第17話 アテナ、呪われる!②(脚本)
〇祈祷場
祭壇に寝かされたアテナの前で、木藤が御幣(ごへい)を振りかざす。
木藤健一「ハーライタマエ、キーヨメタマエエェエ!」
木藤健一「ホワァーッ! エイッ」
奇声をあげて祭壇を睨みつけるが、アテナには何の反応もない。
木藤健一(・・・おかしい。解けないな)
嘉成光「ん? 終わったかな?」
高原みこ「アテナの呪い、解けた!?」
木藤健一「!」
木藤健一「・・・ッホ、ホアチャア~~~~ッ! アタァッ!」
嘉成光「あ、まだ続きがあった」
高原みこ「早く解けないかなー!」
〇神社の本殿
木藤健一「タタァアア~~ッ!」
〇祈祷場
高原みこ「祈祷って時間かかるんだね・・・」
嘉成光「Zzz・・・」
木藤健一「ホ、ホンニャラ・・・ホワァッ!!」
高原みこ「あっ、その力は!」
嘉成光「はっ! 何!? アテナの呪い、解けた!?」
光が祭壇を見ると、アテナの体が10センチほど宙に浮いていた。
嘉成光「こ、これは! まさか浮いている・・・だけ!?」
高原みこ「やっぱり木藤くんってすごいね! 小学生の頃よりいっぱい浮いてる!」
嘉成光「いや、確かにすごいけど・・・」
木藤健一「っはぁ、はぁ・・・呪いが強力になっている・・・今の僕にはこれが限界です」
高原みこ「じゃあ・・・アテナの呪い、解けないの?」
木藤健一「うう・・・っ、だ、大丈夫です!」
木藤健一「僕が絶対に解きますよ! 高原さんの笑顔のために!」
嘉成光「今のが限界なのに?」
木藤健一「それを突破するんですよ! 修行して!」
〇滝つぼ
土砂降りの雨の中、白装束に着替えたみこたちは滝に打たれて修行していた。
木藤健一「キ~ヨメタマエ! ホアチャァ!」
高原みこ「キ~ヨメタマエ! ホアチャァ!」
嘉成光「なんで僕まで・・・ッ」
高原みこ「光くんも、ほら! ホアチャァ!」
嘉成光「・・・ん~~ッ、キ~ヨメタマエ! ホアチャァ!」
木藤健一「その調子です!」
〇祈祷場
祈祷場に戻った木藤は、びしょぬれのまま祭壇に向かって御幣を振りかざした。
みこと光は、カップラーメンを食べながら木藤の様子を見守っている。
嘉成光「はあ~、あったまる・・・」
木藤健一「ハーライタマエ、キーヨメタマエエェエ! ホワァーッ! エイッ」
アテナ「・・・・・・」
木藤健一「ま、まだ力が足りないのか・・・っ!」
木藤健一(過去の僕、おそるべし!)
嘉成光「うわあ!?」
高原みこ「光くん、どうしたの?」
木藤健一「ん?」
高原みこ「わあ! フォークがぐにゃぐにゃになってる!」
嘉成光「い、いったい何がどうなってるんだ?」
木藤健一「まさか・・・」
木藤はハッとして光の方へ御幣(ごへい)を突き出す。
嘉成光「ちょ、何!? 怖いんだけど!」
木藤健一「・・・ホッ、ホワァ!」
木藤が奇声をあげると、光の持つフォークの頭がねじれてポトリと床に落ちた。
嘉成光「ひえっ!」
高原みこ「すごーい!」
木藤健一「や、やっぱりそうだ! 修行をすれば、僕に新しい力が・・・!」
〇神社の本殿
境内に移動した三人の前には、熱気を放つ火渡り用の炭火が並んでいる。
高原みこ「この火の上を、裸足で歩くの?」
嘉成光「わざわざ雨の中でやることなのかな・・・」
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