雄馬町の怪

平家星

#11 幻の杉沢村①(脚本)

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〇田舎町の駅舎
  四人と一匹は、黒岩が送ってきた不思議な地図に記された『杉沢村』を目指す・・・。
浦上ナオキ「じっと観察してわかったことですけど、地図に表示される杉沢村の位置は、2時間ごとに動くようです」
金丸ミチオ「つまり、2時間以内に地図の場所に行って、黒岩先生に会わないといけない・・・ってことか」
三上ショウマ「・・・ったく、どんな不便な村だよ」
三上ショウマ「・・・で、アンタはなんでメイクしてるの? 会いに行く相手はオッサンだぜ?」
南雲チハル「どこにチャンスが潜んでるかわからないでしょ?」
南雲チハル「意外と、バラエティのプロデューサーと繋がってるかも・・・」
くだん「余白たっぷりの顔面だから、絵の描き甲斐があるな」
南雲チハル「はぁ!? どういう意味よ! この牛モドキ!」
金丸ミチオ「のん気と言うか、何というか・・・あっ! 地図が動いた!」
浦上ナオキ「ここは・・・隣町の近くですね! バスを使いましょう!」

〇田舎のバス停
  四人はバスを使い、木々が生い茂る森の前までやってきた。
金丸ミチオ「ここから、地図に従って森に入ろう」
  歩き出そうとしたとき、ショウマのリュックから、何かが地面にドサッと落ちた。
三上ショウマ「!」
浦上ナオキ「ショウマくん、それって御札ですか?」
三上ショウマ「・・・謎の地図に載ってる場所に行くんだ。念のためな」
南雲チハル「やっぱり、ビビってるでしょ? あんた」
三上ショウマ「おっ、お前らを守ってやるために持ってきたんだ! ありがたく思いやがれ!」

〇霧の立ち込める森
南雲チハル「すごい霧ね・・・」
三上ショウマ「何時間歩くんだよ? 道は合ってるんだよな?」
浦上ナオキ「た・・・多分」
金丸ミチオ「コンパスを見る限りは、合ってると思うけど」
南雲チハル「ちょっと、しっかりしてよね! ・・・ん?」
  視界の先に、うっすらと男の人影が見えた。
南雲チハル「良かった、人がいる! 道を聞こう!」
南雲チハル「すみませ~ん。あの~、杉沢村って・・・」
  だんだんと近づいてくる、男の影。
  徐々にその顔が見えてくる・・・。
男の骸骨「・・・オマエタチ・・・」
南雲チハル「!? そ、その顔・・・」
三上ショウマ「で・・・出たぁ!」
金丸ミチオ「逃げろぉッ!」
男の骸骨「マテ・・・」
  走り出した四人を、骸骨の男が猛スピードで追いかける。
浦上ナオキ「骸骨なのに、足が速いんですねぇ」
三上ショウマ「のん気なこと言ってんなよ! もっと速く走れ!」

〇霧の立ち込める森
金丸ミチオ「なんとか・・・振り切った・・・」
南雲チハル「あれ、オバケよね・・・」
  くだんはカバンから顔を出して笑う。
くだん「お前らの顔、傑作だな。今までで一番だ」
浦上ナオキ「あれは、UMAですかね? 妖怪ですかね? とても興味深いです!」
くだん「お前はお前で、面白いな」
南雲チハル「ちょっとショウマ! あんた、どうして御札を使わないのよ!?」
三上ショウマ「そんな余裕あるかよ!」
南雲チハル「なんのための御札よ!」
三上ショウマ「うるせえ! もし次があったら、ドクロの顔に張り付けてやらぁ!」
金丸ミチオ「黒岩先生は、どうして俺たちをこんな場所に呼んだんだろう・・・」
南雲チハル「絶対ヤバい奴なのよ」
南雲チハル「私たちをオバケに喰わせようとしてるんだって!」
三上ショウマ「違いない。俺たちはハメられた!」
「私たち(俺たち)はここで死ぬ!」
浦上ナオキ「お二人、いつになく息ぴったりですね」
金丸ミチオ「・・・とにかくもう、先に進むしかないよ」

〇霧の中
三上ショウマ「さっきより、霧が濃くなってきたな・・・湖があるからか」
金丸ミチオ「・・・・・・」
三上ショウマ「お、おい! ミチオ。黙って歩くなよ」
金丸ミチオ「えっ? ああ。ごめん」
三上ショウマ「何か話をしろよ。最高に面白いやつ」
金丸ミチオ「最高に面白い? ハードル高いな」
三上ショウマ「じゃあ、中くらいでもいいからよ・・・」

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