〇遊園地のプール
　　──某日、市内ペット共用プール──
レッド・アルファ「こちら、レッド・アルファ。こちらには見当たらない。どうぞ」
サマー・ベータ「こちら、サマー・ベータ。対象は南に移動している模様。追いかける！」
グルタミン・G「サマー、待て！　深追いするな！　奴はヤバい！　慎重に誘い込め！」
グルタミン・G「な、なんだ!?　サマー！　レッド！」
グルタミン・G「グッ！　や、やはりオマエだったのか、」
「・・・バナナ・ホース」

〇遊園地のプール
ベア「き、キミはいったい、いったい何なんだ？」
バナナ・ホース「呼吸を極めしモノ、・・・ブラック・ベア」
ベア「僕を知って？」
バナナ・ホース「呼吸を極め、全てになりすます」
バナナ・ホース「それが呼吸に目覚めたモノ、全ての夢」
ベア「僕を殺しに来たのかい？」
バナナ・ホース「いや、ボクはただの馬。幾つかの呼吸を使えるだけの。ただの馬」
バナナ・ホース「・・・ただ、・・・人の呼吸に目覚めたケダモノが居ると聞いて、つい心が騒いでしまった」
ベア「・・・・・・」
ベア「渡さないよ。彼は僕が守る」
バナナ・ホース「人の呼吸の使い手。その命、今は預けておこう。だが、」
バナナ・ホース「ボクの中のケダモノが、いつまで我慢出来るか、だね」
バナナ・ホース「今日はキミに逢えた。それで良しとしよう」
バナナ・ホース「さらばだ。ブラック・ベア」
ベア「・・・梅ちゃん。キミは僕が絶対、」

〇遊園地のプール
梅沢「オマエ、無事だったんだな！　良かった！」
梅沢「って、なんだ、このたくさんの人！　し、死んでる？」
ベア「死んではいない。一度に多量のバナナを食べさせられただけ」
ベア「ただの・・・仮死状態さ」
梅沢「ば、バナナを多量に？　何言ってるのオマエ」
ベア「梅ちゃん、僕が教えるよ。人の呼吸。キミにしか出来ない。人を捉える英知を」
梅沢「と、とりあえず良かった！　オマエが無事で！」
梅沢「・・・オマエが平和で居てくれて」
梅沢「寝るなよ」