アテナ任務遂行中!

木佐マコ

第20話 夏だ! 海だ! 肝試しだ!①(脚本)

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〇商店街
  商店街の一角に設置された「大空商店街サマー福引」のコーナー。
  そこでみこは、真剣な表情をして福引用のガラガラを回していた。
  何度かガラガラを回すと、中から金色の玉がコロリと出てきた。
  カランカラン!
男性「大当たり~!」
男性「1泊2日の海リゾートの旅。 4名様ご招待~!」
高原みこ「やったー!」
  男性がみこに豪華なホテルの描かれたポスターを手渡す。
  ホテルの隣には、何やら古めかしい建物の一角が見切れていた──

〇黒
  数日後。みこたちは福引で当てたリゾート地にやってきた。

〇おんぼろの民宿
  今にも崩れそうなボロボロの旅館に、「民宿りぞおと」の看板がぶら下がる。

〇ビジネスホテル
  その薄汚れた民宿の横には、新築の豪華なホテルが建っていた。

〇おんぼろの民宿
嘉成光「りぞおとって・・・こんなの詐欺だよ!」
高原みこ「わー! 幽霊が出そうだね!」
高原小太郎「姉ちゃん、そういうこと言わないでよ!」
アテナ「非科学的です。そんなものいませんよ」
女将「ほっほ、うらめしや~」
高原小太郎「ひぃ! 幽霊!?」
アテナ「落ち着いてください、人間です」
女将「海しかないところですけど、楽しんでいってくださいねえ」
高原みこ「海!」

〇海岸線の道路
高原みこ「海!」

〇海辺
高原みこ「海だー!」
嘉成光「いくよ、みこちゃん 嘉成光スペシャルアターック!」
高原小太郎「ちょっと、光兄ちゃん! まじめにやってよ!」
高原みこ「高原みこ、スペシャルレシーブ!」
  みこめが打ち返そうとしたボールを、代わりにアテナが打ち返した。
嘉成光「ちょ、今のボールはみこちゃんに!」
高原みこ「もう! アテナ、さっきから横取りばっかり!」
アテナ「100%勝つ手段を取ったまでです」
高原小太郎「うわ~、大人げない」
嘉成光「いつもみたいに、守るためとかでもないんだ」
高原みこ「私が打ったって勝てるのにー!」

〇空
  みこたちがビーチバレーで遊んでいると、急に雲行きが怪しくなってきた。

〇海辺
  鳴り響く雷鳴と共に、海からわかめの塊がざばっと現れた。
「わぁあ!?」
  わかめの塊の中から人影が現れる。
高原みこ「わかめ怪人!?」
木藤健一「ものすごい力を感じる・・・!」
嘉成光「ん? この声」
木藤健一「ハーライタマエ、キーヨメタマエェエ! ホワァーッ! エイッ」
嘉成光「やっぱりきと・・・っうわぁ!?」
  木藤が奇声をあげた瞬間、光の足元に大きな穴が開く。
  光は深い穴の底に落下していった。
アテナ「木藤健一? どうしてここに」
木藤健一「高原さん! また新しい力を手に入れましたよ!」
高原小太郎「ええっ、姉ちゃんの友達!?」
木藤健一「アテナさんに飛ばされて、海をずっと泳いできた成果です!」
高原みこ「うん! やっぱり木藤くんはすごいね!」

〇黒
嘉成光「なんでいつも俺だけ・・・」

〇海辺
  そんなみこたちの様子を、羨ましそうに眺めている人影があった。
丑三崇「いいなぁ、みんなで・・・楽しそう」
  彼の名前は丑三崇(うしみつたかし)。
  そのとき、崇の足元にビーチボールがコロコロと転がってきた。
高原みこ「おーい、ボール取ってー!」
丑三崇「えっ」
  崇はボールに触れようとするが、途中で手を止めるとそのまま去って行った。
高原みこ「あれ? 聞こえなかったかな」
アテナ「ボールは呼んでも帰ってきませんよ、御主人(マスター)」
高原みこ「違うよ、男の子がいたの!」

〇旅館の和室
女将「ほっほ。肝試しをするんでしたらね、森の遊園地がおすすめですよ」
嘉成光「なんで肝試しをする前提で話すんだ・・・」

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