第15話 爆弾魔・スグル登場!③(脚本)
〇大きな木のある校舎
盆場スグル「あーー!?」
〇野球のグラウンド
盆場スグル「あと5分で大爆発するぞ!」
盆場スグル「『パクッと爆発ボンバ・チョコ』! 食べちゃった~!!」
アテナ「な・・・っ!?」
「ええ~~!?」
嘉成光「爆発!? あっ、君、もしかして!」
〇黒
盆場スグル「だっはっは~!」
〇野球のグラウンド
嘉成光「君、『ぼんばすぐる』か! どこかで聞いた笑い方だと思った・・・」
高原みこ「えっ! あの丸い人、女の子だったんだ!」
盆場スグル「そんなこと話してる場合か! 大爆発するって言ってるだろ~!?」
アテナ「つまり、貴方が先ほど食べたチョコが、爆弾だったのですか?」
盆場スグル「ああ、ボンバ・チョコだ! 大爆発して半径1キロ、木っ端みじんになる!」
嘉成光「いや、何で食べちゃったんだよ!?」
盆場スグル「だって、あ~んってされたら! 食べちゃうだろ~」
アテナ「まさか、製作した本人が食べてしまうとは・・・」
嘉成光「あ、あほだ・・・かなり・・・」
アテナがチョコの箱を調べると、底からカウントダウンする謎の機械が出てきた。
機械のモニターには「03:54」と表示されている。
アテナ「これは・・・」
盆場スグル「おっ、そのタイマーよく見つけたな! 時限爆弾はこれがないと、ドキドキしないからな~!」
高原みこ「あー、確かに! 数字が減ってくのって、ドキドキするよねー」
嘉成光「命がかかってるのに、その余裕は何なの!?」
アテナ「では、この爆発物を海に捨ててきます」
スグルを肩に担いでアテナが言った。
盆場スグル「おわ!? 爆発物って、私のことか!?」
高原みこ「ちょちょ、ちょっと待ってアテナ! それはダメ!」
高原みこ「それじゃスグルちゃん、爆発で死んじゃうよ!」
アテナ「? これは自爆です。「相手を傷つけるな」という御主人(マスター)との約束は破っていませんが」
高原みこ「とにかくダメ! スグルちゃんも助けるの!」
アテナ「・・・・・・」
嘉成光「わ、わかった! それじゃあ爆弾を吐き出させる方法を考えよう!」
高原みこ「うーん、どうしたらいいかな」
アテナ「では・・・殴りますか。腹を一発」
盆場スグル「いぃ!? 痛いのは嫌だ!」
アテナ「そんなことを言っていられる状況ですか? 大丈夫です、傷つけはしません」
バキバキとこぶしを鳴らしながらスグルに迫る。
盆場スグル「ひ、ひ、ひいぃ~~!」
高原みこ「ダメダメ! アテナ、殴るのもダメだから!」
アテナ「そんな・・・!」
嘉成光「はっ! あれを使えば・・・!?」
光は何かを思いついたように胸元から小瓶をいくつも取り出した。
嘉成光「これじゃない、これでもない、ええと・・・あった、これだ!」
嘉成光「長老が、『誰かに吐かせたいときに使え』ってくれたんだ!」
高原みこ「ええっ、そんな薬が!?」
嘉成光「長老の『これを飲めば、どんな強情者でも1から10まで全部吐きよるわい』ってお墨付きだよ!」
盆場スグル「いやだ~! そんなアヤシイ薬は飲みたくない!」
アテナ「吐く、の意味が違います。 これは自白剤です」
アテナが瓶を指さすと、小さなラベルには「自白剤」と書かれている。
嘉成光「え? あ・・・あれ?」
盆場スグル「うわわ~!! あと2分ないぞ!」
高原みこ「あ、そーだ!」
みこが突然スグルの脇腹に手を伸ばした。
盆場スグル「だはっ! 突然なんだ!? く、くすぐったい!」
高原みこ「昔、小太郎のことくすぐってたら、吐いちゃったことがあってー」
嘉成光「みこちゃん、けっこうえげつない・・・」
アテナ「小太郎・・・気の毒に・・・」
盆場スグル「な、なんだそれ! だ~っはっは!」
高原みこ「うりゃうりゃうりゃ! こうやって、こうじゃ!」
盆場スグル「だ~~~!! はっはっは!!」
〇野球のグラウンド
盆場スグル「はぁ、はぁ、全然ダメじゃないか~・・・疲れただけだ・・・」
高原みこ「な、なんで~??」
アテナ「残り26秒・・・!」
盆場スグル「ああ、もうダメだ~・・・今度の作戦は完璧だと思ったのに」
アテナ「やはり殴りましょう。 スグル、痛いのは一瞬ですから」
盆場スグル「い、痛いのはいやだっ!!」
嘉成光「爆発したら、もっと痛いんだよ!? 一発くらい・・・!」
高原みこ「アテナも光くんも、ダメだったら!」
アテナ「く・・・っ」
苦悩の表情を浮かべたアテナは、ふと光の手に握られたクッキーに目をとめた。
〇雑多な部屋
高原小太郎「うっ!」
〇野球のグラウンド
アテナ「光、クッキーを!」
嘉成光「ちょ・・・っ!?」
高原みこ「アテナ、何を・・・?」
アテナ「あーん」
スグルの口元にクッキーを差し出す。
盆場スグル「あーん!」
嘉成光「ウソだろ!?」
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