雄馬町の怪

平家星

#4 くだんの予言(脚本)

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〇田園風景
  くだんが予言したのは、全身骨折で死ぬ少年の姿。
  それはミチオのクラスメイト、三上ショウマだというが ・・・。
金丸ミチオ「どうして、ショウマが死ぬんだよ」
くだん「知らん。見えたのは、あの小僧の変わり果てた姿だけだ」
金丸ミチオ「場所も時間もわからない?」
くだん「場所はわからん。 日が差していたし、時間は昼間だろう」
くだん「・・・なぜそんなことを気にする? あいつはお前の天敵だろう」
金丸ミチオ「まぁ、そうだけど ・・・」
くだん「死ねば好都合のはずだ」
金丸ミチオ「・・・人間、そんなに単純じゃないの!」
くだん「わからんね」

〇教室
  翌日。昼休憩の時間になったが、ショウマには特に変わった様子はない。
金丸ミチオ(よかった。とりあえずは、いつもどおり ・・・)
金丸ミチオ「ん? どこに行くんだ?」

〇体育館の外
  ショウマは体育館の中に入っていく。
  ミチオはくだんをカバンに入れて、ショウマの後をこっそりとつけた。
金丸ミチオ「ショウマのやつ、いつもどこかに消えると思ってたけど ・・・」
くだん「・・・昼寝をしようと思ったのに。 連れまわすな」

〇体育館の屋上
  ショウマが屋上に上がると、そこには先客──浦上ナオキがいた。
三上ショウマ「なんでお前がいるんだよ!」
浦上ナオキ「あっ、ショウマくん」
三上ショウマ「・・・ここには来んなって言っただろ!」
浦上ナオキ「いやぁ、今日こそUFOが現れるんじゃないかって予感がしたので」
三上ショウマ「なんだそれ。気持ち悪ぃんだよ」
浦上ナオキ「いいじゃないのぉ~。 一緒に、UFO呼びましょう」
三上ショウマ「な、なれなれしいんだよ、テメエ。 ここは、俺専用! 出ていけ!」
浦上ナオキ「専用? そうなんですか?」
三上ショウマ「ここは俺の場所なんだ。 俺の許可なしでは、入れない」
浦上ナオキ「それは知らなかったです。残念」
  歩き去っていくナオキ。
  ショウマはそれを見届けると、屋上の床に横になった。

〇屋上の入口
浦上ナオキ「やあ、君もUFOを探しに来たんですか?」
金丸ミチオ「え? ・・・はは ・・・違う」
浦上ナオキ「ショウマ君に許可もらいました? もらわなきゃダメですよ」
金丸ミチオ「い、いや ・・・」
浦上ナオキ「じゃあ、ばいばいです」
金丸ミチオ「変なやつ ・・・」

〇男の子の一人部屋
金丸ミチオ「結局、手がかりは無し ・・・か」
くだん「天敵のために頑張るとは、不可解だ」
金丸ミチオ「俺にもわからないけど ・・・ただ黙って見てるのも気持ち悪いっていうか ・・・」
くだん「ふん。まぁ、勝手にすればいいさ。 ・・・おっ ・・・見えるぞ」
金丸ミチオ「予言か!」
くだん「なるほどなるほど ・・・」
金丸ミチオ「なぁ、何がわかった!?」
くだん「・・・バナナ味のトウニュウ。 話はそれからだ」
金丸ミチオ「・・・はいよ」

〇体育館の屋上
金丸ミチオ「だから! ここは危ないんだって!」
三上ショウマ「・・・は? わけわからないことで貴重な昼寝タイムを邪魔すんじゃねぇよ」
金丸ミチオ「ここの天井が崩落するまで、もう時間がないんだ!」
三上ショウマ「はいはい、いつものウソね」
三上ショウマ「俺、お前みたいな中身のない目立ちたがり屋、大嫌いなんだよ」
金丸ミチオ「頼む! 頼むから信じてくれ!」
三上ショウマ「うるせえな。 ・・・なに? 予言のつもり?」
三上ショウマ「そんな力があるなら俺を助ける前に、カナちゃんを助けてやれば良かったのによぉ」
金丸ミチオ「・・・!」
  ガシッ!
三上ショウマ「おうおう、暴力ですか」
金丸ミチオ「・・・もういいよ」

〇屋上の入口

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コメント

  • おー! ミチオ、やりますね!

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