマ「ふ、増えてる! 増えてるじゃねえか!」

〇学校のプール
浦上ナオキ「えっ!? ケセランパサラン、増えたんですか!?」
三上ショウマ「ああ、なんだかわからんが、箱が光って、突然増えたんだ」
浦上ナオキ「すごい、一番乗りですね!」
金丸ミチオ「実は俺も、昨日の晩に増えてたんだ」
浦上ナオキ「宮司さんは『絆』が大事って言ってました。なにか心当たりはあります?」
金丸ミチオ「う~ん。わからない。ショウマはどう?」
三上ショウマ「・・・え?」
  ミチオの顔をじっと見るショウマ。

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