雄馬町の怪

平家星

#12 幻の杉沢村②(脚本)

雄馬町の怪

平家星

今すぐ読む

雄馬町の怪
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇霧の中
  骸骨に連れ去られた、ミチオと仲間たち。
  霧の中に広がるものとは・・・。

〇村に続くトンネル
  ミチオは女の骸骨に引っ張られながら、狭い洞穴に入っていった。
女の骸骨「・・・・・・」
金丸ミチオ「放せっ! お・・・俺は美味くないよ!」

〇寂れた村
  洞穴を抜けると、そこにはかやぶき屋根の民家が並んでいた。
  女の骸骨は、ミチオを一軒の民家の前に連れてきた。
女の骸骨「ハイレ」
金丸ミチオ「痛っ!」
  民家の中に乱暴に放り込まれる。

〇古民家の居間
  そこは、中央に囲炉裏がある古い民家だった。
  心配そうな顔をした、ナオキ、ショウマ、チハルの三人もいる。
金丸ミチオ「みんな!」
浦上ナオキ「ミチオくん!」
南雲チハル「無事でよかった!」
  ミチオを案内した女の骸骨は、扉を閉めて出て行った。
金丸ミチオ「ここは・・・?」
三上ショウマ「わからない・・・。扉は開かないし、もう・・・絶望的だ・・・」
浦上ナオキ「おそらくここが、幻の杉沢村でしょう!」
三上ショウマ「お前、こんな目に合っても、そのテンションかよ・・・」
浦上ナオキ「村が本当にあることが分かったんですから、当然です!」
南雲チハル「ヘンタイよ、まったく。 オバケに捕まっちゃったっていうのに」
浦上ナオキ「う~ん、確かにこのシチュエーション、オニババやヤマンバの民話に重なりますね」
浦上ナオキ「参りました」
三上ショウマ「お、俺たちやっぱ食われるのかな・・・」
金丸ミチオ「シッ・・・誰か来る・・・」
  扉を開けて入ってきたのは、男の骸骨と、大柄な男だった。
???「非常に健康的・・・理想の少年少女だ」
金丸ミチオ「な・・・何を言ってるんだ?」
???「この骸骨たちが君たちを食べるのを見学させてもらう・・・」
金丸ミチオ「!?」
南雲チハル「い、意味わかんなんだけど!」
浦上ナオキ「僕たちを食べる・・・」
三上ショウマ「ひ・・・ひえぇぇ!」
男の骸骨「・・・・・・」
???「手はじめは、誰にしようか。 さぁ・・・喰らいつけ!」
金丸ミチオ「うわぁ!」
南雲チハル「ギャーッ!」
三上ショウマ「ぜったい、俺よりこいつらの方が美味いって!」
男の骸骨「・・・コノクライニシマショ。アクシュミデス」
???「ふふふ」
金丸ミチオ「へ?」
???「ふはははは! 悪い! ちょっとからかった! 食べさせるわけないだろ」
金丸ミチオ「な・・・何を言ってるんだ?」
???「骸骨たちに頼んだんだ。 できるだけ怖がらせて、連れてきてくれってね」
???「いい顔してたよ、君たち! それが見たかった。手紙をくれたのは君たち?」
金丸ミチオ「手紙? じゃああなたは・・・」
黒岩現「イエース! UMA研究の第一人者、黒岩現!」

〇村の広場
  ミチオたちは村の広場に出て、ベンチに腰掛けて話をした。
南雲チハル「冗談じゃないわよ。寿命縮んだ」
三上ショウマ「ホントに・・・」
三上ショウマ「UMAオタクってのは、やっぱりまともじゃねえのか?」
黒岩現「ふはははは! 悪くとるなって!」
黒岩現「変わらない毎日に飽き飽きして、刺激を求めてたんだ!」
くだん「俺にはわかってたけどな。 骸骨たちに悪意が感じられなかった」
浦上ナオキ「さすが、くだんさん! 見抜いていたんですね!」
  そのとき、何者かがショウマの服の袖を引っ張った。
子供の骸骨「アソボ」
三上ショウマ「う、うわぁ!」
南雲チハル「かわいいじゃない。遊んであげなよ」
三上ショウマ「は、ははは・・・」
金丸ミチオ「あ、あの・・・黒岩先生。 手紙に書いた件なんですが・・・」
黒岩現「ああ。スレンダーマンに連れ去られた女の子の件ね」
金丸ミチオ「実はあの後、一度だけその子を見たんです」
金丸ミチオ「様子がおかしくて・・・自らスレンダーマンの元に駆けて行ってしまいました」
黒岩現「もしかして、その子、黒目しかなかったんじゃない?」
金丸ミチオ「黒目?」

〇黒
金丸ミチオ「カナちゃん! 俺だよ、ミチオだよ!」
北条カナ「・・・・・・」

〇村の広場
金丸ミチオ「はっ、はい! 確かに、そうでした!」
黒岩現「ビンゴ! ブラック・アイド・キッズ、通称・BEKだ」
浦上ナオキ「BEK? 聞いたことがあるような・・・」
黒岩現「BEKは、海外では『悪魔の子』とも呼ばれてる」
黒岩現「ま、目撃情報があるだけで、その性質は明らかになってないんだけどね。おぉ怖い」
金丸ミチオ「そんな! 悪魔の子だなんて・・・。 カナちゃんは、普通の小学生です」
黒岩現「わかってるって。 俺は、ずっと唱え続けてきたから」
黒岩現「BEKとスレンダーマンとの関連性をね」
金丸ミチオ「関連性?」
黒岩現「おそらく、スレンダーマンにさらわれた子供は、BEKにされ、意志を失った人形のようになる」
南雲チハル「そんな・・・それから、どうなっちゃうんですか?」
黒岩現「ははは、まだわからない。 俺も知りたいのさ」

このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です!
会員登録する(無料)

すでに登録済みの方はログイン

次のエピソード:#13 絆のケセランパサラン①

ページTOPへ