慇懃無礼戦士☆オジャマン

芦土 杏奈

第三話 オジャマン、アジトでくつろぐ(脚本)

慇懃無礼戦士☆オジャマン

芦土 杏奈

今すぐ読む

慇懃無礼戦士☆オジャマン
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇古いアパートの部屋
  前回までのあらすじ
  オジャマンのせいで、親玉は『セカコワ☆』の部品を買えなかったぞ!
手下B「イー! (親玉ー『セカコワ☆』部品買ってきましたよー)」
手下A「イー! (トイレットペーパーも安売りしてたから、ついでに買ってまーす)」
オジャマン「おやおや、これはご苦労様です」
「イー! (ひいーーーー!?)」
オジャマン「おや? こちらのお宅はトイレットペーパーはシングル派なのですね」
オジャマン「しかも再生紙とは・・・やはり、お尻の皮膚の鍛え方が違うのでしょうか? さすが『悪の組織』のみなさんですね!」
手下A「イー! (な、なんでコイツがここに!?)」
手下B「イー! (しかも、超くつろいでる!?)」
親玉「おや、お前たち帰っていたのか?」
「イー! (お、親玉―!!)」
親玉「どうした、帰るなり騒々しいぞ」
手下A「イー! (だ、だってアイツが!)」
親玉「心配するな。これも作戦のうちだ」
手下B「イー! (・・・というと?)」
親玉「いいか、お前たち。今までのことをよく思い出せ」
親玉「今あそこで呑気にくつろいでいる男・・・オジャマンを邪魔者扱いしたら、今までどうなっていた!?」
「イー! (そ、それは・・・!)」
親玉「そうだ! 『セカコワ☆』を壊されたり、買い物の邪魔をされたり・・・」
親玉「とりあえず、大なり小なり酷い目に遭うのだ!」
「イー! (ガ、ガーン!!)」
親玉「過去の失敗を踏まえ、今回はあえて、オジャマンを熱烈大歓迎してみようと思う」
親玉「もしかしたら、反対に良いことがあるかもしれんしな」
手下A「イー! (なるほど! さすが親玉!)」
親玉「おや、オジャマン君。そのお茶飲んでないけど、お気に召さなかったかい?」
オジャマン「あ、すみません。やはりこれはお茶だったのですね」
親玉「・・・湯呑に入った緑色の液体がお茶以外の何に見えると言うんだ?」
オジャマン「そうですね・・・。色も薄いですし、かすかにお茶の香りがするだけなので、そういうアロマか何かだと・・・」
親玉「・・・さ、さすが育ちのいいお坊ちゃんは、考えることが洒落てますなあ!」
手下A「イー! (親玉! オジャマンみたいになっちゃってますよ!)」
親玉「し、しまった!」
親玉「そ、それならワインはいかがかな?」
オジャマン「おや、いいのですか? それでは遠慮なくご相伴にあずかりましょう」
親玉「はっはっは。遠慮など必要ない。私とオジャマン君の仲じゃないか。ゆっくりくつろぎたまえ」
オジャマン「ふふ、こんなに良くして頂いて恐縮です」
オジャマン「しかし、親玉さん直々にくつろいで行けと言われては、きちんと徹底的にくつろがなくては失礼ですよね」
オジャマン「たとえ、ウサギ小屋のような部屋ではくつろげなくても、全力でくつろぐふりをするのが、礼儀だと思っています」
親玉「ははは。そうかねそうかね」
手下AB「イー!(ハラハラ・・・)」
  親玉はこめかみに青筋を立てながらもオジャマンへワインを渡した。
オジャマン「それでは、早速いただきます」
オジャマン「・・・おや、このワインは──」
親玉「ああ、美味いだろう? 私の秘蔵のワインだ。ぜひオジャマン君にと思ってね」
オジャマン「なるほど! 妙に渋すぎるのは親玉さんの好みなのですね!」
親玉「なっ・・・!」
オジャマン「香りも独特で私にはあまり馴染みのないものですが・・・親玉さんは珍しいワインを見つけるのが得意なのですねえ」
オジャマン「そうだ、今日のお礼に今度私のとっておきのワインを親玉さんにプレゼントしましょう!」
オジャマン「きっと親玉さんもワインの本当の美味しさに目覚めてくれるはず──」
親玉「黙れ小僧」
オジャマン「え? たまり醬油?」
手下B「イー! (ヤバイって! 親玉、今にも切れそうじゃん!)」
手下A「イー! (っていうか、オジャマン! 貴様何しに来たんだ!?)」
オジャマン「虎穴に入らずんば虎子を得ず! つまり、これは敵情視察なのです!」
ジャマ子「視察ってコイツら何もしてないじゃんwww」
オジャマン「そんなことはありません。ちゃんとトイレットペーパーを買ってきているじゃありませんか」
手下A「イー! (な、なんだと!)」
手下B「イー! (お前が台無しにした『セカコワ☆』の部品を買って来たんだよっ! ティッシュはついでだ!)」
親玉「はあ・・・。お前たち、ここはいいから『セカコワ☆』の修理始めちゃって」
親玉「それから、お客様には丁寧に接してね」
手下AB「イー! (わ、わかりました!)」
オジャマン「おや、ようやく修理を始めるのですね! さすが親玉さん、焦らすのがとてもお上手でしたよ!」
親玉「はっはっは・・・君が邪魔しなければ、とっくに出来上がってるんだけどね」
手下B「イー! (親玉! 本音が漏れちゃってます!)」
オジャマン「それでは、私も手伝いましょう。小規模な組織だと人員の数も少ないから大変でしょう?」
親玉「キー!!」

このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です!
会員登録する(無料)

すでに登録済みの方はログイン

次のエピソード:第四話 オジャマン、プロモーションビデオを撮る

ページTOPへ