アテナ任務遂行中!

木佐マコ

第16話 アテナ、呪われる!①(脚本)

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〇教室
  とある小学校の教室。
  神妙な面持ちの木藤健一(きとうけんいち)を、生徒たちが取り囲む。
  木藤の前には消しゴムが置かれていた。
木藤健一「ホ、ホワァ!」
木藤健一「ね、本当だったでしょ? ぼく、消しゴムを浮かせられるって・・・」
女子生徒「木藤くん、不気味・・・」
男子生徒「不気味く~ん! ぶきみとうくん!」
木藤健一「ぼ、ぼく、不気味なんかじゃない・・・!」
高原みこ「えーっ、すっごいね! 本当に消しゴムがふわふわ浮いた!」
木藤健一「た、高原さん・・・」
高原みこ「ねえねえ、木藤くん、もう1回見せて!」
木藤健一「うん・・・っ」

〇祈祷場
木藤健一「ホンニャラ、カンタラ、ホワァーッ!」

〇神社の本殿
木藤健一「キエェェエーーーーッ!」

〇通学路
高原みこ「最近、雨の日ばっかりだね」
アテナ「はい。洗濯物が乾きません」

〇川に架かる橋
木藤健一「さて、今日も高原さんの無事を祈願して、祈祷をするか・・・」
  鞄から神祭用の御幣(ごへい)を取り出す。
アテナ「御主人(マスター)に付きまとうのは止めるよう、この前も忠告しましたが」
木藤健一「アテナさん! い、いつの間にっ!」
木藤健一「ぼ、僕もこの前言いましたが、僕はただ・・・」
アテナ「木藤健一。危険度はそれほど高くないと見積もっていましたが、しつこさは嘉成光に匹敵・・・」
木藤健一「僕はただ、祈祷をしているだけですよ!」
  アテナに向かって御幣を突き出すと、その先端が風もなくふわりと浮き上がった。
アテナ「不気味な・・・」
木藤健一「い、今なんて」
アテナ「不気味だと言ったんです」
木藤健一「な・・・っ!」
高原みこ「アテナー、行くよー!」
アテナ「いいですか。次は排除します」
木藤健一「・・・僕が、不気味だって? 嫌なことを思い出させるなよ」
木藤健一「ううっ、僕の中に、負の力が溜まっていく・・・!」
木藤健一「僕を怒らせたことを後悔させてやる! ホアァアッ!」
  アテナに御幣を突き出した瞬間、みこの隣を歩くアテナの姿が消えた。
木藤健一「んんっ!?」

〇通学路
  フィギュア体に戻って地面に倒れるアテナ。
高原みこ「えっ? 何? どうしたのアテナ?」
アテナ「・・・・・・」
高原みこ「アテナったら! おーい? 寝ちゃった?」

〇川に架かる橋
木藤健一「今の、僕がやったのか・・・っ!?」
木藤健一「あんなに恐ろしい呪いを・・・! 僕はなんて力を秘めていたんだ!」

〇古いアパート

〇安アパートの台所
嘉成光「はー、撮影が長引いちゃった! みこちゃん、ただい・・・」
  言いかけた光は、部屋を見てぎょっとする。

〇雑多な部屋
「・・・・・・」
嘉成光「ど、どうしたの? こんな暗い部屋で」
高原みこ「アテナのお葬式・・・」
嘉成光「ええ!?」
高原小太郎「うっ、うわ~ん! アテナ、動かなくなっちゃったんだよ!」
  ティッシュケースの中に置かれたアテナを、光が手に取る。
嘉成光「・・・ほ、本当だ。何があったの?」
高原みこ「何にも。 朝、通学路で急にこうなっちゃったの」
嘉成光「そんな。不死身じゃなかったのか・・・」
高原みこ「・・・光くん、アテナのお墓作るの手伝ってくれる?」

〇神社の本殿

〇祈祷場

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