雄馬町の怪

平家星

#5 人魚の災い①(脚本)

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〇古い図書室
  変わり者の同級生・ナオキの口から出た『くだん』の言葉。
  ナオキの追及に対し、ミチオは慌ててごまかすが・・・。
浦上ナオキ「ほ~、それでマットを敷いてたんですかぁ」
金丸ミチオ「そうそう! 体操の練習をしようと思ったの! そしたら偶然ショウマが落っこちて・・・」
浦上ナオキ「そうですかぁ、残念。 幻のくだんに会いたかったなぁ」
金丸ミチオ「はは・・・あてが外れたね」
浦上ナオキ「最近、不思議なことが多いですから、勘違いしました」
浦上ナオキ「あ、僕にちょっとした持論があるんですけど、聞きたいですか~?」
金丸ミチオ「え?」
浦上ナオキ「実はね、この町で、何か怪奇なことが起こってるんじゃないかって思ってるんです」
金丸ミチオ「怪奇な・・・」
浦上ナオキ「カナちゃんって女の子が失踪したのは知ってます?」
金丸ミチオ「・・・う、うん。もちろん」
浦上ナオキ「僕、あの子をさらったのは、異世界から来た、スレンダーマンの仕業じゃないかと思ってるんです」
金丸ミチオ「スレンダーマン?」
浦上ナオキ「これです。スレンダーマンは子供をさらうUMAなんです~」
  ナオキは開いたページを指さす。
金丸ミチオ「! こ、これ・・・」

〇黒

〇古い図書室
  本には、ミチオが見た怪人によく似たイラストが載っていた。
金丸ミチオ「こいつが・・・スレンダーマン・・・」
浦上ナオキ「そう。なんの痕跡も残さずに子供をさらえるなんて、異次元から来たこいつ以外にいない」
金丸ミチオ「・・・・・・」
浦上ナオキ「・・・と、僕は思うんですね~。 ま、だれも取り合ってくれないんですけどっ」

〇綺麗な一戸建て

〇男の子の一人部屋
くだん「確かに、あの小僧の勘の鋭さ、見上げたものだ」
金丸ミチオ「そんな気楽なもんじゃないよ」
金丸ミチオ「あいつ、そのうちお前のことに気がつくかも。バラされたら、町中パニックだぞ」
くだん「・・・・・・」
金丸ミチオ「スレンダーマンってのも気になるし・・・。異次元って、大丈夫かな・・・」
金丸ミチオ「・・・何とか言えよ」
くだん「・・・池が見える」
金丸ミチオ「それって、予言!? もっと詳しく聞かせて!」
くだん「人間が集団で、魚のようなものに群がり・・・終いには殺してしまう」
金丸ミチオ「・・・なんだ? その予言」
くだん「そして・・・町を大きな水害が襲う。 結果、大勢の人間が死ぬことになる」
金丸ミチオ「はぁ?」
くだん「以上だ」
金丸ミチオ「以上だ、じゃないよ! 魚を殺して水害? 大勢死ぬ? 脈絡がなさすぎる」
くだん「見えたのはそれだけだ。欲しがるんじゃない」
金丸ミチオ「モヤモヤするなぁ!」

〇教室の外
  翌日。ミチオが座って昼食をとっていると、ナオキが走ってきた。
浦上ナオキ「ミチオく~ん!」
金丸ミチオ「おお・・・えーっと、ナオキくん」
浦上ナオキ「ナオキでいいですよぉ! それより聞きました!?」
浦上ナオキ「雄馬池に『池の水、抜きまSHOW!』が来るって!」
金丸ミチオ「えっ? あのTV番組?」
浦上ナオキ「そうです! 超すごいですよね!」
金丸ミチオ「へっ、へぇ~」
金丸ミチオ(予言の『人間が集団で魚のようなものに群がる』って・・・あのTV番組のことか)
浦上ナオキ「池の水、全部抜くらしいですよ! 珍しい生き物が出てくるのかなぁ~。わくわく」
金丸ミチオ「・・・あのさ、殺すと水害が起きるような、UMAっている?」

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