変身、裏山戦士オニキング!(脚本)
〇学校の校舎
直「う~ん」
直「こんなデザインでどうかな?」
直「西國舎編集部・・・EMI・SUMIKAWAっと」
直「うーん。なんか地味ってかインパクトがないなー」
〇教室
直「ふむ、じゃあこういうのは」
直「悪くないぞ」
直「もっと攻めてみようか」
直「変わったところでこういうデザインなど」
直「ふむふむ。あるいは反骨と断罪のイメージを強調させて」
映見「こんにちは。西國舎『ビバ農村』担当編集者の澄川です。名刺をどうぞ」
直「さすがに怖すぎるか・・・」
榊「お仕事ですか~NAO先生」
折口「コラコラ。我が町のシンボルキャラの発案者ぞよ。控えおろう」
直「まあ、そういうこともあったよね」
直「賞とかあんま興味ないから」
折口「おお~」
榊「あ~てすち~っく」
イケてる女子1「オニキング。オニキング」
イケてる女子2「超ダサいんですけど」
直「確かに町おこしの仕事も忙しいけど、今、名刺デザインも受注されてそっちとのかけもちでバタバタしててさ」
直「いいなーみんな青春謳歌できて。わたくしなんて仕事仕事で本当忙しいから」
直「大人の世界で揉まれてて、遊ぶ暇もありゃしない」
直「あー寝てないわー。この一週間全然寝れてないわー」
イケてる女子1「ふん!」
折口「それはそれはご苦労様です」
直「ねえ、今度見学に来る?役場・・・ってか職場」
直「二人を見込んで手伝ってほしい事あるのよね」
榊「まじっすか!」
折口「私たちも役場に?」
直「君達の力を是非貸してほしい。むふふふふ」
〇山間の田舎道
折口「直!マジで行っていいの?」
榊「仕事中じゃない?怒られないかな~?」
直「私の用だって大事な仕事だよ」
直「それに、今日は向こうから呼び出しあったんだから」
折口「呼び出しって?」
直「多分OK関係の・・・」
直「あ、オニキングの略ね。ごめんね略しちゃって」
折口「業界人~」
直「多分OK関係の本打ちだと思うけど・・・あ、打ち合わせのことね」
榊「ぷろへっそなる~」
折口「打ち合わせって、そんな大事な場所にウチらお邪魔していいの?」
直「いいの!このNAOがいいって言ったらいいの!そういうものなの!」
直「てか、ぶっちゃけ役場の人ってちょっと感性古くてさ。二人にオブザーバーとして来て欲しかったんだ」
榊「おぶざ~・・・なに?」
直「ようは軍師ね」
折口「どうする?軍師だって!」
榊「お館様~一生ついて行きます~!」
直「ようし!わしについて参れ!」
直「出陣じゃあ~!」
榊「待って~!」
折口「くそ、抜かされた!」
〇田舎の役場
直「・・・」
折口「どうした?入んないの?」
直「あ、そうだ。アポとったっけな私」
直「あ、アポって訪問しますって約束の・・・」
榊「それくらいは知ってるよ~」
折口「打ち合わせに呼んだの役場でしょ。入ってお茶でも飲んで待ってれば?」
榊「そうだよ先生。堂々としてなよ」
直「ちょ、ちょっと待ってて。担当の人に電話するから」
直「一応ねっ!一応!」
直「大人としてのマナーだから。うん、そういうの大事」
『はいもししもし』
直「あ、あ、あの澄川さんの携帯でしょうか私先日ご連絡頂いた裏山中学の滝沢と申します今役場の前まで来てましてそのあのその」
『直ちゃん?はいはい~今出るね。ちょっと待っててね』
映見「やっほ。久しぶり~直ちゃーん!」
直「は、はいっ!ごぶさたしてます!」
映見「あれ?お友達?」
榊「ど~も~。お疲れさまで~す」
折口「初めてお目にかかる。我らは絵師NAOに乞われて推参仕った軍師で」
折口「な、何故殴る・・・」
直「同級生の折口と榊です。三人で社会見学に来ました。御迷惑でなければ二人も一緒に」
映見「全然。ども澄川です。地方雑誌で取材記事書いてるんだけど、まあ町おこしの同志ってところね」
映見「二人も協力よろしく!」
榊「勿論です~OKプロジェクトですね~」
映見「ん?OK・・・なに?」
榊「なんで殴るの~!」
直「はい!中学生代表として、町おこし頑張ります!」
映見「よし、それじゃ原案者が来たところで」
映見「行こうか!」
直「い、いずこへ~?」
折口「あやつ・・・」
折口「目覚めたな」
榊「うん・・・」
〇田舎の公園
映見「直ちゃん。いや、本日はオニキング原案者NAO先生の許可を頂きたく、ご足労願いました」
直「あ、はい!」
映見「西國市役所裏山町出張所職員並びに、反骨のジャーナリストこと澄川映見は・・・」
映見「ここにオニキングローカルヒーロー化プロジェクトを宣言いたします!」
榊「えーっ!」
折口「すごいじゃん、直!」
直「ほ、本当ですか?」
映見「ではご登場頂きましょう。裏山町のニューヒーロー・・・」
「裏山戦士オニキング!」
折口「・・・」
榊「・・・」
直「す・・・」
直「凄いです!私、感動しました!」
映見「あ、あらそう?よかった・・・」
映見「実のところ予算ほとんど組めなくて」
直「敵キャラの戦闘員まで作ってくれたんですね!嬉しいです!」
映見「え?戦闘員?」
直「次はドーンと敵の幹部が出てきて、そして最後に黒雲の鬼皇子ジーク」
直「いや、オニキングが華麗に登場!」
直「感動です!最高です!さすが市役所です!」
映見「あ、あの・・・直ちゃん」
榊「そうなんだ!あ~もう、幹部飛ばしてオニキング見たいよ~!」
折口「オニキングー!ほら、直も!」
直「そんなー。子供っぽいよ」
榊「いいじゃんほら~オニキング~!」
直「そうだね・・・うん」
直「オニキングー!」
???「トウッ!」
直「・・・」
折口「そ、そうね!まずは敵戦闘員の攻撃からよね!」
榊「きゃあ~!助けて~オニキング~!」
直「た、助けて~!」
???「ハッ!」
直「・・・」
裏山戦士オニキング「裏山戦士オニキングだ。みんなよろしくな」
直「お前、ふはいろうだろ」