雄馬町の怪

平家星

#7 ナリーポンの実①(脚本)

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〇田舎の学校
  くだんの存在を、ナオキに明かしたミチオ。
  これまで身の回りで起きた不可思議な事件についても、ナオキに共有した・・・。

〇教室の外
  ミチオとナオキは、本を開いて校庭の片隅で話し込んでいた。
  『未確認生物大百科』
浦上ナオキ「・・・なるほど。ミチオくんの目の前でカナちゃんをさらった怪人は、やっぱりスレンダーマンのようですねぇ」
金丸ミチオ「初めてこの本を見せられた時は、驚いたよ・・・」
金丸ミチオ「ねぇナオキ、カナちゃんが連れ去られた異次元って、どうやって見つければいいんだろう?」
浦上ナオキ「さぁ・・・なにせ異次元ですから、そう簡単に見つけられるものじゃないですよねぇ」
金丸ミチオ「そっか・・・」
浦上ナオキ「・・・残念ながら」
金丸ミチオ「・・・・・・」
浦上ナオキ「・・・そうだ! ミチオくん、僕に考えがありますっ!」
金丸ミチオ「えっ?」
浦上ナオキ「これです!」
  ナオキが本の表紙を指さした。
  そこには、著者名である『黒岩現』の名前が記載されていた。

〇古い図書室
  図書室で手紙を書いているミチオを、くだんがのぞき込む。
くだん「手紙とは、また古風な」
金丸ミチオ「だね。でも今回は、いいアイデアだと思うよ」
浦上ナオキ「でしょでしょ! 黒岩先生なら、的確な助言をくれると思いますよ!」
金丸ミチオ「俺たちの周りで起きてること、具体的な内容は伏せて、相談してみよう」
金丸ミチオ「古い本だし、ちゃんと届くかわからないけど・・・」
浦上ナオキ「きっと、届きますよ! ・・・先生から返事がきたら、感激だなぁ!」
くだん「そんなことよりナオキ、今日のぶんのトウニュウ、まだもらってないぞ」
浦上ナオキ「あっ、はい! 購買で買ってきますぅ!」
金丸ミチオ「・・・俺の知らないうちに、妙な関係を築くなよ・・・」

〇田園風景
  ミチオは書き終えた手紙をポストに投函した。
金丸ミチオ「・・・よし!」
浦上ナオキ「さぁ、次はショウマくんのいる病院に向かいましょ~」
金丸ミチオ「はぁ・・・。どうして俺が、あいつにプリントなんか届けなきゃいけないんだよなぁ」
浦上ナオキ「まあまあ。僕も付き合いますから! ショウマくん、感じ悪くて面白い人ですし」
金丸ミチオ「その感覚、俺にはわからないわ・・・」
くだん「おい。電柱の陰、またいるぞ」
金丸ミチオ「・・・またか」

〇田園風景
  電柱の陰に隠れて、南雲チハルがミチオたちの様子をうかがっていた。
南雲チハル「怪しい動きは、無し。・・・まったく、早くしっぽを出しなさいよ!」

〇田舎の総合病院

〇中庭
金丸ミチオ「はい、これ。先生から」
三上ショウマ「・・・ああ」
浦上ナオキ「・・・具合どう? 明日には退院するんでしょ?」
三上ショウマ「・・・・・・」
  ナオキの言葉には反応せず、ショウマは遠くを眺めている。
浦上ナオキ「おーい、ショウマくん?」
三上ショウマ「・・・・・・」

〇病院の入口
浦上ナオキ「今日のショウマくん、なんだか面白さに欠ける感じでしたね」
金丸ミチオ「確かに。・・・イヤミがないのはいいけど、上の空というか・・・」
金丸ミチオ「なんだか別人みたいに感じた」
浦上ナオキ「ケガのせいですかねぇ・・・」

〇病院の入口
  一方、チハルはミチオたちがショウマと話す様子を陰から見ていた。

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